思いは水ものだ。だが執心がそれを引き止める。赤ん坊が母親の乳首から口を離さないように。甘い思いに限らない。自己憐憫から辛い思いにすらしがみつく。人の業なれど、それは私と思いの乖離を招き、やがて引き裂かれる。どんな思いでも、いつかはそっと手放してあげなければならない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?