見出し画像

【世界】人類の意思が発露するとき

人の世には無数の考えが溢れています。

蒙昧な考え

聡明な主張

卑しい劣情

尊い思い

人の口から放たれた言葉には、人の数ほど意味づけがなされます。



人々の人生が多様である以上、一つの言葉に相反する意味が付けられることも珍しいことではありません。

ある人が「こんな意見ははしにも棒にもかからない」と考えることでも

他の人にとっては「それは素晴らしい考えだ」となることもあります。



世界には無数の人々がいますが、どの人もその立場からのみしか世界をとらえることができません。

どのような完璧に見える意見でも、それはあくまで世界の一側面から考えられたものに過ぎないのです。



どんな意見にも、独善的な要素は混ざりますが、恐れてはなりません。

それでも…いやそれだからこそ、人が独自の意見を主張する価値があるのです。

多くの主観に基づいた考えが混ざり合い、一見混沌に見える思考のるつぼこそが

普遍的な人類の思索となるのです。



個人に、その思索を認識することはできないでしょう。

それを認めるには、人はあまりに小さすぎます。

でも、一面的な意見が無数に集まると、それは万人を包括するに足る主義となります。

大きなうねりとなった考えの束は、意識的にしろ、無意識的にしろ人々を動かす原動力となります。



その力は、時に多くの人々を破滅に導くことがあるかもしれません。

それでも人々は、無数の混沌からなる普遍的な考えを練り上げていくことでしょう。

それこそが、世界を分別して意味づけることを定められた人類の運命であり

存在価値なのですから。



心置きなく世界に向けて自分の言葉を語りましょう。

その言葉は、時に侮られ、時に尊重され…いろんな側面から評価をされます。

しかし、どんな評価であろうと、それは一面的なものです。

評価され、自分の言葉を省みることは大切ですが、落ち込むことはありません。



肝心なのは、数え切れない言葉の流れで渦を作り、人々が歩むための力にすることです。

そして恐らくは

この渦こそが、唯一無二たる世界の意思が発露されたものなのでしょう。

いいなと思ったら応援しよう!