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#6 全体を俯瞰して、ボトルネックを見つけ、そこに一点集中する

ザ・ゴール エリヤフ・ゴールドラット/ジェフ・コックス
を読みました。

一言で言うと「全体最適」の本です。
しかも生産効率化の本ではなく、マーケティングや経営・戦略の本だと思いました。

1984年に出版されてから2001年まで日本語翻訳が許可されなかったということで話題になった本です。
作者がそうした理由は『部分最適において卓越している日本が全体最適の手法を学んでしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥る』からだとか。

ボトルネックは制約とも訳されていますが、今以上の量を生産しようと思った際に全工程の中で「この工程がこれ以上生産を増やせないから、結果製品数をこれ以上増やせない」という部分を指します。

工場の一工程だけを見るのではなく、工場全体のボトルネックに焦点を当てて解決するという考え方は、工場ラインだけでなく通常のプロジェクトや業務効率化につながる部分かもしれません。

あるある話ですが、商品の売上をあげたいとき

ボトルネックがどこかを考えずに、あれやこれやと売上の上がる方法を考えて、出来るところからやろうとしがちです。

もっとお客さんが魅力に感じるデザインに変えよう!
もっとお客さんが手に取りやすい価格に変えよう!

でも売上は一向に上がらない…

なぜ?

そこで、商品開発から生産、営業活動、そこからお客さんの手に届くまでの一連のフローを見て、どこが売上増のためのボトルネックになっているかを探してみると、実はお店に並んでいないということがボトルネックとなっていることが分かります。

つまりいくら商品を改良していってもお客さんの目に触れるところに並べられていなかった!みたいなことがよくあります。

売上を上げるために行うべきは、店頭配荷UPのための小売への商品導入支援策だった、というわけです。

全体を俯瞰してみてボトルネックはどこなのかを考える習慣をつけることは普段の仕事の取組みにおいても非常に有益だと思います。

読んだ後に少し考えたら当たり前なことだけど、実際に自分の普段の業務アクションに落とし込んでみると実はそうなっていなかったり、忘れがちになっていたことに気づき、ハッとさせられました。

『企業の目的とは何か?』
それは生産ラインを効率的にすることではなく○○することだ。

『「生産的」とは何か?』
それは効率的にラインを動かすことではなく○○だ。

その答えもこの本に書いてあります。

中小企業はマーケティング予算も潤沢になく、人員も大手に比べて少ないので、より効率的・効果的であることが必要とされます。

事業拡大をするにあたり、ボトルネックとなっている部分を見つけ、そこに一点集中することが、弱者が強者に勝つための戦略の一つであると思います。

原作は600ページくらいあって読むのに難儀しましたが、コミックは1時間程度で原作の内容を理解出来、しかも日本企業に舞台を変えているのでとても読みやすいです。
まずはコミックがお勧めです。
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