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#2 『ピッチ上で問題を見つけて、自分たちで解決する』
オリンピックのサッカーU-24日本代表の結果はメダルまであと少しと、とても惜しいところまで行きました。
スペインとの準決勝も、1-3で敗れた3位決定戦も、最後は地力の差が出たものの結果については紙一重だったと感じます。
そして日本代表は来月から2022年カタールW杯に向けた最終予選が始まります。
オリンピックでも感じましたが、私は現在の日本代表はこれまでとは違う強さを持っていると考えています。
それを確信したのは今年3月の韓国との親善試合でした。
3-0の勝利。
絶対的エースのソン・フンミン含め2人の海外組を欠いている中で、0トップという奇策に出た相手に対し、キャプテンの吉田選手が試合後に語った言葉です。
”チームの中でも『ピッチ上で問題を見つけて、自分たちで解決しよう』と話していたなかで、前半は上手くできたと思っています”
これはチームの共通目的を理解し、その目的を踏まえた上で自分で考えて主体的に行動するチームになれていることを示すのではと感じます。
今までの、監督のプランに従ってプレーをするチームから、目的を共有して選手が自律的にプレーすることには大きな違いがあります。
かつて岡田監督が南アW杯の際にチームメンバーには
❶意義目標:日本サッカー史上成し遂げたことのない結果を残す
❷成果目標:W杯でベスト4
❸行動目標:6つの指針を守った行動をする
を示し、意義目標から行動目標の一貫性を理解させたうえで、その行動目標の6つの指針として
・楽しんでやる
・自分でやる
・勝つためにベストを尽くす
・今目の前のことに集中する
・常にチャレンジする
・まず挨拶をする
というものを徹底させ、これを主体的に実践出来る人をメンバーとして歓迎するチームを作ったと言います。(参考:THE TEAM 5つの法則/麻野耕司(幻冬舎))
それがあのW杯でのだれも予想しなかった結果につながるわけですが、この時の日本代表における文化が、監督やメンバーが変わった今も続いており、そして醸成されているのではということをこの試合で強く感じました。
またJリーグにおいても絶対的な強さを発揮している川崎フロンターレにおいても、物事の本質をとらえ主体的に考えて行動できる選手を育成する『Jリーグよのなか科』の取組が実は2010年から行われています。
今や、プレーヤーが主体的に行動できるかどうかがチームとしての強さに大きな影響を与えていることを感じます。
そういう点も含め、これまでの日本代表と今の日本代表は違う強さを持っている、と感じました。
【まとめ】
①以前の日本代表
監督が選手に勝つための唯一解としての戦術を与え、それを選手に徹底させる情報処理的なプレーをさせる(例:オフト時代のオフサイドトラップ、トルシエのフラットスリー)
②現在の日本代表
チームのベクトルを示し、その軸を理解をさせながらも各々の判断で行動させる情報編集的なプレーをさせる(例:岡田監督以後の代表、ただしジーコジャパンはカリスマ性の元で選手の主体性を発揮させたがチーム戦略は乏しかったため結果につながらず)
W杯最終予選が楽しみです。
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