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#5 “あなただけの”好きなお菓子はありますか?

※本内容は特定の商品・ブランドを批判・毀損するものではありません

スーパーなどのお菓子の棚を見ていて、最近思うことがあります。
誰もが知るブランド名を使用した派生商品が世の中に非常に増えています。

実はこれは消費者の思考停止状態を踏まえた売り手側の都合だと考えています。

お菓子などの消費財は「センミツ」と言われ、1000つに3つくらいしかヒットが出ず、ほとんどが売れずに短期間でなくなる商品ばかりです。

その中でメーカーだけでなく、スーパーなどの小売りも安定した売り上げのためには売りやすいものを売りたい。
そうなると小売りも大手志向になったり、認知度の高いブランド名を使用した商品を多く採用する傾向になります。

結果として消費者不在の、売り手都合の棚になってしまっていると思います。

マーケティングとはそもそも「顧客が真に求める商品やサービスを作り、それを届ける仕組みづくり」をするものなのですが、最近のマーケティングは顧客の安心感を免罪符に「売る側がなるべくたくさん売りやすくなるための方法」になっているなと感じます。

正解至上主義の呪縛に囚われている日本人にとって「失敗したくない」が先に出るため、お菓子のような低価格の一般消費財を買う際でさえ買う側の「失敗したくない」が先行し、失敗するリスクが低いであろう誰もが知るメーカーや誰もが知るブランドの派生商品に手を出しがちになってしまいます。

また現代人はこの超情報化社会において1日に何千回もの「選択」をしているそうで、少しでも選択する回数を減らしたいと無意識に脳が指令して、思考停止状態させていることも、いつも同じブランドを手に取らせている要因になっているとも言います。

ですのでメーカー側も、顕在化・潜在的な顧客ニーズを探って新しい商品を開発するという本来のあるべき姿を追うより、こうした自社財産(ブランド)を使って出すほうが楽だし、リスクも低いという消費者との変なwin-winが生まれているように感じます。

どうしても大量生産・大量消費の世界ですので、このように多様性と逆行しているところが一般菓子市場にはあります。

中には全く新しい商品を世に出そうとされているメーカーもありますが、大多数がこのままの消費行動を取り続けてしまうと今後の人口減少や少子化によりこの動きは加速し、驚きを感じられる新しいものが世に出てくる可能性がどんどん減ってきてしまうと思います。

それが消費者にとっての真の幸せなのか疑問です。

私が思うのは、お菓子のような比較的低価格の嗜好品くらいリスクを負ってチャレンジしませんか?ということです。

『これを買っておけば失敗はないだろう』という正解至上主義の呪縛から解き放たれたほうが人生もより良く過ごせるのではと感じます。

皆さんは「他の人は好きじゃないかもしれないけれど自分は好き」といえるようなお菓子はありますか?

またそれはなぜですか?
少し考えてみると自分自身について新たな発見があるかもしれません。

私は他人がNOと思っていても「自分がいいと思ったものは良い」と言えるものには本当の価値があると思います。

もちろん著名なブランドの商品のそれ自体の価値は否定しません。
私も明治さんのアポロが好きですし、お腹が空いたらスニッカーズを食べますし、酒のつまみにじゃがりこを食べるのが至福の時です。

ただ、皆さんのそういった『自分だけが好き』にはとても価値があると思っています。

みんながそれを大事にしていけば、どこをみてもブランドを冠した商品ばかりの思考停止棚は無くなっていくと信じています。

“あなただけの”好きなお菓子はありますか?

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