国語の復習法〜語彙ノート・復習ノートのすすめ
国語の授業を受けたあとの、基本的な復習の方法をご紹介します。国語は復習が命。ぼくの授業自体、テストの復習です。「授業を受けて終わり、さあ次!」とやっても、意味はあるでしょう。ただ、ここで得られた教訓をムダにしないために、授業後に振り返る時間を少しでもとって欲しいです。
復習としてやってほしいことは、以下の2つです。
・語彙ノートの作成
・復習ノートの作成
1.語彙ノート〜わからない言葉を蓄積する
読解で出会ったわからない言葉は、しばらくして、また同じ分野の文章で出会うことになる可能性が高いです。わからなかった言葉をそのままにせず、できる限り消化して次に進みたい・・・。
さらに、文章中の言葉の語彙に注目することにはさらなる意味があります。バラバラの単語ではなく、文章の流れの中で生きた言葉として理解する機会は貴重なのです。読解で出てきた言葉は、毎回必ず丁寧に蓄積していきましょう。
特に、過去問をやるようになれば語彙ノートはさらに価値が高まります。同じ言葉が再度出ることは少ないかもしれませんが、やればやるほど「どういう言葉を知っている受験生に入学してほしいのか」が一覧できます。それが分かれば、あとはそういった語彙・話題が書かれている文章に当たっていけばいいのです。
では、どういうノートを作るのか。
「備考」欄に書くのは、以下の2つです。大事なところを他の記事に丸投げしてしまいますが汗、以下のサイトを参考にして下さい。
<備考欄に書くことその1>自分の言葉で「言いかえ」
中学受験ドクターのブログ
https://www.chugakujuken.com/koushi_blog/kaitou/20160830.html
辞書の、正確だけど難しくて無味乾燥な説明を、自分の言葉で説明する。「わかっていない自分」にわかりやすく説明するために言いかえる、というイメージです。
これが、「文章の内容と関連づけて言葉を知る」ことにつながります。自分で咀嚼することで、少しでも語彙を文脈のなかで理解して「自分のもの」にしやすくなると思います。
上記サイトにも書かれていますが、本人に任せっきりにしてしまうと、「分からない言葉が見つからない」ので収録語が増えないことになりやすいです。だからそこは適切な声掛けが必要です。
生徒によっては、毎回の授業中にわからなかった語彙をまとめてあげたりもしています。その時にも、辞書の意味どおりではなく、「本人でもわかるような言葉」を選んでまとめています。そしてそのリストをずっと蓄積していきながら、「たしなめるって、何だっけ?」みたいに、授業の最初にこれまでの全範囲からピックアップで口頭テストしていきます。毎回くり返すと、だんだん定着していくものです。
<備考欄に書くことその2>辞書に類義語・対義語があればそれも書く
医学部受験×個別指導 MEDUCATEのブログ
https://meducate.jp/column0124/
「言葉と言葉のつながりを知る」ことによって言葉を有機的に身につける姿勢がつきます。常に1つの語彙に2つ3つの言葉がついてくれば、学習効率はそれだけ向上します。
語彙対策は「語彙ノート」にとどめておくことで、国語が苦手な子については、国語に使う時間を最大限「文章を実際に読むこと」に関連づけることができます。
2.復習ノートを作る
僕の授業では、基本的に間違えた問題について解説します。その解説した内容を、板書を参考にしながら見直してください。そして、次のような「復習ノート」を作ることをおすすめします。
復習ノートを作っている余裕はない、という場合は、板書を参考にしながら、テスト問題用紙そのものに直接、自分の足りなかったことや、気づいたことを書き込んでいくだけでも構いません。ふせんに書いて問題用紙に貼り付けても良いです。少しの時間でもいいので、授業の思い出し作業をすることができれば、先につながると思います。
さて、復習ノートの作り方は以下のとおりです。
まず、ノートやルーズリーフを用意します。
もし可能であれば、問題文や設問もコピーして貼り付けるか、ファイリングしてください。難しければ、そこまでしなくても良いです。
とにかく、過去の演習経験を何らかの形にファイリングすること。これが、自分なりの方法論を構築していく上でとても大切だと思います。
(小学生だと、もしかすると、保護者の方のサポートが必要かもしれません・・)
復習ノート① 文章の要約
新しいページの一番上に、
・問題の種類(例:「6年6月マンスリーテスト」や「早稲田中2019 第1回」)
・作品名(例:『走れメロス』)
・作者名(例:太宰治)
を書く。
そして、その文章がどういう内容だったか、要約を書きます。
必ずしもこのようなかたちにならないかも知れませんが、大まかな内容を、1行〜3行で書いてください。
稚拙でも構いません。だんだん質を上げていってください。
そうして、実際の問題の復習に移ります。
記述問題と、それ以外に分けて説明します。
復習ノート② 記述問題の解き直し
7〜9割の得点率であれば、直しは必要ないと思います。あくまで目安ですが、6割超えられなかったものについては、自分の力でもう一度解き直しをしてください。わからない場合は板書を参考にしてもかまいません(そのあたりはお子さんの状況によって調節してください)。板書にも解答は書いてあると思いますが、それでも「解答冊子を見て丸写し」だけはしないでください。
書けたら、保護者の方か、先生に必ず見せて、添削を受けてください。その時はじめて、解答冊子で模範解答を確認してください。
復習ノート③ 選択問題、抜き出し問題など
記述問題以外は、答えを覚えてしまっていて解き直しの意味があまりないので、解き直し以外の方法で、解法のプロセスを復習する必要があります。
そのために、「復習ノート」を用意して、次のようなことを問題ごとに書いていってください。
「解法」「解くときの考え方」とは、例えばこういうものです。
【比ゆは一般的な表現にいいかえる!】
【2択で迷ったら、選択肢(し)同士の違いを比較する!】
【設問にあるヒントを見逃さない!】
など。
板書をぜひとも参考にしてください。さらに、授業後のレビューでも、各問題のポイントをまとめているので、それを参考にしても良いでしょう(こうした細かいレビューは、小学生の生徒限定で書いています)。
最初から完璧を目指さなくても構いません。自分なりの方法で良いです。教訓を各問題ごとに一言書くだけでも構いません。ただ、ここをどれだけきっちりやるかが、とても重要です。
もし、さらにじっくり国語と向き合う復習ノートを作りたい場合は、以下のブログを参考にしてください。
https://www.chugakujuken.com/koushi_blog/ohno/20161222.html
以上が、僕が考える国語の授業後の復習方法です。
正直、「こんなことをする時間はない、、、」と思われる方も多いと思います。
お子さんの優先順位と、モチベーションと、おかれた状況を最優先にして調節していただいて大丈夫です。要約が大変そうならやらなくてもいいし、復習をノートを作ってやらなくても、優先順位を考えた結果なのであれば、仕方ありません。
ただ、国語のことだけを考えれば、受験本番の直前に、これまでの間違い履歴を一覧できる復習ノートを手にすることができるのは、強いです。
できる範囲でいいので、上記のようなプロセスを反復するような復習を取り入れてほしいと思っています。
そうして、各人に最適で、持続可能な学習ペースを構築していきましょう。
(でもやっぱり最低限、語彙ノートだけでもやってほしいです!)
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