偉大な発明、ヒトを助けるはずの道具がヒトを殺す
ほんとの起源はさておきささ。
ヒトが知性を獲得し、サル目からヒト科に分かれてからというものの
色んな頭のいいヒト達は数えきれないほどの発明をしてきたわけだ
まずは石の道具を使うことと火を使うことを考え付いたヒトがいてさ、今度は石器でいえばそれをまさにブラッシュアップして磨製石器を作ったり、火なら明かりや料理に使ったりする頭のいいヒトが出現したわけだ。
そこからヒトが急進的に発明をして今じゃ雨風しのげる家の中でボタンをポチポチしてるわけだけど。。。
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いや前置きなげぇ。めんどくさいから本文書こう
ヒトのヒトたるゆえんは有形、無形の道具を使いこなすことであるけどそれが高度化しすぎてもう手に負えなくなってない?
言葉
最初はおそらく単純な伝達手段でしかなかった。何かを見つけたらそれを仲間に知らせるために音で知らせるものでしかなかったはず。それが伝えたいものによって知らせる音の種類を変えることを覚えて、今じゃ「好き」と言っても「嫌い」をその内側に隠すことができる。逆もしかり。それが意識的であれ無意識であれ。
「好き(嫌い)」 「嫌い(好き)」
敬語のようにあえて文面を冗長にすることで相手との距離感を作り出して、立場の違いを表現できるようになった。それが社会を営む上でのマナー・ルールになり、敬語は使えないことは一般的には教養のないものとして立場を低くさせる要因のひとつになっている。
伝えるための手段だったはずの言葉が疑心暗鬼に邪魔されてもはや伝わらない。文字
これは洞窟壁画が始まりで、それまで経験してきたものを後世に残すために刻み込まれたのが始まりだったけな。絵がやがて象形文字になりそれぞれの地で独自の文字に成っていったわけだ。それのおかげで今では頭のいいヒトが生み出してきた多くのものが長く保存されて後進達がそれをさらに発展させることができるようになった。もはや文字も操り切れないほど多くの単語が生まれて完璧に使いこなすことなんてとても不可能になった。
大切なことを残すために生み出された文字が氾濫して何が大切なのかもうわからない。服
最初は防寒や防疫、衛生の助けにするために発明されたものでしかなかった。それが着けるものの種類が増えて、素材が増えて、色が増えてそのヒトの立場を視覚的に区別するための役割をもつようになった。今では着用するものでそのヒトの性質を端的に示す役割が大きくなった。個性ってやつだ。
ヒトを守るためのものだった服がヒトを区別、さらには差別する。時間
偉大な発明だよ。だってヒトがみんな同じ時間軸を共有できるんだもん。
時間と場所さえ示せば、ヒト同士が会えることができる。
でもさひとつの時間軸を定めてしまったらその時間軸では生きていけないヒトには苦痛にしかならない。
個人的には予定ってやつが入ると憂鬱になる。徐々に短くなるリードにつながれた犬の気持ちになる。それが遠く離れている時には意のままに走り回れるのに、それが近づくにつれて行動の裁量が減っていき、直前なんて予定という杭に縛りつけられている感覚に陥っている。
ヒトが時間を飼うのではなく、時間がヒトを飼いならし躾ている。数字
時間とかぶるけどこれだって偉大な発明。同じ規格のものさしを共有することができるようになった。アナログからデジタルに変換すること。長さや重さを統制することで同じ規格の家を建てることができるし、ほぼ同じ料理が作ることができるようになった。でもデジタル変換にする際に切り捨ててしまったアナログの価値は地に落ちている。
通貨が発明されたことで、万物の価値が相対化されて円滑な社会が形成できるようなった。でもお金にならないものや、お金を持っていないヒトの価値が軽視される風潮ができあがってしまった。ヒトの生活の潤滑油になるために生まれたはずの通貨ってやつが戦争を招き多くのヒトを殺す力をヒトが与えてしまった。
ヒトが数字を行使するの?数字がヒトを酷使するの?
ヒトが生み出すものに今のところ完璧なものは何一つない。
いい面があればそれに反比例する危険性をはらんでいる。
不完全はものから完全なものが生まれるわけない。
ヒトと道具のアイデンティティー戦争。
AIの技術的特異点を迎えた時みたいな話もあるけど、
いつか道具がヒトに成り代わる日も来るのかもしれないね。
或るいは、もしかしたらヒトだってもっと壮大なるものの道具のひとつにすぎないのかもしれない。
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