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【J2第5節 vs長崎 レビュー】大宮アルディージャ:オリジン

タイトルはヒロアカのオマージュです。

試合概要

■試合情報:J2リーグ 第5節 大宮アルディージャvsV・ファーレン長崎 @NACK5スタジアム大宮
■試合日時:2021.3.27.Sat 14:00 K.O.
■試合結果:大宮 4-0(2-0/2-0) 長崎
■得点者:
17分:ネルミンハスキッチ(大宮)
32分:小島幹敏(大宮)
54分:小野雅史(大宮)
71分:大澤朋也(大宮)
■選手交代:
〔大宮〕
65分:OUT 石川俊輝→IN 三門雄大
65分:OUT 黒川淳史→IN 松田詠太郎
69分:OUT ネルミンハスキッチ→IN 矢島輝一
69分:OUT 中野誠也→IN 大澤朋也
90分:OUT 小野雅史→IN 翁長聖
〔長崎〕
HT:OUT 加藤大→IN ルアン
HT:OUT 江川湧清→IN 加藤聖
58分:OUT 名倉巧→IN 富樫敬真
75分:OUT エジガルジュニオ→IN 玉田圭司
■両チームのスタメン:

前半の大宮

ビルドアップはGKも参加して後ろを3枚にする形を採用。この時両SBは高い位置をとることで相手SHが前にプレスに行きにくい状況に。SHは中に絞って相手のCH-SH間にポジショニングをすることでハーフスペースを利用。CHは1人は必ずアンカー役に。もう1人は下図のようにパスの受け手となったり、相手のプレス強度に応じて最終ラインにまで下りてきてビルドアップのサポートをするなど、臨機応変に対応。

前半の15分頃までは中央の3レーンで崩す志向が強かったが、先制点のシーンの前後から中央を飛ばした対角のロングボールを使う場面が見られ始めた。
相手SHが大宮のビルドアップ時の3バックに対して食いつき始め、MF-DF間にスペースができ始めたところで大外のレーンを使う攻撃を織り交ぜてきた印象を受けた。
これは、今季の狙いの1つである「相手を引き込んでから大きく展開する」というものに沿った事象であると考えられる。

守備ではCFが強く中央を規制。ここの部分はかなり監督が要求したのか、今までの試合と比べてもかなり良くなっていた。
ここの規制がよく出来ていたので長崎はシュートの形に持って行くまでにかなり苦労していた印象を受けた。

ボールを押し込まれた時はコンパクトな4-4-2のブロックを形成。
長崎はSBを大外に張らせ、アイソレーション役にしていたが、そこに対しては素早いスライドとSBの対人で問題なく対応していた。

前半の長崎

ビルドアップ時はCHの秋野が下りて3バックのような形に。SBは高い位置をとってアイソレーション役。2列目は大宮の4枚の中盤に対してその間をとってボールを引き出そうとしていた。

そういった狙いがあった長崎だが、大宮の中央をしっかり締めた守備によりなかなか効果的な攻撃の形に持って行くことが出来ていなかった。
また、今までの長崎はそういった時にはSBの1vs1から打開を図ることが多かったのだが、レギュラーである亀川・毎熊両選手が不在であったこともあり、大外からの突破も不発気味。前半のシュートは40分頃の名倉の1本のみとなった。

守備時はトップ下の選手が少し前に出て4-4-2の布陣に。
前半は選手の配置を変えて攻撃を展開する大宮に対して、サイドでのマークの受け渡しで若干の迷いが見られた印象を受けた。
また、前半の守備は強くアタックをするわけではなかったので、大宮サイドに比較的楽なボール保持を許していた。

後半の大宮

後半早々に試合を決定づけたと言っても過言ではない3点目をあげ、後半はセーフティーに試合を進めていった。

後述するが、長崎はかなりプレス強度を高めていた。
前半は3バックの形で行っていたビルドアップを4バックで行い、相手を引き込んでからポストプレーヤーである矢島(ハスキッチ)をシンプルに使って陣地回復。

守備に基本的な変更はなかったが、長崎のCHが立ち位置を変更したことでカイオが中央でボールを持つシーンが増え始める。大宮のCF・CHの対応が若干後手に回ったこともあり、長崎にチャンスシーンが増え始めた。
しかし大宮は立て続けに選手を投入することで守備強度を維持し、ゲームを上手くまとめ上げて無失点のまま試合を終えた。

後半の長崎

前半は両SBを大外の高い位置に張らせていたが、後半は左SBと右SHを外に張らせる形に変更。外に張らなくてもよくなった右SBの鍬先は3バックの一角に入り、3バックの位置に入らなくてもよくなったCHの秋野はより高い位置にポジショニング。
中盤の枚数を増加させ、大宮のCFが長崎の中央を封鎖しにくく、大宮のCHがより前に出て対応する事を強いられる形となった。

名倉交代以降(58分以降)は前半と同様の形に戻したが、後半開始時と狙いは同じ。
前に出てきた大宮のSHの裏のスペースの利用と、秋野からの大きく速い展開の増加を狙いとしていた。

守備では前半に若干の迷いがあった受け渡しやプレスをとにかく捕まえに行く形に変更。
長崎のプレスに対して4バックをきちんと残してビルドアップをする大宮に、2列目以前の選手で4vs4を作るようにプレッシング。大宮のSBを追い込んで奪いきるor蹴らせて回収することで攻撃の回数を増やそうとしていた。

さいごに

長崎の後半の修正は適切なものであったと言える。そういった点も踏まえると、3点目にはスコア以上の価値があった。戦術的に無理な戦いをしなくてもよくなったからだ。
間違いなくベストゲームであった今節。このような戦いが次節以降も出来ることを望むばかりである。

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