vol.6 お酒の飲めない営業本部長によるキャリアの旅_出向時代

グループ企業へ出向、コンサルティング会社で学んだこと

2008年のこと、大阪営業所から子会社に出向することが決まりました。

サイボウズは2006年頃から資本を使ったグループ企業を増やす動きを始めます。いまでも毎月1回全社集会がありますが、社長から「今月のM&A」ということでグループ企業が紹介されます。このあたりのことは青野さんの著書チームのことだけ考えたで詳しく紹介されていますのでご興味ある方はぜひ。

そのうちの1社、ブリングアップという営業コンサルティング会社が私の出向先です。大阪本社であったため、大阪営業所時代から社長、副社長をはじめとしたメンバーとすでに交流がありました。おそらく私が出向してくるなんて現場メンバーは誰も想像していなかったでしょう。

サイボウズに所属したままであれば出会うことの無いような方々と交流を持つことが出来ました。ブリングアップで私が主に関わってきた仕事は内部統制コンサルティング事業の営業部門です。関西の上場する700社をターゲットに2008年4月以降の事業年度で義務付けられる内部統制報告書を作成するためのお手伝いということになります。業務フロー図を書き起こしたり、それをもとにリスクコントロールマトリックスを作ったり。重要3勘定と位置づけられた売上、売掛、棚卸資産が出来上がる過程を業務フロー図で表現して、リスクを洗い出しそれにコントロールを設定します。

リスクに対するコントロールとは?【回避】【移転】【受容】【低減】にわかれます。それぞれ具体的な行動は【リスク行動をやめる】【主に保険】【そのまま受け入れる】【監査など様々】。コントロールは低減がイメージされることが多いですが、リスクに見合うリターンの無い行為であればやめたほうが良いということや、やめるわけにも制限をかけるわけにもいかなければ保険をかけることによりリスクを無くすことが出来たりとリスクマネジメントの世界はそれは面白いものでした。

事業計画は内部統制を足がかりにトータルリスクマネジメントコンサルティングを作ろうという内容でサイボウズに戻るまで約1年間、初めてのパートナー営業と同じぐらい没頭して仕事をすることが出来た記憶があります。

もうそのまま転籍したいなーと思いはじめた頃、サイボウズに戻ることになります。出向の終盤に差し掛かり、いろんなことが耳に入ってくるようなりました。1年間誰よりも長い時間を過ごした直属の上司と信頼関係が出来て、出向の経緯や戻らなくてはいけなくなった経緯を知ることになります。私に対して誰がどのようなことを言っていたのか。真面目な人間であれば人間不信に陥るレベルです。

サイボウズに入社して自治体営業からスタートして、念願のパートナー営業までは順風でした。仕事は楽しいし、まわりから評価もしてもらえる。しかし大阪営業所長となり、出向となり、この時は営業としてはそれなりに出来ると自負しているにも関わらず他者評価が追いついてこない。自己評価と他者評価のズレの原因に気づくまでもう2年ほどを要することになります。

それはさておき、出向時の上司であった方からは多くのことを学びました。日系大手コンサルティング会社出身で、起業経験もある方でしたので昔話を聞いているだけでビジネス書を読んでいるレベルです。ブリングアップ社員はすでに東証一部上場企業であったサイボウズに入ってくる人と違った思考であることが多く、なるほどねと私の視野を広げてくれました。

詳しく書くことはしませんが、楽しく成果を出したと思っていた1年間も結局最後は追われるように出向解除なり、またサイボウズに戻ることになります。

次回はもう辞めようと思った時期のお話です。

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