vol.2 お酒の飲めない営業本部長によるキャリアの旅_転職してIT業界へ

入社当時から自治体営業までのこと

2003年8月3日月曜日、入社した日のことはよく覚えています。

水道橋と飯田橋の中間にある後楽森ビルがサイボウズのオフィスでした。当時のサイボウズは1月決算でしたので、上期が終わって下期がスタートする日。証券業界からIT業界へ。私服で首からぶら下げるネックストラップに胸を躍らせて初出社を迎えました。

しかし・・・その日は18階にあったオフィスが手狭になり、12階に引っ越し初日です。ダンボールが山積みされたオフィスでなんとか人事担当者を見つけてかんたんなレクチャーをうけたあと配属された企画営業部のスペースへ。部長に挨拶したところ、完全に目が??・・・。さらに営業島は全員スーツにネクタイ。うかれて私服出社の私は浮きまくりでした。

引っ越し作業かつ企画営業部は8月からスタートする新設部署であったため、そのことで頭が一杯の部長は私が来ることを完全に忘れていたのです。4人でスタートするその部署はターゲットとなるマーケットを探して、営業本体と別で独自に動く部署でした。

企画営業部の紹介の前に入社時の掘り下げをもう少し。IT業界に入りたくて入ってきたのですが、特にIT技術に詳しかったわけでもなく、パソコンでwordやexcelを初級レベルに使えるぐらいでした。まだ新卒定期採用が始まっておらず、中途採用も数ヶ月に1人ぐらいのペースでしたので、SE部長の札辻さん(現執行役員システムコンサルティング本部長)が1on1で時間を取って研修をしてくれました。

いやぁ…怖かった。。ネットワーク系の知識がほとんどない私は罵倒されくり。

だって普通に暮らしててOSI7階層と触れ合う機会ってありますか…、まずWebサーバやメールサーバという言葉が理解できない。サーバってあのでかい箱のことということから抜けきれない。筐体のことじゃなくて、ソフトのサーバと説明されても理解不能。悟った札辻さんはインターネットの歴史から教えてくれました。アメリカで軍事利用されていたARPANETから始まりwwwの概念やそれに派生してハイパーリンク、ハイパーテキスト。ようやくここでWebサーバとWebクライアント。続いてHTTPリクエストといった感じでめちゃ怖いんですけど、話している内容はすこぶる面白かったです。インターネットの世界でWebページやメールを給仕するからWebサーバやメールサーバと理解が進むわけです。

2003年当時、Webシステムは使われ始めてはいましたが主流ではなく、企業内で使われるシステムはクライアント・サーバ型(通称クラサバ)でありWebブラウザではなく、クライアント専用システムをパソコンにインストールして使うシステムが主流でした。クラサバとWebシステムそれぞれにメリット・デメリットありますが、我々はWebシステムのためこの違いをお客様に説明して、いかにWeb型がお手軽で優れているかということが営業トークの重要な要素でした。

出だしは重要ですね。インターネットの世界を非常に興味深いストーリーと共に教えていただいたおかげでその後の勉強ははかどりました。LinuxやSolarisのようなOS、そしてNASやSANといったストレージなどなど。ハードもハマりました。オンプレの仕組み上ディスクI/Oがボトルネックになりやすいこと、そして回転するものは壊れるものということでRAIDの組み方などなど。RAID5やRAID0+1。結果的に営業部内の中では技術に結構詳しくなったと思います。

その後デモ練習に移るわけですが、その時のことはまた機会があれば。この時教えていただいたことも学びとして非常に大きいものとなりました。

そしていよいよ営業現場です。企画営業部がターゲットに定めた市場は自治体。時はe-JapanⅡージャパンハイウェイ構想というお題目がありLG-WANの敷設と自治体からの接続が進みます。平成の大合併というタイミングで、期限内に合併するとLG-WAN接続のために使うお金を合併特例債という方法で資金調達手段があり、合併後のグループウェア統合もこの予算を使います。8市町村合併など当たり前で、そうするとどこかの町村でサイボウズ製品を使っていたりするわけです。その町村めがけてアポイントと取り、合併後のグループウェアとしてサイボウズGaroonという製品導入を狙う仕事です。

成果は上々で、企画営業部の成果として自治体Garoon案件が積み上がり、大
規模導入が進みました。成功体験が次に繋がるとよく言われますがまさしくサイボウズ入社後に大規模案件導入という成功体験を得ることが出来ました。自治体営業の仕事をこれ以上突っ込むとなかなか奥深い世界ですので、それは他の人に譲ります。

そんなこんなでひとつ案件作りを企画する仕事を挟んでいよいよ待望のパートナー営業部へ異動です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?