見出し画像

[ついに発売]久能山東照宮協力の元、徳川家康公の甲冑「金陀美具足」を鋳物で再現!

みなさんこんにちは!
しずおか鋳物の会社、「栗田産業(KURITA)」です。

先日予告した「金陀美具足(きんだみぐそく)」の再現。
ペーパーウェイトとして明日10月26日(木)、ついに発売となります!
ということで今回は、製作ストーリーの後半をお届け。

鋳物で「金陀美具足(きんだみぐそく)」を再現するまで

●徳川家康公にまつわる鋳物プロダクトをつくりたい
静岡の鋳物の歴史は徳川家康公と縁が深く、「重太郎(JUTARO)」立ち上げ時から、いつかそれにちなんだ取り組みや商品をつくりたいという想いがありました。また、久能山東照宮には江戸時代、駿府の鋳物師によってつくられた鋳物製の防火用水槽「天水桶」が現存。これらのことから、この「天水鉢」を再現できないかと、久能山東照宮へ相談に伺いました。

鋳物製の防火用水槽「天水桶」


●想いを久能山東照宮へ相談
「天水桶」を例に、徳川家康公ゆかりの品を鋳物で再現したいと、久能山東照宮の宮司・姫岡さんにご相談。具体的なお話が進むなかで、今回の「金陀美具足(きんだみぐそく)」を再現させてもらえることとなりました。
また、お話のなかで、国宝の社殿はもとより、この「金陀美具足(きんだみぐそく)」や徳川歴代将軍の甲冑や刀剣など、久能山東照宮が所蔵する文化財の管理・維持には、莫大な労力や費用がかかるという事実を知ることに。家康公ゆかりの地の鋳物屋として、今回の再現を通じ、大切な日本の文化財の伝承に少しでも貢献できたら、という気持ちが強くなりました。

●本物をとことん観察
久能山東照宮博物館に赴き、本物の「金陀美具足(きんだみぐそく)」を何度も観察しました。一番印象に残っているのは、その"佇まい"です。なんともいえない、その引き込まれるような美しい存在感を、どのように再現するか。それが今回の商品開発で最も重要な部分であると考えました。
また、修理されているとはいえ、400年の歳月を経ている貴重な宝物。胴部分などには、糸のほつれといったダメージがあり、今回はそのような細部も含め、現存の状態をそのまま再現することを目指しました。
そしてせっかくなら、置物として愛でるだけではなく、実用性も持たせたい。そんな想いから、今回は鋳物の重量を活かしたペーパーウェイトとして機能させることに決めました。

「金陀美具足」(久能山東照宮博物館 蔵)


●原型づくり
原型師の手によって「原型」を作製。それを久能山東照宮さんに持っていき、久能山東照宮博物館の学芸員の方にチェック・助言をいただきました。本物の美しい佇まいを再現するべく、兜(かぶと)や胴はもちろん、具足を収める櫃「具足櫃(ぐそくびつ)」まで、各パーツのバランスを細かく調整しています。

●鋳造
本体は純度100%の錫(すず)を使用。鋳物職人により、一つひとつ手作業で鋳造しました。細部を再現するため、その原型はかなり複雑な型構造に。美しく転写させるため、錫の注ぎ込みの温度を幾度となく調整。試行錯誤のうえ、ようやく完成しました。

金泥と透き漆による金溜塗が施された「金陀美具足(きんだみぐそく)」。この最大の特徴ともいえる金色を再現すべく、今回は、伝統的な縁付金箔を採用した金箔押しと金メッキの2種類を用意しました。
 *縁付金箔とは
400年以上前から行われている金箔の製造技術のひとつ。その技術のすばらしさから、世界文化遺産に登録されています。久能山東照宮の補修にも使われている金箔というご縁もあり、今回金沢の金箔職人のみなさま「株式会社ゴールデンバロール」に依頼しました。


●パッケージづくり
収納箱においても、「金陀美具足(きんだみぐそく)」のきらびやかな姿をより引き立てるべく、こだわりました。パッケージの内側には下記の云われから、「厭離穢土欣求浄土(おんりえどごんぐじょうど)」の文字を記載。文字は大樹寺本堂に書かれた文字をそのまま使用させていただきました。    
 *厭離穢土欣求浄土とは
「苦悩の多い穢れたこの世を厭(いと)い離れたいと願う心から欣(よろこ)んで平和な極楽浄土を冀(こいねが)う」こと。愛知県岡崎市にある徳川家・松平家菩提寺である大樹寺の住職13世登誉上人は、桶狭間の戦いで敗れ、窮地に立った徳川家康公に「厭離穢土欣求浄土」の教えを諭しました。家康公は以後戦国の世を穢土とし、平和な世を浄土として「厭離穢土欣求浄土」を旗印としています。 ※大樹寺ホームページより引用・抜粋・加筆
また、同封の商品説明書には、「厭離穢土欣求浄土」が実際に旗印として使われている様子が描かれた「姉川合戦図屏風」(福井県立歴史博物館蔵)を使用させていただきました。平和な世を目指し戦う、徳川軍の姿をご覧いただくことができます。

商品セット内容(写真は金メッキ仕上げ)

久能山東照宮宮司 姫岡さんよりメッセージ

「この度は当宮の金陀美具足をモデルにペーパーウェイトを製作され、誠におめでとうございます。駿府の町に鋳物町があったことは有名で、古くから鋳物を扱う人々が居住していました。江戸時代には灯籠や天水桶など、東照宮にも多くの鋳物が奉納されており、現在の東照宮景観を形成するひとつとなっております。家康公が築いた天下泰平の世は、さまざまな産業や文化を発展させており、鋳物もそのひとつであります。地元に根付いた産業文化がこのようなかたちで結びつき、多くの方に家康公と鋳物文化のことを知ってもらえることを願っております。」
久能山東照宮 第13代宮司 姫岡恭彦

久能山東照宮 第13代宮司 姫岡恭彦さん


今回の「金陀美具足(きんだみぐそく)」のペーパーウェイトは、わたしたち「重太郎(JUTARO)」だけではなく、久能山東照宮、大樹寺、福井県立歴史博物館、金沢の金箔職人など、多くの関係者みなさんの想いや歴史をのせた合作。
機械製造とはまったく異なる、受け継がれてきた手仕事の風合いをぜひ感じてください。

(写真左)縁付金箔仕上げ (写真右)金メッキ仕上げ


商品詳細

製品名:「金陀美具足」ペーパーウェイト
発売日:2023年10月26日(木)
価格:
<初回生産15体>縁付金箔仕上げ 57,200円(税込)
<初回生産50体>金メッキ仕上げ 42,900円(税込)
材質:錫
重さ:約500g
その他:
売上金額の3割を「久能山東照宮」へと寄付。文化財保護へ役立てていただきます。
また、初回生産限定オリジナルステッカーを同封。
(ランダム封入につき、種類は選べません)


購入方法:下記「STORES」またはショールームにて販売


しずおか鋳物 重太郎 本店(ショールーム)

【TEL】054-282-0644
【営業時間】月~金11:00〜17:00 ※土日祝は不定期営業
【場所】静岡市駿河区豊原町3-6(静岡鉄道「春日町」駅より徒歩約6分)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?