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伝統的な作法という話

昔テレビでこんなシーンを目にしたことがある。

兄貴分がタバコを咥えたらすかさず火をつけるシーンだ。

一見簡単に見えるこの行為、私は伝統的な作法の一つだと思っている。

何故ならこの行為には火をつける側と火をつけさせる側の阿吽の呼吸が必要だからだ。

例えば火をつける側がどんくさければ兄貴分がタバコを咥えているのにいつまでたっても火はつかない。

これはカッコ悪い。

逆に火をつけさせる側が空気読めない奴ならせっかく火をつけて待っているのに、タバコを咥えながら誰かと喋ったりして変な待ち時間が出来る。

これもカッコ悪い。

火をつける側もつけられる側もお互いに気をつかい初めてあの行為は様になる。

つまり立派な作法なのだ。

昨今はマナー講師だのなんだのがマナーを教えるし、重んじてるみたいだけど、結局形だけ覚えても何故この行為する必要があるのかを教えなきゃと思う。

気遣いの精神がなきゃ、美しい作法も途端にただの作業になるってしまうんだから。


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