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漫画「異国日記」を読む

どうやら完結したらしい

 という話を聞いて、一気に最後まで読了した。何かの折に3話目まで読んだあたりから、「ああ、これはみんなでハッピー幸せ完了スッキリ」という内容ではないなぁと思ってから、ずっと”いつか読んでみたい”と頭の片隅に残っており、ついに一気に読むという行為に走ったのだ。

 あらすじとしてAmazonから引用すると以下。

35歳、少女小説家。(亡き母の妹) 15歳、女子中学生。(姉の遺児) 女王と子犬は2人暮らし。
少女小説家の高代槙生(こうだいまきお)(35)は姉夫婦の葬式で遺児の・朝(あさ)(15)が親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、勢いで引き取ることにした。しかし姪を連れ帰ったものの、翌日には我に返り、持ち前の人見知りが発動。槙生は、誰かと暮らすのには不向きな自分の性格を忘れていた……

Amazon

 言葉はまっすぐだったり曲がったり、本音を隠したり嘘をついたり、さまざまな伝え方があるけれど、「人に何かを伝えたい」ということは一貫してあると思っている。そういう”言葉”たちが飛び交い、主人公の一人である女の子(朝ちゃん)が親の死ということを理解して成長していく過程が見れて、胸に詰まる思いだった。最後マキオさんの詩を読んでいる時、今までの主人公たちが過ごした日々がブワッと頭の中に嵐のように流れてきて、不覚にもおんおんと泣いてしまった。ああ、このタイトルはそういう意味なのだ。と思いながら。

 私は親の立場で読んでいたので、「私も突然この世からいなくなってしまったら、息子はどうなるんだろうか」と考えた。そう、この話はいろんな立場の人がいて、それぞれ主人公たちを取り巻いていて構成されている。私の立場の人も、この物語にはいる。

 私は彼に何かを残してあげられるだろうか、ちゃんと「愛していた」ということを伝えられているだろうか。そんなことを思いながら本当に一気に、でも読み飛ばさず最後まで言葉の端々を理解しながら(きっと本当の意味での理解というのは、人それぞれなのでわからないけれども)読んだのだった。

 夏休み一気読みをしたい方にはぜひ。


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