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4枚目の曲調 ~【櫻坂46】世の中が何かと騒がしいからこその・・・~

全国を巻き込んで行われる選挙も無事に終わり、一週間の楽しみがもうすぐやってくる。
新型コロナの感染拡大から、なにか鬱屈した時代に入っていた。
全国的に感染者数が減ってきた頃に飛び込んできたのが、隣の国の侵攻騒ぎである。
抑圧された生活が続いているためか、世界的にもフラストレーションがたまっているのかもしれない。

そんなタイミングで発表されたのが、4枚目シングル『五月雨よ』である。
グループとしても、2年目の大切な時にリリースされる楽曲であるため、どのようなものが出されるのか、ファンの間でも様々な憶測が飛び交っていたが、そろそろ「二人セゾン」系の曲も欲しいと言う声を知ってか知らずか、歌中心のミドルテンポの楽曲となった。
前作の『流れ弾』がかなり激しいものだったので、その流れを踏襲し、かっこいい系がまた来ることも予想されていた中、「五月雨よ」は結構すんなりと受け入れられた印象がある。
センターを務めている山﨑さんの圧倒的な透明感と爽やかな歌声が、今の少し暗い雰囲気を一掃してくれるかのように、まばゆい光を放っているようにも感じられる。
雨がモチーフとなっているため、解禁されたばかりの頃は、MVに少し違和感があるように思う時も正直あったが、かえって、暗く重苦しい空気が流れている今となっては、救いの光明のように思えるから不思議である。
メンバーや制作陣も、そこまで意図してMVを作っているわけではなさそうだが、時代が移ろうことで、打ち出していった世界観が歓迎されるものとなっていくことは、素直に喜ぶべきことだろう。

土生さんのSHOWROOMでは、翌日に公開予定であった「摩擦係数」のMVについて少し触れていたが、そこで「かっこいい系」であることが明かされた。
プレミア公開のサムネでは、腕時計をしている女性の姿があったので、社会に出て行くためにスタートラインに立っている主人公が出てくることも予想されるところである。
初めてのことに挑もうとする時、心身共にかなりのストレスを感じることは誰しも経験することだろう。
「新しい一歩を踏み出す」時の〝摩擦係数〟を表現しているのであれば、未来を感じさせる明るいアップテンポな楽曲となりそうだ。

グループの状況を考えても、今は、そのような曲の方がしっくり来る。
「摩擦」という単語から感じられる、「人との摩擦」や「社会との摩擦」をテーマにした少しネガティブなものは、今の櫻坂46には似合わなくなっているようにも思える。
坂道シリーズの欅坂46が、独特な世界観で一時代を築いてからは、SNS発祥の楽曲として、難解かつ刺激的な単語を歌の中で連発する曲が普通に出てくるようになった。
Z世代と呼ばれる若者たちを代弁する形で、鬱積した気分を吐き出すかのような曲が、ネットを通じて次々と現れ、それが歓迎されているためか、櫻坂46がそのような「時代」を代表する必要性が薄くなっていることは確かである。
そうなってくると、どこに軸足を置くことが正解となるのか、再びスタイルを模索する段階になっていることが想像される。
そのような中でリリースされるアルバムが、「どのようなものとなるか」ますます注目を集めることになるだろう。
気がつけば、KEYAKIフェスまで、2週間もない。
ライブにしろ、アルバムにしろ、確実にファンを満足させてくれるものを披露してくれることは間違いない。
それまでは、しっかりと体調管理をしながら、当日の天候が良くなることを祈りつつ、おとなしく待っていることにする。



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