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南阿蘇鉄道 熊本復興プロジェクト
南阿蘇鉄道線はJR豊肥本線の立野駅から分岐し、名前の通り熊本県の阿蘇の南側、南阿蘇村を通り、高森町の高森駅までを結ぶ17.7kmの路線。この路線も例にもれず国鉄の赤字路線の高森線を引き継ぎ、沿線自治体の出資する第三セクター会社の南阿蘇鉄道株式会社によって運営され今に至っている。
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立野駅付近は阿蘇外輪山の切れ目にあたる白川が形成した渓谷で、深い渓谷を見下ろしながら進む。阿蘇カルデラに入ると阿蘇外輪山と阿蘇五岳を両側に望む阿蘇カルデラの底の部分を走ることになり、熊本市内まで流れる白川と、火山性地質によって湧き出す豊富な水源が広がる農村地帯を行く。
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JR豊肥本線の前身となる宮地線が熊本と宮地(阿蘇カルデラの北側)まで開業したのが1918年で、1928年に立野駅から高森駅までが支線として開業。その後、宮地駅が大分方面とつながり豊肥本線となり、支線だった部分が今の南阿蘇鉄道となる国鉄高森線となった。高森線も宮崎県側の高千穂方面へ延伸し、高千穂線と接続する計画もあったものの、難工事で凍結しされたまま、国鉄高千穂線も第三セクター化、さらに2005年の台風で不通となり復旧することなく2008年に廃線となってしまった。
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南阿蘇鉄道も道は険しく、記憶に新しい2016年の熊本地震で立野駅付近で甚大な被害を受け不通となってしまい、途中の中松駅と高森駅の区間だけの運行が続けられていた。地震による土砂崩れは凄惨なもので、地震前に熊本に住んでいたことがあり縁を感じている私もニュース映像で知っている景色が変わっていることに衝撃を受けたことを覚えている。
赤字路線ながら熊本県と国の支援のもと、立野駅付近で被害を受けたトンネルと橋梁を付け替える工事を実施し、2023年7月に全線復旧を果たせた。復旧に際して、線路は熊本県と国が支援する機構が保有・維持し、南阿蘇鉄道に無償で貸与して南阿蘇鉄道は列車の運行のみに従事するというスキームがとられている。
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今回乗車したのは復興プロジェクトの一環として企画されているサニー号トレインでした。これは熊本出身のONE PIECEの作者 尾田栄一郎が熊本地震の復興のため多額の寄付を行ったことをきっかけに、熊本県が企画を推進しているもの。目玉としてはONE PIECEのキャラクターの銅像を各地に設置しして観光周遊を促進するなど、今回のサニー号トレインもルフィが乗る海賊船をモチーフに、南阿蘇鉄道の復旧から1年間の運行が計画されているよう。週末祝日の昼間を中心に運行されていて、これを狙ったわけではないのだけど、たまたま立野駅に行ったらこいつが居た。正直私もONE PIECEは別に好きなわけではないけども、オタク向け作品ではないので万人が知ってるし、外国人にも知られているし、家族連れも沢山集まっていたので成功だと思う。この日は韓国人ツアー客が利用していて、駅員が韓国語の放送までしていてすごい力の入れようだなと。あと県と集英社が全面バックアップなので、そこいらのラッピング車両とは別次元のクオリティです。元になったMT-3010系は1990年代製造の新潟鐵工所(現新潟トランシス)の気動車で、短距離向け1両編成対応のレトロな外観、今回のラッピングにも最適だったのかと。
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