(note)配合パズル工房

血統の考察記事を投稿しています(文:くりがしら/絵:佐藤かずあき)

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『配合パズルでアタリはわかる かもしれない… サートゥルナーリア編』発売

血統書籍の新シリーズ「配合パズルでアタリはわかる かもしれない… サートゥルナーリア編」を発売します。   本書はサートゥルナーリアの配合について考察した血統本です。 種牡馬としての傾向や、特定の血との組み合わせがもたらす効果など、さまざまな可能性を血統面から推理しました。 サートゥルナーリアは産駒をデビューさせたばかりの新種牡馬。 まだわからないことだらけです。 自信がないので『かもしれない…』と名付けました(笑) もし当たったら褒めてください。 外れたら・・・ 来年

    • 重賞勝ち馬考察:レーベンスティール(オールカマー)

      父:リアルスティール 母:トウカイライフ 母父:トウカイテイオー  リアルスティール産駒は前脚のさばき方に独特の硬さがあります。脚というより肩で走っているイメージでしょうか。その特徴が濃すぎると、スピードに乗りきれないタイプになってしまいます。  本馬は前脚が綺麗に伸びるため、フットワークにぎこちなさがありません。走りをみると、父よりも母の父・トウカイテイオーの影響が強いように感じます。テイオーのしなやかな体質が表面化したことで、リアルスティールの欠点を解消したのではない

      • 神戸新聞杯:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

        ジューンテイク 重厚な持続力で走るタイプ。リファールのクロスの影響もあり、長く良い脚を使える。早めスパートで粘り込みを図りたい。 バッデレイト 素軽い脚さばきと強靭な掻き込みを兼備。機動力寄りだが持続力もそこそこある。サトノダイヤモンド産駒らしいタイプ。 ゴージョニーゴー 大型馬だがムダ肉を削ぎ落とした跳躍選手のような体型。持久力勝負に向いている。距離は長いほど良さそう。 オールセインツ チークピーシーズを着用して集中力が上がった。フットワークが荒削りで、加速に

        • オールカマー:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          サリエラ 体質や加速性能がステイヤー然としている。素軽い走りで、綺麗な馬場向きのタイプ。 ラーグルフ 柔軟性とパワーを兼備した外差し型。近走は精彩を欠くレースがつづいている。渋った馬場の影響? アウスヴァール 逃げないと脆い。ただ逃げたとしても、苦しい場面で踏ん張れるほどの耐久力はない。スローの楽逃げなら。 レーベンスティール トウカイテイオー譲りの滑らかな脚さばきが目を引く。体調のバロメーターとして、前脚の硬さには注視しておきたい。 ステラヴェローチェ 重

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          重賞勝ち馬考察:アーバンシック(セントライト記念)

          父:スワーヴリチャード 母:エッジースタイル 母父:ハービンジャー  スワーヴリチャード×母の父ハービンジャー、そして祖母がランズエッジという配合。前日のローズSに出走したレガレイラとは、血統構成がまったく一緒のイトコ同士です。  母の父・ハービンジャー、2代母の父・ダンスインザダークがともにスタミナ寄り。全体的に重厚な血統です。レガレイラは牝馬のぶん、先天的な素軽さによってバランスが取れていました。一方の本馬は男の子。筋肉質でもっさりとしており、やや偏った印象をうけます

          重賞勝ち馬考察:アーバンシック(セントライト記念)

          重賞勝ち馬考察:クイーンズウォーク(ローズS)

          父:キズナ 母:ウェイヴェルアベニュー 母父:Harlington  キズナは『インリアリティ』の血と好相性。種牡馬としてデビューした初年度から多くの活躍馬をだしています。ただし近年はそれほど大きな実績を残していませんでした。中央重賞の勝利でいうと、21年のマーメイドSをシャムロックヒルが勝った以降、しばらく沈黙がつづいていました。しかし今年は本馬(クイーンC、ローズS)、シックスペンス(スプリングS)、アリスヴェリテ(マーメイドS)が重賞勝ち。急に勢いが復活していますね。

          重賞勝ち馬考察:クイーンズウォーク(ローズS)

          セントライト記念:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          アーバンシック 能力は高いが、器用さに欠け、操縦性が悪く、スタートも遅い。とにかく荒削りな馬。少しタフなくらいの馬場が理想。 タガノデュード 父方のパワーをいかした掻き込み走法。ただしハーツクライの緩さが邪魔をして、推進力に昇華できていない。本質的な強みがどこにあるのか見えていない状態。 エコロレイズ 父方のパワーをいかした機動力型。ただし母方のディープ+サーアイヴァーのしなやかさが噛み合っておらず、どっちつかずの状態になっている。現状は小回り平坦コースが合いそう。

          セントライト記念:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          ローズS:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          カニキュル 小脚が使える機動力型。前向きさが強いので、折り合いが重要になる。 クイーンズウォーク ラーイの特徴がでた馬。ワンペースのスピード型。好位置につけて競馬センスをいかす競馬をしたい。 オーロラエックス フットワークが大きく、重厚さを纏ったタイプ。出足が鈍く、スタートで後手に回りやすいのが課題。 チェレスタ ルーラーシップの特徴がでたタイプ。底力に富み、脆さがない。フットワークがオーバーアクションなので、窮屈な競馬は苦手。エンジンのかかりが遅いため、極端な

          ローズS:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          重賞勝ち馬考察:アスコリピチェーノ(京成杯AH)

          父:ダイワメジャー 母:アスコルティ 母父:Danehill Dancer  父のダイワメジャーはノーザンテーストの影響を受けた種牡馬。サンデー系のなかでもパワーに優れたマイラー型です。一方、母の父のデインヒルダンサーは現役時代に6~7FのGⅠを勝ったスプリンター。パワーで突進力を生み出すことで、スピードに昇華させる血統です。父のパワーを母の父のパワーによって後押しした、タフな配合といえます。  またダイワメジャーらしいタフな競馬をするうえで、底力のサポートは欠かせません

          重賞勝ち馬考察:アスコリピチェーノ(京成杯AH)

          重賞勝ち馬考察:トウシンマカオ(セントウルS)

          父:ビッグアーサー 母:ユキノマーメイド 母父:スペシャルウィーク  父のビッグアーサーは、血統内にノーザンテースト、キングマンボ、サドラーズウェルズなど、屈強なパワー血統を豊富に含んだ種牡馬。重厚な突進力が武器です。ただし本馬はその雰囲気をあまり感じません。父ではなく母方の特徴を濃く受け継いだタイプなのでしょう。  母の父・スペシャルウィークの影響で、フットワークが緩やか。また母がニジンスキー4×3をもつ効果もありそうです。詳細は以下の記事をお読みください。    4

          重賞勝ち馬考察:トウシンマカオ(セントウルS)

          重賞勝ち馬考察:クリスマスパレード(紫苑S)

          父:キタサンブラック 母:ミスエリカ 母父:Blame  残り1000mから11秒台に入るロングスパート勝負。普通ならタフな消耗戦になりそうな流れです。しかし実際のレースラップをみると、後半5ハロンが11.9-11.9-11.6-11.4-11.0。なんと加速ラップになっています。それだけ馬場が速かったということでしょう。  血統的には母方にクリスエス、シーキングザゴールド、フォーティナイナー、ダマスカスなどを内包。馬力を伝える血を豊富に含んでいます。そのわりに実馬は線が

          重賞勝ち馬考察:クリスマスパレード(紫苑S)

          京成杯AH:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          カテドラル 機動力があり、小回りに対応できるタイプ。ただしさすがに衰えた感はある。 ディスペランツァ ストライドの大きい走法。仕掛けたときの脚の回転が早く、一気にトップスピードにもっていける。瞬発力勝負に強い。 キャットファイト 緩いペースを我慢させることが苦手。将来的には距離短縮してもいいかもしれない。 ディオ ストームキャット的。追走能力が高く、速い流れに乗っていける。スローペースだと良さがだしづらい。 ショウナンマグマ スタミナと持久力に優れたタイプ。

          京成杯AH:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          セントウルS:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          モズメイメイ エンパイアメーカーもちらしい脆さが薄れた。精神的に強くなり、差す競馬ができるようになった。 アネゴハダ 引き締まった肉体をもつ突進型。スピードの持続力には乏しく、長く脚を使うかたちは不向き。 グレイトゲイナー 森厩舎らしい前掛かりのスピード馬に完成してきた。逃げがベストだが、二の脚は速いほうではない。 ストーンリッジ 血統的には中距離だが、気性の前向きさで短距離を走っている。筋肉量は豊富。タフな条件のほうが合いそう。 サウザンサニー 重厚なパワ

          セントウルS:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          紫苑S:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          ミアネーロ ボールドルーラーの影響が強いワンペース型。追走スピードの対応範囲は狭いほう。遅くもなく速くもなくがベスト。 バランスダンサー パワースピード寄りの配合ではあるが、まだ体がしっかりとせずバランスは悪い。ハナを取ったらできるだけスローに落としたい。 テリオスサラ 競馬センスで勝負するタイプ。立ち回りで優位性を築きたい。タフな馬場は得意だと思う。 イゾラフェリーチェ 瞬発力はないが、長く良い脚を使うタイプ。馬込みを避けて、リラックスさせながら走らせたい。

          紫苑S:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          重賞勝ち馬考察:エイシンワンド(小倉2歳S)

          父:ディスクリートキャット 母:エイシンフェアリー 母父:タイキシャトル  ディスクリートキャットにタイキシャトルを組み合わせた、スピード型の配合。このパターンは「ストームキャット≒カーリアン」になるため、柔軟性を引き出します。その効果が本馬にも表れており、柔らかみのあるフットワークで走るタイプです。長い直線でゆったりと脚を伸ばすことができるため、中京の長い直線も問題ありません。むしろ従来の小倉開催より走りやすかったかもしれませんね。この感じだと、もう少し距離を伸ばしても対

          重賞勝ち馬考察:エイシンワンド(小倉2歳S)

          重賞勝ち馬考察:シンリョクカ(新潟記念)

          父:サトノダイヤモンド 母:カーラパワー 母父:キングカメハメハ  母の父キングカメハメハ、2代母の父カーリアン、3代母の父シャーリーハイツは、いずれも柔軟性を伝える血。母方の血統構成は色合いが統一されています。なかでも注目すべきは『カーリアン』。24年9月現在、この血をもつサトノダイヤモンド産駒の勝ち馬は、13頭中8頭が勝ち馬(61.5%)。収得賞金トップ3(サトノグランツ、本馬、スズハローム)もみな該当しています。本馬の配合において核となる部分はここでしょう。  サト

          重賞勝ち馬考察:シンリョクカ(新潟記念)