(note)配合パズル工房

血統の考察記事を投稿しています(文:くりがしら/絵:佐藤かずあき)

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『配合パズルでアタリはわかる かもしれない… サートゥルナーリア編』発売

血統書籍の新シリーズ「配合パズルでアタリはわかる かもしれない… サートゥルナーリア編」を発売します。   本書はサートゥルナーリアの配合について考察した血統本です。 種牡馬としての傾向や、特定の血との組み合わせがもたらす効果など、さまざまな可能性を血統面から推理しました。 サートゥルナーリアは産駒をデビューさせたばかりの新種牡馬。 まだわからないことだらけです。 自信がないので『かもしれない…』と名付けました(笑) もし当たったら褒めてください。 外れたら・・・ 来年

    • 重賞勝ち馬考察:アーバンシック(セントライト記念)

      父:スワーヴリチャード 母:エッジースタイル 母父:ハービンジャー  スワーヴリチャード×母の父ハービンジャー、そして祖母がランズエッジという配合。前日のローズSに出走したレガレイラとは、血統構成がまったく一緒のイトコ同士です。  母の父・ハービンジャー、2代母の父・ダンスインザダークがともにスタミナ寄り。全体的に重厚な血統です。レガレイラは牝馬のぶん、先天的な素軽さによってバランスが取れていました。一方の本馬は男の子。筋肉質でもっさりとしており、やや偏った印象をうけます

      • 重賞勝ち馬考察:クイーンズウォーク(ローズS)

        父:キズナ 母:ウェイヴェルアベニュー 母父:Harlington  キズナは『インリアリティ』の血と好相性。種牡馬としてデビューした初年度から多くの活躍馬をだしています。ただし近年はそれほど大きな実績を残していませんでした。中央重賞の勝利でいうと、21年のマーメイドSをシャムロックヒルが勝った以降、しばらく沈黙がつづいていました。しかし今年は本馬(クイーンC、ローズS)、シックスペンス(スプリングS)、アリスヴェリテ(マーメイドS)が重賞勝ち。急に勢いが復活していますね。

        • セントライト記念:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          アーバンシック 能力は高いが、器用さに欠け、操縦性が悪く、スタートも遅い。とにかく荒削りな馬。少しタフなくらいの馬場が理想。 タガノデュード 父方のパワーをいかした掻き込み走法。ただしハーツクライの緩さが邪魔をして、推進力に昇華できていない。本質的な強みがどこにあるのか見えていない状態。 エコロレイズ 父方のパワーをいかした機動力型。ただし母方のディープ+サーアイヴァーのしなやかさが噛み合っておらず、どっちつかずの状態になっている。現状は小回り平坦コースが合いそう。

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          ローズS:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          カニキュル 小脚が使える機動力型。前向きさが強いので、折り合いが重要になる。 クイーンズウォーク ラーイの特徴がでた馬。ワンペースのスピード型。好位置につけて競馬センスをいかす競馬をしたい。 オーロラエックス フットワークが大きく、重厚さを纏ったタイプ。出足が鈍く、スタートで後手に回りやすいのが課題。 チェレスタ ルーラーシップの特徴がでたタイプ。底力に富み、脆さがない。フットワークがオーバーアクションなので、窮屈な競馬は苦手。エンジンのかかりが遅いため、極端な

          ローズS:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          重賞勝ち馬考察:アスコリピチェーノ(京成杯AH)

          父:ダイワメジャー 母:アスコルティ 母父:Danehill Dancer  父のダイワメジャーはノーザンテーストの影響を受けた種牡馬。サンデー系のなかでもパワーに優れたマイラー型です。一方、母の父のデインヒルダンサーは現役時代に6~7FのGⅠを勝ったスプリンター。パワーで突進力を生み出すことで、スピードに昇華させる血統です。父のパワーを母の父のパワーによって後押しした、タフな配合といえます。  またダイワメジャーらしいタフな競馬をするうえで、底力のサポートは欠かせません

          重賞勝ち馬考察:アスコリピチェーノ(京成杯AH)

          重賞勝ち馬考察:トウシンマカオ(セントウルS)

          父:ビッグアーサー 母:ユキノマーメイド 母父:スペシャルウィーク  父のビッグアーサーは、血統内にノーザンテースト、キングマンボ、サドラーズウェルズなど、屈強なパワー血統を豊富に含んだ種牡馬。重厚な突進力が武器です。ただし本馬はその雰囲気をあまり感じません。父ではなく母方の特徴を濃く受け継いだタイプなのでしょう。  母の父・スペシャルウィークの影響で、フットワークが緩やか。また母がニジンスキー4×3をもつ効果もありそうです。詳細は以下の記事をお読みください。    4

          重賞勝ち馬考察:トウシンマカオ(セントウルS)

          重賞勝ち馬考察:クリスマスパレード(紫苑S)

          父:キタサンブラック 母:ミスエリカ 母父:Blame  残り1000mから11秒台に入るロングスパート勝負。普通ならタフな消耗戦になりそうな流れです。しかし実際のレースラップをみると、後半5ハロンが11.9-11.9-11.6-11.4-11.0。なんと加速ラップになっています。それだけ馬場が速かったということでしょう。  血統的には母方にクリスエス、シーキングザゴールド、フォーティナイナー、ダマスカスなどを内包。馬力を伝える血を豊富に含んでいます。そのわりに実馬は線が

          重賞勝ち馬考察:クリスマスパレード(紫苑S)

          京成杯AH:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          カテドラル 機動力があり、小回りに対応できるタイプ。ただしさすがに衰えた感はある。 ディスペランツァ ストライドの大きい走法。仕掛けたときの脚の回転が早く、一気にトップスピードにもっていける。瞬発力勝負に強い。 キャットファイト 緩いペースを我慢させることが苦手。将来的には距離短縮してもいいかもしれない。 ディオ ストームキャット的。追走能力が高く、速い流れに乗っていける。スローペースだと良さがだしづらい。 ショウナンマグマ スタミナと持久力に優れたタイプ。

          京成杯AH:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          セントウルS:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          モズメイメイ エンパイアメーカーもちらしい脆さが薄れた。精神的に強くなり、差す競馬ができるようになった。 アネゴハダ 引き締まった肉体をもつ突進型。スピードの持続力には乏しく、長く脚を使うかたちは不向き。 グレイトゲイナー 森厩舎らしい前掛かりのスピード馬に完成してきた。逃げがベストだが、二の脚は速いほうではない。 ストーンリッジ 血統的には中距離だが、気性の前向きさで短距離を走っている。筋肉量は豊富。タフな条件のほうが合いそう。 サウザンサニー 重厚なパワ

          セントウルS:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          紫苑S:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          ミアネーロ ボールドルーラーの影響が強いワンペース型。追走スピードの対応範囲は狭いほう。遅くもなく速くもなくがベスト。 バランスダンサー パワースピード寄りの配合ではあるが、まだ体がしっかりとせずバランスは悪い。ハナを取ったらできるだけスローに落としたい。 テリオスサラ 競馬センスで勝負するタイプ。立ち回りで優位性を築きたい。タフな馬場は得意だと思う。 イゾラフェリーチェ 瞬発力はないが、長く良い脚を使うタイプ。馬込みを避けて、リラックスさせながら走らせたい。

          紫苑S:全馬プチ雑感&ポンコツ予想

          重賞勝ち馬考察:エイシンワンド(小倉2歳S)

          父:ディスクリートキャット 母:エイシンフェアリー 母父:タイキシャトル  ディスクリートキャットにタイキシャトルを組み合わせた、スピード型の配合。このパターンは「ストームキャット≒カーリアン」になるため、柔軟性を引き出します。その効果が本馬にも表れており、柔らかみのあるフットワークで走るタイプです。長い直線でゆったりと脚を伸ばすことができるため、中京の長い直線も問題ありません。むしろ従来の小倉開催より走りやすかったかもしれませんね。この感じだと、もう少し距離を伸ばしても対

          重賞勝ち馬考察:エイシンワンド(小倉2歳S)

          重賞勝ち馬考察:シンリョクカ(新潟記念)

          父:サトノダイヤモンド 母:カーラパワー 母父:キングカメハメハ  母の父キングカメハメハ、2代母の父カーリアン、3代母の父シャーリーハイツは、いずれも柔軟性を伝える血。母方の血統構成は色合いが統一されています。なかでも注目すべきは『カーリアン』。24年9月現在、この血をもつサトノダイヤモンド産駒の勝ち馬は、13頭中8頭が勝ち馬(61.5%)。収得賞金トップ3(サトノグランツ、本馬、スズハローム)もみな該当しています。本馬の配合において核となる部分はここでしょう。  サト

          重賞勝ち馬考察:シンリョクカ(新潟記念)

          重賞勝ち馬考察:マジックサンズ(札幌2歳S)

          父:キズナ 母:コナブリュワーズ 母父:キングカメハメハ  キズナ×母の父キングカメハメハはニックスとなるパターン(※牡駒限定)。柔軟性やパワーを身につけた万能型の配合です。詳細は以下の記事をお読みください。    本馬の場合は2代母の父にフレンチデピュティを据えて、「ストームキャット≒フレンチデピュティ」3×3のニアリークロスを作っています。キンカメの万能性に加えて、アメリカのスピードも兼備。より隙のない構成となっています。  キズナ×母父キンカメは重厚さが濃くでやす

          重賞勝ち馬考察:マジックサンズ(札幌2歳S)

          ニックス考察:キズナ×母の父キングカメハメハ(牡駒限定)

           このパターンは(キズナの父)ディープインパクトとキングカメハメハのニックスを応用したかたちです。ということで、まずはディープ×キンカメから紐解いていくことにします。  長いあいだ種牡馬リーディングのワンツーを独占していたディープインパクトとキングカメハメハ。ライバル関係にあった両者ですが、実は相性バツグンの仲良し関係でもあります。  ディープインパクト×母の父キングカメハメハからは、ワグネリアン(日本ダービー)やデニムアンドルビー(ジャパンC2着)、アカイトリノムスメ(

          ニックス考察:キズナ×母の父キングカメハメハ(牡駒限定)

          重賞勝ち馬考察:トータルクラリティ(新潟2歳S)

          父:バゴ 母:ビットレート 母父:スペシャルウィーク  父のバゴは重厚なヨーロッパ血統が主体。一方、祖母の部分はフレンチデピュティ、シアトルスルー、ミスタープロスペクターというアメリカのA級血統が豊富。欧・米の血をうまく組み合わせた構成になっています。また母の父に据えたスペシャルウィークが、ブルードメアサイアーとして優れた資質を伝える名血であることも好印象です。  ニックスとなる血の組み合わせや、特筆すべきクロスなどはありません。目立った大技こそないものの、全体的に隙もキ

          重賞勝ち馬考察:トータルクラリティ(新潟2歳S)