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オトナの肩が抜ける瞬間。子どもがルールを変えていく瞬間。

どうも、くりちゃん(@8989manpuku)です!子ども中心の活動や親子の活動にフラフラ参加してます。

3月23日(金)に千葉県佐倉市で15年以上続く「ミニさくら」に大人スタッフとして参加してきました。ミニさくらはドイツで行われている、こどもがつくるまち「ミニ・ミュンヘン」を日本で初めて導入したイベントです。

ミニ・ミュンヘンは7歳〜15歳までの子どもだけが運営する「小さな都市」です。8月の夏休み3週間だけ誕生する仮設都市で、ドイツのミュンヘン市ではすでに30年以上の歴史があります。このミニ・ミュンヘンで子どもたちは仕事をしたり、仮想通貨で買い物をしたり。「小さな都市」で子どもたちは時間を忘れて「遊び」「働き」「学び」ます。

このミニ・ミュンヘンをルーツとした活動が日本の各地でも行われています。日本は本国ドイツについで「こどもがつくるまち」が広まった国だと言えます。日本の特徴として、商店街活性化と結びついて展開しているもの、地域通過や経済を学ぶ一環として行われているもの、政治や社会の仕組みを知り、関心を持つためのもの等、ミニ・ミュンヘン以上に大人社会と密接に関わっていることが挙げられます。(ミニ・ミュンヘン研究会より抜粋)

私が参加したミニさくらは商店街をメインとし、お店や役所など32のお店があります。ここで使われているのはモールという仮想通貨。10分働くごとに100モールもらえ、60分働くごとに税金で100モールひかれます。他にも市長選挙があったり、起業ができたり、結婚ができたり。制度が整っていて、「本当に都市だな!」という感じでした。(ちなみに結婚はLGBTにも対応済み)

15年以上続く活動で、大人スタッフもほとんどが地元の方。初参加で地元住民でもない私は完全な「よそ者」。どんな形で子どもたちが参加するのか、大人は何をするのか、も全くわからない。朝の大人スタッフの話で一日の流れや仕事について説明されるかと思いきや、「みんなやったことあるから分かるよね!困ったら聞いて」という感じでしたw

私の担当は警察署。でも、何をすればいいのかわからない。準備するぞ!ってなっても何から始めればいいかわからないw  警察ってなにすればいいのか、ブースの机と椅子は借りられるのか、そもそもブースはどこなのか。とりあえず一通り質問してわかったのは「自由にやっていい」ということ。細かく決まってないから、その場で変えていっていいって感じでした。


さて、どうする警察担当。
何をやるかきっちり決まってない。そんなときは子どもたちと決めていこう。一番のりでやってきた男の子。「何をやればいいですか?」と聞かれたから「警察って何する人?」と対話からスタート。「悪い人を捕まえる!」というけども、商店街はまだ人もまばらで悪いことが起きそうもない。。。笑

「このまち、平和そうだけどどうする?」
「じゃあ困っている人を助ける」
「OK。じゃあ、困っている人ってどんな人?」
「道に迷ったり、重い荷物を持っている人」
「じゃあその人たちに何をする?」
「地図作る!」

対話をする中でお仕事が決まりました。そして地図を作るために「市場」で紙とペンとプラ板を買ってきます。買い物はそれぞれの店舗ごとに予め渡されていたモールで買います。そうして地図を作ったり、ゴミ箱を設置したり「よいまちづくり」を行いました。でも、警察はお客さんからお金をもらう仕事ではないので、いろんなものを作れば作るほど、お金がなくなっていきます。

「あのさ、もう警察のお金ないんだけど、どうする?」
「えー、じゃあ助けた人からお金とる」
「でもさ、それするとみんな警察に来なくならない?」
「確かに」
「そもそもみんなのためにやってるから」
「じゃあ銀行で税金もらってこよう」

税金!!確かにミニさくらでは税金をとってました。ということで、警察はお金がなくなると銀行から税金をもらうことになりましたw ここですごいなあと思ったのはとおりがかった運営側のスタッフさんが「税金とるの面白いじゃん!」と新規ルールを褒めてくれたこと。変えていいし、むしろそれは普通みたいな。いいじゃん!と背中は押すけど、実際に行動するのは子どもたち。交渉も自分でする、というのも良いなぁと思いました。

そのあとも横断歩道で渡る人の助けをしたり、人数が増えてきたので警察署長を1人任命して新しく警察になった子に説明したり、公園でゴミ拾いをしたり。一人一人が思う「警察」の仕事を行なっていました。そうして、あっという間に終わりの時間。「えー!明日来ないの!」と別れを惜しまれるほどに子どもたちと仲良くなりました。(中には稼いだモールでジュースを買ってくれたり、帽子を作ってプレゼントしてくれる子もいました)


今までもいくつか「こどもたちがまちやお店をつくる」という活動に参加してますが、それぞれの地域や主催団体ごとに特徴が出ているように感じます。今回のミニさくらでは「肩の力が抜けた大人の姿勢」というものが特徴だったのかなと思いました。

ルールを変えていくことに誰の「許可」もいらない。商店街の中で子どもたち同士で話をしたり決めていく。

ある地域では規模が大きすぎて子どもたちだけで決められないという場面を見たことがありました。「子どもたちに良い経験を!」と大人の方が力が入りすぎてしまう。そうやって子どもがただ大人が作った場に乗っかる「お客さん」的な場面もいくつか見てきました。ミニさくらではいい意味で大人の肩の力が抜け、「背中は押すけど基本は見守るだけ」という姿勢が子どもたち自身がルールを変えていくということに繋がったのかなと思います。(あんまり大人の存在が感じられず、困った時に大人を探すという感じでしたw)

大人の存在が気にならないこと。
大人の肩の力が抜け、子どもたちだけで物事を決められる規模感であること。そして、真剣になりすぎない遊び感覚であることがミニさくらの特徴なのかなあと思いました!

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