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シュウマイのこともっと知らなくっちゃ

唐突だがシュウマイが最近伸びているときいて驚いた。
じわりとシュウマイブームの波がきているそうだ。
シュウマイというとポピュラーな中華惣菜ではあるし、当然これまでに幾度となく食べてきたけど、同じく肉あんを衣で包んだギョウザより印象が薄い。
ギョウザを看板メニューにしているお店があるし、ビールのお供にギョウザというテッパンのイメージがある一方、シュウマイはおされ気味だ。もともとシュウマイのほうが立派な「天心」で、ギョウザは日本では焼きギョウザのスタイルと共に庶民的な食事として根づいた背景がある。お野菜たっぷりで材料費が抑えられることもあり、ギョウザのほうが取っつきやすいのだ(勉強不足でとんちかんな説でしたら悪しからず)。
それでも、シュウマイもシュウマイで家での食事にも定着してきた。冷凍やチルドのシュウマイはレンジでチンするだけで簡単においしくいただける。お弁当のおかずにも最適だ。でも昨年はコロナでお弁当のニーズは減ったと思うが……。
ところがどっこい。昨年はコロナ禍においてもシュウマイ専門店の出店が増え、なにやら世間では「お弁当に便利」とは別の軸で「本格的なシュウマイ」を見出そうとする傾向があるよう。
これはおもしろい。本格的なシュウマイ、食べてみたいぞ。

シュウマイの進展をうれしく思いつつも、なぜシュウマイがギョウザに比べてパッとしなかったかを考えてみた(シュウマイがもともとパッとしていた、という人、ごめんなさい……)
はっきり言う。一番は「シュウマイ定食」の不在ではないか。
宇都宮餃子の爆発的なヒットの要因は「ギョウザ定食」の普及にあるといわれる。実際に、宇都宮に行った時にそのように書かれていた。
もともと本場ではギョウザはご飯のおかずではない。考えてみると肉あんを生地で包んだプチ肉まんみたいなものと捉えたら、ギョウザはそれだけで独立している。ところが日本ではご飯のおかずになった。「ご飯に合う餃子」を見出したことは大袈裟にいえばイノベーションだ。日本におけるギョウザの躍進は「ギョウザ定食」なくして有り得なかった。

一方のシュウマイは、崎陽軒のシウマイ弁当は知られているが限定的に思える。もっと大々的に「ごはんにのせるシュウマイ」などが流行れば傾向が変わるだろう。

……と、勝手にシュウマイの未来について案じてしまった。
それにしても、シュウマイのことを知っているようで知らないことが多い。漢字でいうとなぜ「焼売」と書くのだろう。シュウマイは蒸すので、焼かないのに。
これには諸説あるようだ。

・「焼売」ではなく「焼麦」と書く地域もあって、焼いた稲穂に形が似ているから
・実はもともと焼いていたから。
・そもそも焼くという漢字は加熱調理全般のことを指すから。

語源が諸説あることはそれだけ広く流布していること。それなのに日本ではシュウマイへの関心が比較的に薄い気がする。
シュウマイのことをもっと知らなくっちゃ。
おいしいシュウマイ体験をどんどんしたいぞ!


玉手箱あける心して湯気の中のシュウマイを頬張る

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