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ギフトは自分で選ばなくっちゃ

 正月に親戚からけっこうなプレゼントをいただいた。なかなか高価なもので、さすがにもらったままではいけないとお礼のギフトを選びにいった。

 さて……と。何を買おうか考えあぐねた。あまり付き合いが近しくない親戚だ。どういったものを必要としているかわからない。

 なので自分で好きなものを選べる「カタログギフト」がいいのではないかと一瞬思った。……が。

 「あの人、カタログギフトだとうっかり頼み忘れたりしそう~」など思い浮かんで、結局、しっかり「モノ」を選ぶことにした。

 考えてみると、カタログギフトだと贈ったほうは義務を果たせたような気分になるけど、選ぶのを相手任せにするようなもの。選ぶのを楽しめるならいいけど、そうじゃないこともある。

 百貨店で、親戚に似合いそうなストールに目が留まり見ていると、店員さんが快く対応してくれた。もともと用意していた手紙をたくして郵送に。「いい品物ですよ。喜んでもらえるといいですね」といった店員さんの言葉が残った。

 今のご時世ネットショップでの買い物も増えてきたが、店舗で選ぶと店員さんの気持ちまで贈り物にこめられる気がする。ちょっとうれしい発見だ。

 贈り物を決めて一仕事済んだ気分に。そうだせっかく繁華街にきたからおいしいものを食べよう。

 ふだん、めったに食べないロシア料理のお店に。

 ピロシキ、壺焼き、ボルシチのセットランチ。

 ピロシキは中に肉あんが入った東欧の惣菜パンだ。私は春雨の入ったピロシキを想像していたが、入ってなかった。一緒にいた夫に「え、ピロシキは春雨入ってないのがふつうじゃん」と言われた。みなさんが知っているピロシキはどうだろうか?

 あとから知ったが、日本式のピロシキは春雨などが入っているレシピのものがある。日本におけるロシア料理の草分け、渋谷のロゴスキーが考案したらしい。私は学校給食で食べた「ピロシキ」に春雨が入っていたイメージだ。

 どうやらピロシキといってもいろいろあることがわかった。なお、日本で発明された「カレーパン」はピロシキが発想の原型になっていると言われている。

 壺焼き。ロシアではガルショークというらしい。シチューを入れた壺をパン生地でふたして、オーブンで蒸し焼きにする。ロシア料理らしい身体が温まるメニューだ。

 ボルシチ。てっきりトマト煮込みと以前は思い込んでいたが、赤い色はビーツによるも。今だとレトルトのボルシチなどもあるけれど、ロシア料理らしいサワークリームをのせてくれるのがお店ならでは。

 最後にマトリョーシカについて。人形の中に一回り小さな人形があって、その中にまた一回り小さな人形が入っている。いわゆる入れ子の玩具。

 調べてわかったが、マトリョーシカの起源について諸説ある中のひとつに、日本のこけし起源説がある。ロシアと日本文化の意外な接点の可能性に驚かされた。

 マトリョーシカには、子から子がどんどん出てきて......と、子だくさんや繁栄を願う想いが込められている。どんな国でも、一族の幸せを想う気持ちは共通している。親戚へ贈ったストール、喜んでもらえるといいな。


ピロシキを食べて春を待つ空気

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