見出し画像

答えの無い問題に対し、自分なりの答えを導き出すこと

昔、『○○では「5+4=□」とは教えません。「□+□=9」を考えさせます』と言う類のテレビコマーシャルを見たことがある。

最早、何のCMだったのかも覚えていないが、前者は日本の教育、後者はある国の教育をさしているものだったと記憶している。

前者は誰が解いても9という一つの答えしか出てこないが、後者は正の整数という制限を設けなければ答えが無限に出てくる。

一般的に日本の教育制度は「大量生産型」で記憶・詰め込み重視、答えのある問題を解くことに特化している一方で、欧米の教育は「個別生産」で個々の才能を伸ばすことを重視し、決まった答えのない、自分なりの答えを導く問題を解くことに特化しているといわれている。

教育としてどちらが良いのかわからないが、ビジネスの世界では後者の”自分なりの答えを導く”問題を解くことが求められる。

例えば「人数は同じで2倍の仕事をせよ」というようなミッションを課されたとする。

この問題には答えが無いので、自分なりの答えを導き出すことに慣れていない人は「そんなこと、無理ですよ」という反応をしてしまうが、「無理」と思った瞬間、思考回路のスイッチは遮断される。

そうなると成長の源泉である情報収集という作業すら始めないので成長の機会を遺失する。

一方で「よし考えてみよう」と回路が動き出すタイプの人はまず情報収集を始めるので、仮に問題解決に至れなかったとしても収集した分だけ知識の絶対量が増える。

つまり、問題解決に取り組むことはそれだけで人を成長させる。

更に、問題解決を達成した人は見た目は変わらなくても、気持ちや経験面で大きな変化が起きる。そして、その成功体験により、問題は解決出来るものという感覚に切り替わっていく。

一度や二度だけならともかく、習慣として問題解決に取り組む人と、問題解決に取り組まず思考停止に陥ってしまう人の間には成長度合いに大きな差が出る。

答えの用意された問題を解いていた学生時代から、一斉に社会に解き放たれた後、問題解決という習慣を取り入れることができた人はどんどん成長し、世に羽ばたいていくし、それが出来ない人は答えのある問題しか解くことのできないまま年を重ねていく。

今迄では考えられないくらいのスピードで世界が変わる21世紀は答えの無い時代ともいえるだろう。そんな激動の世を生き抜くためのスキルを得るために、まずは身近な問題解決に取り組んでみると良い。

思考回路のスイッチをオフにして周囲に答えを求める前に、答えを自分で見つける習慣をつけておくこと。

これがまず、踏み出すべき一歩だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?