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失敗を起こす時の人の精神状態と起こした時にしてはいけないこと

完全無欠な人間など、この世に存在しない。

人には必ず長所と短所がある。
長所の中に短所があり、短所の中に長所があるというのが一般的な長所と短所の考え方だ。

理論家は理屈を言うだけで行動が鈍く、行動家はよく考えずに行動する。
倹約家はケチになりがちであり、金や権力のある人は驕り高ぶる。

人の短所や過ちばかりに目がいくのは人の常だ。
そして、自分の短所についても小さな面子にこだわったり、頑なに自己の正当性を主張する人も多い。

また、人は皆、過ちを避けたい。
そしてもしそれを起こしてしまったら人に知られないように隠して処理しようとするものだ。
これらは人の性(さが)なので正すことは難しい。

だが、心がけ次第で人は短所の中にも長所を見出し、過ちの中にも教訓を見出すことができる。
人の性なので難しいというのは変わらないが、過ちを知って改めることができれば、そこに自分を更に磨くきっかけを得ることができる。

「過ちを観て、ここに仁を知る」
(人の短所、失敗の中に、長所を見つけ出すこと)
「過ちては、即ち改めるに、憚ることなかれ」
(間違いを犯してしまったら、それを直すことに躊躇してはいけない)
「過ちて改めざる。是を過ちという」
(間違いを犯し、これを悔い改めないことこそ過ちだ)

これらは、全て孔子の言葉だ。
孔子は過ちについての哲学を様々な角度から考えていたようだ。

孔子が説いていたのは「過ちを犯すな」ではなく、「過ちを犯したらそれを悔い改めることに迷うな」ということだ。

最近、マスメディア等に登場する専門家の発言を聞いていると、誤った情報を発信した専門家がシレっと姿を消してうやむやにしたり、過去に発信した誤った事実を認めないまま屁理屈を重ねて自身の正当性を主張し続ける人が多く、辟易する場面によく遭遇する。

孔子は過ちが起きる時を以下のように述べている。
「それは善およぐ者は溺れ、善く騎る者は堕つ、各々その好むところを以って、反って自ら禍をなす」
(水泳の達人が溺れ、乗馬の名人が落馬する。人は自分が得意とすることで失敗しやすい)

結局、人は不得手で用心深く行動しているときは失敗しにくく、得意なものを自信をもって行動するときに失敗しやすいのだ。

過信と慢心が失敗を導く。




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