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経験値を掻き集めて直感力と対応力を磨く

華やかな芸能界で成功を収めていた芸能人がちょっとした油断や慢心で失脚する事例は枚挙に暇がない。成功の蔭には必ず危険が潜んでいてちょっとした油断や慢心で成功は跡形もなく崩れ落ちていく。

これは企業も同じで以前紹介したインテルの三代目社長であったアンドリュー・グローブが「パラノイア(妄想的心配性)だけが生き残る」と述べているとおり、あらゆる想定に基づく危機回避と危険予測が必要だ。

予測不能という意味では、チャンスの到来も同様だが、起こりうる可能性は無限にあるので全てのことに用意周到な準備と対策を立てておくことは不可能だ。

ただ、未知なるリスクやチャンスに直面した時には鋭い直感力が最終的にものを言う。

意思決定のプロセスの研究で有名なハーバート・サイモンは「ひらめきや直観と呼ばれるものは、過去の記憶が再浮上してきたものに他ならない。」と述べ更に「情報を保存することと、それをすぐに取り出せるよう情報を整理することを可能にしているのは経験である」と述べている。

要するにひらめきや直感は経験によって情報が蓄積され、パターンを体得し記憶することで無意識のうちに活用しているということだ。

記憶は経験の賜物である。膨大な記憶は、ある人がそれを得るだけの経験を積んできたことを意味する。

直感力は経験の量に比例する。刻一刻と変わる諸々の状況に応じて、保存された情報の中から有効と思われる解を取り出すことができるのは、過去にその情報を得るための経験を積んでいるからである。

人生は選択の連続だ。

一般的に人は、日常生活で1日におよそ1万回直感的な決断を下しているといわれている。今日誰と飲みに行こうか、どこの店に行こうか等の簡単に見える選択ですら全て自分自身の中にある経験に基づいている。

ただ、直感の源泉である情報が古ければ、正しくひらめくことはできない。いわゆる「成功の復讐」というものだ。

未知なるチャンスとリスクに通用する直観力を高めるには、古い価値判断をリセットするだけでなく、新しい価値空間での経験値を積極的に増やしていかなければならない。

直観力は活用しなければ衰える。ただ、何度も使うことで洗練され、研ぎ澄まされるものだ。未熟であっても、誤ったとしても繰り返し使い続けることでさらに磨きがかかる

汝、未熟な若者よ、遊び呆けている場合ではない、汝には経験が乏しきゆえに直観力もない。
ならば大いに自らを磨くのは今だ。
デール・カーネギーの言葉)


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