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コロナ禍の経営で大事にしたいこと

世界は今、古いパラダイムにはまり込んでいる者と、そこから脱出している者の二種類が混在していて、格差が広がりつつあるというのは誰もが実感している事だと思う。

GAFA+Mと呼ばれるアメリカのテクノロジー企業5社の時価総額が、東証1部上場企業約2,200社の時価総額を上回ったという衝撃なニュースからも分かるよう日系企業の多くは古いパラダイム側にいる。

 このパラダイムシフトはコロナショックによって急加速する。
 デジタル・バーチャルに強烈な追い風が吹く一方で、リアル・フィジカルには強烈な向かい風が吹いているからだ。今、新しいパラダイム側にいたとしてもこの風を感じられない経営者が牽引する企業はあっという間に古いパラダイム側に追いやられる。

マイクロソフトのビル・ゲイツは「今日、私が一つ判断を誤れば、この会社は明日にも潰れる。そういう夢を今でもよく見る」と語るし、トヨタ自動車は先日1兆3000億円の資金調達を実施した。現代の勝ち組と呼ばれる企業の経営トップでさえ強烈な危機感を抱いている。

インテルの三代目社長であったアンドリュー・グローブは過去に「パラノイアだけが生き残る」と述べている。

パラノイア:不安や恐怖の影響を強く受けており、他人が常に自分を批判しているという妄想を抱くものを指す 。妄想性パーソナリティ障害の一種。

しかし、グローブが指摘したパラノイアはネガティブな意味ではなく、組織や他人の考え・行動に対する「建設的で偏執的な猜疑心」を持つ健全なパラノイアである。
不測の事態に遭遇した時、あるいは懸念された出来事が発生した時、健全なパラノイアは、その緊張感ゆえに感受性が高く、優れた洞察力によって行動力を発揮するとグローブは述べた。

コロナショック後の世界は未開のジャングルだ。今までの成功体験では乗り切れないような難局もあるだろう。平時の経営が得意な人がいれば、乱世の経営が得意な人もいる。ビフォーコロナの世界は平時だった、アフターコロナは現世を生きている人は経験をしたこともないような乱世だ。
 特に、向かい風業界にいる企業は打ち手を間違えるといくら大企業であっても即座に潰れる。

一寸先は闇だ。

ただ、わからないからこそ何事にも緊張感をもって臨み、その緊張感で肌感覚、洞察力、分析のスピード、危機管理能力を覚醒させる者だけが生き残る。

これから、僕らの周りで何が起きるのかは誰もわからない。
楽観的に物事を考えている人は、悲観側に物事が動いた時にダメージが大きくなるので、自分の業界のポジション(追い風か向かい風か)を把握し、日々刻々と変わっている状況からコロナショックによるダメージの深さと期間をパラノイア的に想定して動くべきだ。

緊急事態宣言が解除されて何となくコロナによる影響が薄れ、これから経済回復だと楽観的に思っている人が増えている印象があるが、コロナショックが顕在化するのはこれからだ。

僕らは今、激動の渦中にいる。

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