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保育園、幼稚園の人間関係トラブル【園長と担任どちらも正しい】②

前回の続きになります。

今回は、その原因と解決策を考えたいと思います。

「思い込み」と「すれ違い」

今回のケースでも、原因は【思い込み】によるものでした。

日々の仕事を通して、時間とともにお互いが、「自分が正しい」という【思い込み】を強くしていったことによりトラブルとなりました。

ではなぜ、

「自分が正しい」という【思い込み】

が強くなったのでしょうか。ヒアリングをして見えてきたことは、園長先生が、

前職の園と、新しい園では環境が違うにもかかわらず

前園で積み重ねた”知識と経験”が、正しいと思い込んで、改善を進めてしまったのです。

そのような状況ですから、何かにつけて、「前の園ではこうしていた」と比較した言い方が多く見られました。

確かに、正しいこともありますが、職員たちにしてみれば、否定されたように感じるでしょう。ここで、最初の【すれ違い】が始まります。

そして、園長先生の指示の中には、新しい園の環境では、難しい内容も含まれていたのです。職員は違うと分かっていても、園長先生が、前園の知識に固執してしまったため、【すれ違い】が大きくなり、いよいよ戻れなくなっていきます。

ここで注意するべき点は、園長先生の能力が劣っていたわけではなく、前園では評価されていたため、自分は正しいとの思い込みに繋がります

こうなると、当然お互いに、「園長先生のここが間違っている」、「先生たちのここが間違っている」と、マイナスな面ばかりに目がいってしまい、「自分の正しさ」のぶつかり合いになります。

そこで、さきほどの、「園を良くしたい」との思いが逆効果となり、お互いに「この人を改善しなければいけない」と考え始め、不満がたまっていきました。

解決策

今回の人間関係のトラブルでは、園長先生の改善がメインであるとの判断になりました。

一方で、職員たちにも改善をするべき点が、たくさんあることも分かりましたので、部分的にみれば、園長先生の主張も「正しい」のです。そのため、職員の改善も並行で進めましたが、メインは園長先生です。

まずは、「考え方の偏り(バイアス)」を体験してもらい、偏りの解消から始めてもらいました。偏りがなくなれば、新しい園の環境が見えてくると期待できるためです。

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最初は、頑なに自分の正当性を主張していた園長先生ですが、考え方の偏り(バイアス)体験してもらうことで、自身の気づかない部分を知ってもらう事ができました。

その後、園長自身の正しさだけでなく、職員たちの意見の正しさも知ってもらい、信頼関係の再構築を行うことができました。そして、人間関係も落ち着いていくのです。

※この時は、第三者評価結果の分析を使いましたが、現在は、避難訓練の分析がお勧めです。

まとめ

一般的には、園長のほうが、「知識と経験」が豊富でしょう。しかし、園長先生も人間です。

前の園でしっかりできていた経験から、新たしい環境でもそのままできるとの【思い込み】が強くなることもあります。過去の経験を活かすことは大切ですが、「自分は正しい」と思い込むとトラブルになります。

今回は、園長先生側の原因が大きかったケースですが、職員側が、「自分は正しい」と思い込み、園長先生の言うことを聞かずトラブルになるケースも多くあります。

一般企業とは違い、保育園や幼稚園などは、専門分野に特化した職場です。そのため、経験が重要視されやすくなり、そこで起きる【思い込み】によるトラブルが起きやすくなります。

いずれにしても、当事者同士では、「自分の正しさ」をぶつけ合ってしまい、最後は感情的になり解決できなくなりがちです。

早めに、外部の人に俯瞰してもらい、【思い込み】という考え方の偏り(バイアス)を体験して、気づくことが大切です。

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