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【絵本】『もうなかないよ、クリズラ』ゼバスティアン・ロート
※この記事には絵本の内容が含まれます。ご自身で初めの感想を抱きたい方は閲覧にお気を付けくださいませ。
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基本データ
題名:『もうなかないよ、クリズラ』
作 :ゼバスティアン・ロート
訳 :平野卿子
発行:富山房
初版:2013/6/21
このお話について
がちょうのヨランテとかめのクリズラは、大のなかよし。
本をよんだり、スポーツをしたり なんでもはなしあう、とびっきりのともだちです。
ところがある日、クリズラのすがたがみえなくなってしまいました……。
「クリズラ、なんでいなくなっちゃったの?」
ページをめくると、秋の日の紅葉のような目に優しい色で構成されたイラストが最初に目に飛び込んできます。
命あるものはいつか息絶えるということを、ヨランテは初め知りませんでした。楽しい時間は永遠で、いつまでも大好きな人と一緒にいられると信じて疑っていなかったのです。
そのヨランテが、世界中を探し回って見つけた答えは「クリズラはもう居ない」ということ。「遠いところに行ってしまった」ということ。
けれど、「目を瞑ればすぐそばにいる」ということ……。
感想
私はこの本を通じて、大切なものを失くす経験の予行練習をしてみました。
もし自分の親が、友達が、恋人が、クリズラのようにある日突然遠くに行ってしまったら……と思いを巡らせたのです。
喪失体験は、何の練習もなしに突き付けられることがほとんどです。
「いつか訪れる大切な人との物質的な別れを想定しておく」ことを、この本では意識できるかもしれません。
この記事が少しでもあなたの何かに触れられたのであれば幸いです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
enaguma 2022/09/01
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