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高専出身男子が歴史沼にハマるまで

はじめに

小学6年生の学芸会で『エルリックコスモスの239時間』やることになり、各自やりたい役に挙手をするシステムでした。私は無意識にエルリックコスモスを作った「博士」役を選び、台本の中で1番長いセリフを暗記して役決めに向かいました。

気づいた時には、バック・トゥ・ザ・フューチャーのドクのような白衣を着ているものだと思っており、高等専門学校~大学~大学院と全て理系畑で生きてきました。

ここまで理系に浸かっていると、本当に文系科目は必要が無いと感じてしまう。
特に、歴史ほど無意味な物は無いと思っていた。実際に高専では、明治維新以降の日本史を半期だけしかやらない。要らないと教わってるような物だ。

そんな私が2023年の大半の時間を歴史に注いだ。面白くて面白くてたまらない。これが歴史沼だ。
年末に振り返りながらコンテンツをご紹介します。

ようこそ歴史沼への入口へ

・少数民族の不思議な世界観

歴史に興味を持つ前のスタート地点を振り返ってみると、きっかけはPodcast、YouTubeでやっている『ゆる言語学ラジオ』のピダハン編でした。

キリスト教の宣教師が布教のため、アマゾン奥地に住む少数民族『ピダハン』へと訪れます。まずは言語を覚える必要があるため、ピダハン達との交流を進めていきます。
彼らは、原始的な狩猟採集民族であり、我々とはかけ離れた不思議な世界観を持っています。
衝撃的だったのは、カヌーの作り方を教えると喜んで使うが、じゃあ次回から自分たちで作ってみよう!と言うと「ピダハンは他の技術を取り入れない」と反発して、一向に覚えようとはしません。

当時の私は、日本の生活・世界観かけ離れ過ぎていて、単純にネタとして話したくなるし、科学技術を取り入れる方がいいじゃん!と思いました。

・なぜ世界の格差はあるのか?

世の中には、「発展途上国」と呼ばれるような国や治地域があります。そのような国もピダハンと同じく科学技術があれば良いんじゃないの?と思っていました。

そんな時、ブックカフェでふと出会ったこの本が教えてくれました。

著者はギリシャ危機の時に財務大臣を担当していたようで、この本は彼の娘に対して分かりやすく経済を話すという名目です。
第1章の冒頭、「なぜ世界に格差があるのか?」という問いに対し、オーストラリアのアボリジニがイギリスに侵略された歴史を語ります。

著者が言いたいのは、なぜイギリスが侵略出来たのか?という事です。

イギリス人は、科学技術を発達させる賢い民族で、アボリジニは、怠けて科学技術を発達させなかったのだろうか?
同じ人類なのに、どうして格差は起きるのかという大きな問いから、経済の話へと繋げてくれます。

・いまの世界がどうやって出来たのか

ピダハンやアボリジニのような少数民族に対して、進歩している技術を取り入れてない方が悪いと思う節がありました。極端に言うと遅れている劣っていると思ってました。

ではなぜ、イギリスがアボリジニを、スペインが新大陸のインディアンを侵略したのに、その逆が起きないのか。
そもそもなんで世界は、ヨーロッパやアメリカ中心で動いていて、いつの間にか日本も列強に加わっているのだろうか。

ふつふつと湧いてきた疑問が膨らんでいき、どんどんのめり込んで行きます。

歴史を学ぶコンテンツ

・歴史弱者オススメ!

ここで私のSpotifyまとめを紹介します。

堂々の1位は、「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」です。

1年間で約240時間も視聴、ほぼ全てのエピソードを聞いて、2周目に突入しています。

このラジオがとても分かりやすく、そして面白く伝えてくれます。予備知識のない人にも、古代ギリシャ、ローマから中世ヨーロッパの歴史・人物、それ以外にも宗教・お金・コミニュケーションなどマクロな歴史もテーマアップしています。

学校で教わる年号で覚える歴史ではなく、NHK大河やキングダムのようなドラマ・映画のような歴史が学べます。
オススメすぎて至る所で布教しています。
頭から聞くのが良いですが、フランス革命編が比較的聞きやすいです。

・歴史の深み人類史へ

さらに深く深く掘り下げていくと到達するのはこの名著です。

サピエンス全史は、なぜこの地球を人間(ホモ・サピエンス)が支配することが出来たかを辿っていきます。本当に原点過ぎてしばらく何を言っているのか分かりません。

かなりざっくり言うとホモ・サピエンスは、
虚構を信じられる』ことで霊長類の頂点へと登りつめました。
獲物を捕まえるときに作戦を立てたり、見てもいないのに噂話を出来たり、ルールや宗教を信じられたりする能力です。これが出来るだけで、他の動物を圧倒出来る集団行動が可能です。

結果的に地球で最も動物を絶滅させてる動物は、我々ホモ・サピエンスです。ホモ・サピエンスがどれほど地球を支配しているかが、分かる部分を引用します。

今日、地球上の大陸には七〇億近くものサピエンスが暮らしている。全員を巨大な秤に載せたとしたら、その総重量はおよそ三億トンにもなる。もし乳牛やブタ、ヒツジ、ニワトリなど、人類が農場で飼育している家畜を、さらに巨大な秤にすべて載せたとしたら、その重量は約七億トンになるだろう。対照的に、ヤマアラシやペンギンからゾウやクジラまで、残存する大型の野生動物の総重量は、一億トンに満たない。


サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福


野生動物って世界中にわんさか居て、人間なんて僅かな存在かな…と思ってましたけど真逆でした。


人類が支配したのは分かりました。さらにその人類の中で格差が出たのはなぜか?
それがたった3つ『銃・病原菌・鉄』の要素で説明出来ると言うのがこの本です。

物騒な単語が並びますが、この3要素を持っている地域が技術的に発達していき、格差を生み出す事になります。

その中でも病原菌が最も人類を駆逐しています。病原菌を獲得出来る人は、どのように決まるのか、概略をご紹介します。

動物が持っている病原菌が人間に感染し、
感染した病原菌が繁殖しやすい集団がある。
        ↑
家畜を持つ農耕民族は、
大量の食料を確保でき人口を増やすことが出来た。
        ↑
狩猟採集から農耕生活へ切り替わる事が出来た。
        ↑
農耕に必要な
穀物や家畜化出来る動物が存在していた。
        ↑
ユーラシア大陸、
特に地中海性気候を持つ地域である。

地中海性気候は、夏が長く乾燥して暑く、冬は雨が多く湿潤な気候です。生息している植物から見ると、夏は枯れてしまうので、繁殖する為には1年に1回大きな種子を実らせる必要があります。今でも食べられる主要な穀類やマメ類など1年草が自生しています。
また、ユーラシア大陸は恵まれた事に、家畜化可能な大型哺乳類14種のうち13種が生息しています。

その他、農耕が始めることでこんな事が起きます。

  • 貯蓄が発生して管理するためには記憶に限界があり文字が発明される。

  • 効率化する為に農耕器具や技術が発達する。

  • 人口が増えて国家が生まれ税金が取られる。

このような話がめちゃくちゃ細かく書いてあります。ちなみに下巻はガチ言語学も入ってきてほぼ理解できませんでした。

・読む自信がない人へのオススメ

コチラのYouTube見れば大体理解できます。

さいごに

もっと小ネタや感じる事がたくさんありますが、2023年は異常なほどインプットが多い年でした。歴史を学んでみて、普段から見てる物の解像度がめちゃくちゃ上がりました。
映画、アニメ、漫画は、元ネタや背景が分かるようになり、旅行先、博物館・美術館はもっと楽しくなります。

たった1年間でこの状態になるのだから、来年はもっと楽しいはずです。

それと普通科の高校生はどれぐらい世界史を勉強しているんですか?普通科で世界史取ってた人?がいたら教えてください!

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