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農業イノベーションの成功術は宇宙移民に学べ

物語の設定

宇宙人が未開の星に移住するという設定で、架空の星に経済と環境の両立を実現する理想社会をつくってみました。
その星に住む移住者たちは、環境問題だけでなく、いま我々が有効な解決策が見つからず困っている様々な課題の克服も試みています。
ここでは、移住者たちがどのようにして難題を解決したのかを続き物で紹介していきます。
ガイド役は、理想社会の創造に携わった移住者が務めます。
では、お楽しみ下さい。

前回の話

前回は宇宙移民が考えた究極のエコシティの作り方を紹介しました。
その記事はこちらです。
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理想社会の設計方法について

今回の話

今回は、宇宙移民が考えた農業イノベーションを紹介します。

地球に住む人類も、貧困と飢餓に苦しむ人がいない世界を目指して、これまで様々な活動を行ってきました。
その取り組みは成果をあげ、絶対的貧困層の数は1990年に比べ今は半分以下になり、年間の子供の死者数も半分以下まで減りました。
食料生産量も世界人口の伸び率以上に増え、世界の食料事情も改善されています。

世界人口は、このまま増え続けて2100年には現在の78億人から109億人になるという予測と、世界での平均出生率の低下により2060年頃には減少に転じるという予測があります。
後者の予測が当たれば、人口爆発による食料危機も回避されるでしょう。

しかし人類は今、地球温暖化という大きな脅威にさらされています。
地球温暖化は、農業や漁業に少なからぬ影響を及ぼします。
現実に、豪雨災害で農作物に甚大な被害があったり、海水温の上昇でサンマなどの漁獲量が激減したりと、地球温暖化の影響が身近に起こっています。

世界の平均気温の上昇幅が1.5℃に達するのが10年早まったという衝撃的な報告もありました。
つまりこのままでは、2030年初頭には、それ以下に抑えたいとする気温の上昇幅に達してしまうということです。

これまで以上に地球温暖化による被害が増える世界になれば、世界人口の増加に歯止めがかかっても、食料危機が起こるリスクは高くなります。

甘い予測のもとに、経済を大きくすることを優先に考えてきたことが、地球温暖化をここまで進行させてしまったのです。
タイムリミットまでいくらの猶予もない今、甘い予測による失敗は、もう許されません。

地球温暖化が暴走すれば、この度の感染症のパンデミックのように、世界を混乱に陥らせる不測の事態が頻発するかもしれません。
手に負えない事態になる前に問題の本質をしっかりと把握し、それを克服する取り組みを行う必要があるでしょう。

宇宙移民は、故郷の星の失敗を教訓に農業イノベーションを行いました。
どのような方法で問題を解決したのか、その秘策を明らかにしていきます。

質問農業イノベーション

農業イノベーションが必要な理由

私たちは、農業イノベーションをとても重視しました。
貧困のない世界をつくると、持続可能な世界の実現が難しくなるからです。

貧困のない世界は、食生活が豊かになって一人あたりの食料消費量が増えた世界と言い換えることもできます。
この食料消費量を総計すると、とてつもない数量になります。
加えて、食生活の改善で世界の平均寿命が伸びることにより世界人口も増加し、より一層、食料消費量は増えていきます。

しかし食料消費量が増えても、住んでいる星の陸地面積は増えるわけではありません。
むしろ、人口が増えることで都市に土地が奪われ、農地にできる土地は減っていきます。

その問題を解決するために森林伐採を行って農地を拡大していけば、環境破壊の進行で持続可能な世界の実現は遠のいていきます。
そしてついには食料危機も招いてしまい、飢餓に苦しむ世界へと戻っていくことになるのです。

食料消費量

そういう事態になることを避けるために、農業イノベーションを行う必要があるのです。

持続可能な世界を実現する農業イノベーションの方法

では、持続可能な世界を実現するには、どのような農業イノベーションを行ったらいいのでしょう。

究明
成功の秘策を見つけたぞ

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