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街を歩けば出会いがある

いつもより早い時間の帰り道。なんとなく、まだ家に帰る気分じゃなくて、銀座をぶらぶらしてみた。夏になって、日が長くなって17時くらいだけどまだ明るくて、風は生ぬるい感じのこの天気。結構好き。こんな日には星野源がぴったりだ。

私は銀座によく行く。でもいつも通る道は同じで、よく知らない道も多いけど、なんだか銀座を知った気になっていた。
銀座という街に用があって繰り出せることが嬉しくて、銀座を好きになって、この本を読んでみた。

この本にはいろんな老舗の店が出てきて、それをふむふむと読んではこの街を知った気になり、物知りになった気がしていたが、よく思い出してみれば、この本に出てくる銀座ウエスト本店、行ってみたいと思いながら行ったことがなかったな、と思い出し、Googleマップで場所を調べて行ってみた。まず驚いたのは、銀座通りにあるわけではないということ。なんとなく、老舗の喫茶なら銀座通りにあるのかと思っていた。そして、目の前にウエストを見た時また驚いた。かなり小さな建物で2階建てだったのだ。こじんまりとしていて、小綺麗なお店というよりは、親しみやすい雰囲気のある町のケーキ屋さんという感じだった。隣にはヒューリックの立派なビルの隣にポツンとたたずまう銀座ウエスト。その矜持こそが銀座なのだと改めて感じる。今や銀座は外資系ハイブランドがそのブランド力で銀座の一等地にビルを建ててしまうほど儲けていることに毎日びっくりしながらも、銀座といえばハイブランドの街、と言えるほどひしめき合っている。しかし、その中でも昔から変わらずに銀座に店を構え続ける名店があるのだ。銀座ウエストは、青山店にしか行ったことがなく、そちらはどちらかというと小綺麗で広々としているので、銀座店の雰囲気には少し驚いたが、この小さな喫茶室から全てが始まったんだ、ということに感動した。次はぜひ喫茶に伺いたい。

ウエストがある大通りから一本入ると、そこには雑居ビルに高級クラブと思わしき看板が並んでいる。銀座のクラブって、言葉ではよく聞くけど実態は全く知らない。黒革の手帖みたいな感じなのかな、と思いながら、それがここにあるのか、と銀座という街の奥行きを見た気がした。そして、少し歩くとみゆき館本店の裏通り側の入り口が見えた。そこからは店内が少し見えて、高級クラブのママのような方が、手帳を片手にアイスティーを飲んでいた。それを見た時、少し胸が躍った。自分が普段交わることのない人の日常の一部を覗き見てしまったような、見てはいけないところを見てしまったようなそんな気持ちになった。きっと、銀座のママにとっては、何気ない日常だろう。これまで、全然入ったことのない通りだったので新鮮だった。

やっぱり、本を読んで、情報を得るのも楽しいけど、自分で実際に街に出て、自分の目で見たものしか本物ではないのだ。ということを改めて実感させられるいい時間だった。

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