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The Gift 〜「愛が使える自分」を思い出す。

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『グッドバイブス ご機嫌な仕事』の倉園が新刊『The Gift』をnoteに公開しながら執筆します!  私たちは職場や家庭に抱く怒りによって、いつしか「愛だけは使わずに身体を動か…
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Gift 14 〜 なぜ、私の中に相容れない「二人の自分」がいるのか?

◎ どれだけ小さくなっても消えない微かな光 もしかしたら、あなたは前話を読んで、 「自分自身を振り返っても、他の人たちの言動を顧みても、とても私たちが愛そのものには見えない」 と感じたかもしれません。まったくもって、私もそのとおりだと思います。 職場でも、趣味の集まりでも、友人との会食でも、心ない攻撃に遭わないよう全力でまわりの顔色をうかがい、微に入り細を穿って空気を読まなければなりません。ときには、強い信頼で結ばれているはずの家族やパートナーから、立ち直れないほど深

Gift 13 〜 第二部:帰還の旅の終わりには「愛そのものである私」が待っている

◎ かつてのあなたがいた場所に戻るしあわせな帰路 この本の冒頭に書いたとおり、私はあなたと一緒に、しあわせに暮らし、働き、人と関わるための修正点を見つけ、その改善に挑もうとしています。 第一部では、いま私たちに起こっている問題を紐解きながら、 「愛が使える自分を思い出す」 という針路を見つけました。 私はこの道を進もうとする人は、絶対に失敗しないと確信しています。もし、目指すところが「愛が使える自分になる」だとしたら、厳しい鍛錬や修行を重ねた末に、一握りの賢者だけが

Gift 12 〜 静かに穏やかに「愛とギフトのしあわせな循環」に帰る

◎ 手段に格下げされたロールと永遠に満たされない心 ここで、11話にわたって続けてきた「愛」をめぐる探索を振り返ります。 Gift 02で「人生とは何かを手がけること」と書いたとおり、私たちの日々の暮らしはさまざまなロールに彩られています。そこで私は、 「あらゆるロールをいい感じで手がけられていれば、人生もしあわせであるはず」 と考えました。 この仮説には、 「私たちがしあわせを感じられる時間はいまここしかない」 という当然の前提があります。 「いまここ」のほ

Gift 11 〜 そして、愛は夢や幻想と同じ「本当は無いもの」に変わる

◎「ほしいもの」を尽きさせない思考の秀逸なからくり じつは、私たちの寿命には、締め切りや年齢のようなはっきりとした区切りはありません。いうまでもなく、誰も自分の人生がいつ終わるかを知らないからです。平均はあくまで統計の数字であって、すべての人に当てはまるとは限りません。 すでに61歳の私にしても、100歳まで生きるのと、明日にそのときを迎えるのとでは40年もの開きがあります。残された時間があと1日なのか、それとも1万4600日なのかはまったく予想できないのです。 にもか

Gift 10 〜 時間の価値が高まるたびに愛は私たちから遠ざかる

◎ 愛を使うと人生でもっとも価値ある時間を失う 前話で見てきたように、いまの私たちは、どれだけお金があってもそれを遣って何かをする暇がなければ「ほしいもの」も「安心」も手に入らないと考えています。「時間を買えるならいくらでも払う!」と思う人は少なくないでしょう。 「時は金なり」の時代は終わりました。「Time is money.」の「is」も、日本語の助詞の「は」も、その前後が等しいことを表します。けれども、すでに両者の価値は同じではなくなっています。だとしたら、もっと正

Gift 09 〜 際限なく増える未来の報酬は私たちをどう変えるのか?

◎ あなたが発揮した愛は自分に返ってきて大きくなる 最初に「これをやりたい」という想いがあり、朝食を作る、掃除をする、資料をまとめる、数字を整える、文章を書く、旅に出る、映画を観るといった大きなロールができあがります。次にそれを形にしたり、表現したり、体験したりするために動き出します。 実際に手がけてみると「ここはこうしたい」という新たな想いが湧き上がり、ひとつの工程から「思い入れ」や「こだわり」と呼ばれる小さなロールが生まれます。そのたびに、創意や工夫や感性など、形のな

Gift 08 〜 心の声と思考の判断をどうやって見分ければいいか?

◎ 失敗したくない思考は流行と人気と権威に抗えない 「それはあなたの本心か?」と聞かれて、答えに困った経験が私にもあります。目に見えず、形がないうえに、ぼんやりと現れて消える心と思考は、そもそも厳密に線引きできるものではないのかもしれません。 ただ、境目があいまいなグレーゾーンはあっても、じっくりと内観すれば両者の違いを見分けられると私は感じています。前話で書いたギターとガジェットの話のように、その場ではどちらかわからなくても、数日後か数か月後、もしくは数年後に、自分の行

Gift 07 〜 その「ほしいもの」は心と思考のどちらが決めているのか?

著名人の半生を描いた映画に、まだ幼い主人公がショーウィンドウ越しに憧れのグッズに見とれるシーンがよく登場します。 その子は、将来の職業がミュージシャンならレコードや楽器、バレエダンサーならチュチュやシューズ、野球の選手ならグローブやスパイク、学者なら専門書や顕微鏡がほしくてたまりません。たいていは、家にそれを買えるお金はなく、学校の帰りに店に立ち寄っては深いため息を漏らします。 じつは、私も10歳のときにこれとまったく同じ体験をしています。近所の小さなレコード店の壁に、ぽ

Gift 06 〜 長く苦しいロールの合間に花火のようなしあわせを見る

たとえば、それほど遠くない将来に「何としても手に入れたい!」と思える報酬を作っておきます。お金やモノや体験でも、学歴や資格でも、地位や評価でもいいでしょう。そのうえで「この魅力あるものを得るために動くんだ!」と捉えておけば、多少の苦労は受け入れられます。 あるいは「これだけは起こってほしくない!」と感じる未来の不安な出来事を想像しておきます。こちらは、仕事がなくなることや評価が下がること、健康を損なうこと、大切な人との離別などが挙がるでしょう。報酬の場合と同じように「そのよ

Gift 05 〜 愛していないのに愛しているかのような行動を求められたら?

Gift 03で「形のないものが原因で、行動は結果」と書いたように、私たちがどのように動くかは「想い」によって決まります。その源泉である愛を封印すれば、当然、あらゆる行動から原因が失われてしまいます。 それはすなわち「どこまでやるか?」「なぜそこまでやるか?」の目的や動機をもたずに、日々のロールを手がけるということでもあります。これが何を意味するかは、あなたもよく知っているはずです。 私は真っ先に、大差のついたスポーツの試合で見せる「気のないプレイ」や、家族からの依頼をい

Gift 04 〜 ぼやかされた「微かな怒り」によって愛が使える自分を失う

現在の職場に初めて出社した日や、一緒に暮らすパートナーと初めてデートした日、いまでも続けている趣味の集まりやボランティア活動に初めて参加した日など、初の体験を思い出すと、そこにはたいてい「愛が使える自分」がいます。 そのあなたは、慣れない状況に少し緊張しながらも、前章で書いた「形のないもの」を惜しみなく発揮して目の前のロールをひとつずつていねいに完了させていたはずです。 そこから現在に戻ってみると、自分の心が大きく変わったことに気づけます。いまでは、どの仕事も「最良の形に

Gift 03 〜 私たちを動かす「形のないもの」は何から生まれるのか?

前章の問い「私が何をすれば、ひとつのロールは完了するか?」をイメージすると、真っ先に身体の動きが思い浮かぶのは、私たちが映像で記憶をたどるからだと思います。当然、そこには「形のないもの」は写っていません。おそらく、仕事の日報や週報にも「目に見えないもの」は書かないでしょう。 けれども、間違いなく私たちはカメラでは撮れないものを使っています。もう一度、作家が人物を描写するように「そのとき私は何を感じているか?」まで踏み込んで「来客に一杯の飲み物を出す」というロールをたどってみ

Gift 02 〜 人生をしあわせにする方法は日々の「ロール」に隠れている

一日の終わりに「今日は何をしたか?」を大ざっぱではなく、つぶさに振り返ってみると、私たちがいかに多くのことを手がけながら暮らしているかわかります。 朝はもろもろの仕度をして、人によっては職場や何かの集まりに出かけ、夕方までやるべきことに従事し、夜は趣味や娯楽や勉強や家族の相手など、それぞれの日課をこなします。移動や休憩のあいだも、いまならスマホを取り出してその場でできることを見つけるでしょう。 おそらく「起きてから寝るまでのあいだに、何もしていない時間はどのくらいあるか?

Gift 01 〜 第一部:興味と「知りたい!」想いを取り戻して心を探究する

子どもは新しいものを見つけたり、人や生きものの不可解な行動を目撃したりすると、間髪入れずに「これは何?」「なぜそんなことをするの?」と聞いてきます。 私も物心ついたときから質問魔と呼ばれるほどの聞きたがりで、まわりの大人からはよくウザがられていました。しかたなく、親から買ってもらったポプラ社の『なぜなぜ文庫』を開いては、自分の疑問に答えてくれそうな「ひるとよるはなぜあるのですか」「あめはどうしてふりますか」「おとはどうしてつたわるか」といった章を読み漁っていました。 この