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【空き家さんぽ 番外編】

Episode 1 肴町の小さなお家②
肴町の小さなお家
「空き家さんぽ」で新たなご入居者に巡り会えなかった私たちは、まずは小さお家をきれいにすることと、お掃除をした後に小さなお家を会場にイベントを開催したりして過ごしていた。手をかけるだけお家となんだか仲良くなる、不思議な感覚。

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そんな時、あるお問合せを頂いた。アパレルブランドのアトリエとショップを兼用できる物件を盛岡市内に探していて「十三日」に辿り着いたが空きはないのかと。残念ながら十三日に該当するスペースはなく、他にはないのか?と聞かれて「近くにあるけど、相当小さいし相当古い」と答えた。
ものすごく古くあまりきれいじゃない物件を見て、それが変わったところをイメージできて、しかもその過程を想像してワクワクする、という人がいたらもうそれは運命の人だといっていいと思う。そして、彼女は小さなお家の運命の人だった。他にもいろいろ見たけど、ここが一番ワクワクする、と。何度も言うが相当古く、相当小さいお家を見て。そう、確かに変わり甲斐は相当あるよね。
私たちが初めてお家にあった時にワクワクしたように、同じ価値観を持つ妄想上手な方に出会うと、本当にうれしくなるしワクワクする。
私たちは、よくお客様に建物や空間を見て「ここすごくワクワクする」とか「ここでならずっとやりたかったことができる気がする」とか言われることがあるのだけど、本来住居にしても店舗にしても事務所にしても、そうでなければ意味がないんじゃないかなと思うのだ。新築だろうが古家だろうが、正直それほど拘っていないし、多分お客様もあまり気にしていないように思う。「ワクワクする」それが空間の持つ力だし、その空間の力がそこを使う人にパワーをくれるんだと思う。

そんなご縁で、小さなお家は服飾デザイナーのアトリエ兼ショップとなった。

思い返してみても、とにかくいつでも打合せは終始おもしろくて笑いっぱなしだったように思う。毎回お腹がよじれそうなぐらい笑って、終わった後にちゃんと打合せしたんだっけ?と少し不安に思うくらいなんだけど、不思議なくらい決めなくちゃいけないことはいつだってスパスパ決まっていった。柱や建具やタイルはなるべくそのまま、色を変えたくらい。

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でも、作業するアトリエは断熱をしっかりと。そういや、エアコンじゃんけんもしたっけな笑。(エアコン代を大家が持つか店子が持つかじゃんけんw)途中、1階のショップの一部をコーヒーとワインバーにしたいという話になり、限られたスペースでどこを優先するか何を我慢するかを話したりして、軽食でいいかなとか、コーヒー豆の販売だけなら飲食店にならないとかいろいろ悩んだりもしたけれど、結局きちんと飲食店営業の許可をとり開業に至った。海外での経験も長かった彼女の審美眼は洋服や靴だけでなく、ワインやチーズ、コーヒーなどにもわたっていて、それはお店に並ぶラインナップを見れば一目瞭然で、コーヒーやワインはとにかく美味しい。
そして。
カウンター越しの彼女との会話がやっぱり最高におもしろい。行くと、毎回やっぱり笑いすぎてお腹が痛くて次の日は腹筋がちょっとした筋肉痛である。これ、ジムに行くより健康的なんじゃないか?飲みすぎるけど笑。



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おいしいコーヒーとワイン、そして服が好きな方。
店主との会話を楽しみたい方にぜひ立ち寄って欲しい。

そんな楽しい場所に、小さなお家はうまれかわった。


「匣_haco」

岩手県盛岡市肴町10−2

水〜土13:00〜21:00(L.O.)

日・月・火定休(不定休・時間短縮あり)
www.onlinestore.hacomorioka.com
www.wineshop.hacomorioka.com


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