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思春期

第二次性徴が出現する思春期において、心理的には、一般に、児童期の「仲間に基準を置く」傾向から「自己を基準に置く」傾向への準備が始まる。その基底には、親からの心理的離乳があり、精神的独立に向かって歩みだすが、その不安定さと葛藤は、しばしば反抗として現れる。

思春期以降は、自分のことが気になったり、内省的な思考がみられるなど、自己を基準におく傾向がでてくる。この時期には孤独になり引きこもったり、少数の親友どうしや恋人などとの関係が重要になってくる。

青年期に親の保護や監督といった親への依存的な状態から脱して、自立・独立しようとする傾向が出てくる。これを心理的離乳という。ホリングワースが提唱した概念である。(平成29年前期過去問題集より)

しかし、現代では、児童期のギャンググループも減っているし、少年院への入所数も減少傾向だ。親との関係が良好で、際立った反抗期がみられない児童もいるという。

個人的には、反抗期なんてない方がよいと思う。身の回りのものをすべて破壊したくなる不愉快な衝動のなか、きわめて不快な気持ちで一つ屋根の下、憎き親と一緒に過ごし、経済的な自立もできないほど、悔しくて自尊心を抉られることはない。

親とは良好な関係でいたいし、できれば争いごとは避けたい。児童の権利が着目し始められ、児童の主体的な行動が尊重されるようになった今、「反抗期」という言葉は実際にそぐわなくなっていくだろう。

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