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「シマシマしまね」から見えた、移住のかたち。

今週は、移住してこられた方(Iターン・Uターン)が施設に来てくださることが多く、それぞれのまちでの取り組みや、暮らし方についてたくさんお話をうかがうことができて、自分なりにいろいろ考えた1週間でした。

東京―島根を軸に、若者による課題解決・まちの価値の再発見をコンセプトにして働く方。

関西から、家具職人として地元に帰ってきた方。

思えば、「シマシマしまね」にかかわる方、お客さまとして来られてお話をさせて頂く方には、移住者がとても多い気がします。作り手の中にも、アクセサリーを作る人・ジビエ缶詰を製造する人・ドレッシングを作る人…見渡しただけでもけっこう、移住者がおられます。

外から来た人(という言い方がいいのか分からないけれど)や、一度地元を出た人には、ずっとここにいる人とは違う景色が見えているのかもしれません。そんな方たちとお話するのはとても楽しく、刺激をたくさん頂いています。

思えば、私たちがNPO活動を始めたころ(11年前)、移住に対する行政の取り組みはまだ一般的ではなく、私たちが拠点としている雲南市は先駆け的な存在でした。

これはあくまでも私たちの活動の中で感じた「肌感」のようなものですが、2011年の東日本大震災を経て、人びとの移動が急激に増え、移住される側の土地に住んでいる自分たちは、新しい波を感じる機会がとても多くなりました。

「よそ者」の定義もずいぶん変わって、地方でも外から来た人をやわらかく受け入れる土壌が少しずつ生まれてきたんだなあ、と思うことも増えました。と言っても、まだまだ移住者に「永住」を望んだり、魔法のように地域を活性化してくれる、とすべてを委ねたりしてしまいがちですが…。

その後、さらに人口流出が各地で問題になり、それまで移住・定住に力を入れていなかった市町村もこぞって「わがまちへ!」と声を上げるようになりました。いまや、移住って人の取り合い?と思ってしまうほど。どこもかしこも手厚い制度をつくって人を待っています。

そして、いまの流れは「関係人口」。

移住まではできないけどちょっとかかわりたい…とか、都市と地域を結んで何か活動をしたい、あるいは出身者で外に出ているけど、応援はしたい…という人の存在がクローズアップされ始めたのです。

移住しなくてもいいんだよ、住まずに関わりを持つ人たちも人口として数えてみよう、という考えに、「関係人口」というちょうどいい名前ができて、みんなが使い始めました。

それはもう、ちょっと面白いくらいにどこの地域でも言い始めて、いたるところで「関係人口セミナー」「関係人口ワークショップ」が開催されています。

島根の中山間地域などでも、「イベントのときにボランティアでかかわる」「学生が夏休みにインターンで過ごす」など、特に若い層の人たちを中心にいろいろなかかわり方が増えていて、自分たちが学生だった頃を考えると隔世の感があります。

でも、このような流れ―移住定住増加から関係人口増加へのシフトチェンジを、たとえば島根で普通に働き普通に暮らしている「一般の人」たちは、どれだけ知っているのかな…と思うことがあります。

NPO活動をしているから、いろんな人との出会いがあるから、これらの流れは肌で感じられるけれど、自分ごとに感じられない人にとっては、ニュースとしてとらえることさえないのではないでしょうか。

「関係人口」ということばがひとり歩きせず、かかわる人も、地域にいる人も、自分ごととしてとらえらえるようになるには、もう少し時間がかかるのかもしれません。

加えて、移住を希望する人や、「地方とのかかわり」を臨む人々に対して、私たちはどんな島根を提示できるんだろう、ということも考えます。

もともと島根にいる自分たちにしかできないことは何かを考えたとき、くらしアトリエにできることは、

◎いかに「素敵な土地だな」と思ってもらえる島根でいられるかを考え、情報を集めてストックしておく

◎サイトを見てくださる方、シマシマしまねに来てくださる方に向けて、いまの社会の流れや、今後の島根に求められることを、専門的な言葉ではなく、自分ごととして伝える …このコラムのように。

◎まず自分たちが楽しみ、それを発信してコミットしてもらう!

という感じでしょうか。

シマシマしまねに移住された方がよく来られるのは、「もっと島根を知りたい」という思いによるものだと思います。そんな方たちに、島根のリアル・島根で暮らすことの魅力を、しっかり伝えられるよう、自分たちも襟を正していかねば!

何より、施設でいろんな方とお話するのはとても楽しい!移住された方、結婚して島根に来られた方、皆さん「ここにびっくりした!」とか、「この街にはまだ行けてないんです」とか、いろんなお話をしてくださいます。

皆さんの質問にもすらすらと答えられるような、優秀なスタッフになるべく、さらに努力していこうと思う日々。皆さんもぜひ、シマシマしまねで島根のこと、いろいろお話してくださいね。


サポートありがとうございます。とてもとても励みになります。 島根を中心としたNPO活動に活用させていただきます。島根での暮らしが、楽しく豊かなものになりますように。