「考える」を積み重ねたら。
今回の「時々コラム」は真面目バージョンで「考えること」「表現すること」について綴ってみたいと思います。
歴史が変わろうとしている、まさに転換点とも言えるこの時代。いろいろなところで、いま大切なのは「問いを立てる力」だ、と言われています。
先日配信された「WEEKLY OCHIAI」の中でも、解答を探す力ではなく、問いを立てる力がこれからは必要だ、という議論がなされていました。
答えがすでに用意されている社会。
たいていのことはスマホが教えてくれる。
そんな時代だからこそ、「どんな問いを立てるのか」が重要…本当にそう思います。
このことをもう少し「自分ごと」としてたぐり寄せていくと、「考えること」に行き着きます。
答えが用意されていれば考えなくてもいいし、巷にはハウツーな情報やまとめサイトがあふれているけれど、問いを立てればおのずとそれに向かって考えることになる。
考えることは学びにつながり、「学び」とはくらしアトリエがずっと問い続けていることそのもの、だからです。
ここ数年、特に「シマシマしまね」を始めた3年前から思い続けている、「考えることの大切さ」。InstagramなどのSNSを発信ツールのひとつにしてるのですが、自分でやっていても情報のスピード感に対して「どうなんだろう」と疑問を持っています。
消費されて、手元にほとんど痕跡が残らない情報。
刹那的に浮かんでは消える「考えずに書かれた」言葉。
流れていくことには良い一面もあるけれど、言葉も写真も、素敵だな…と思ったら保存ボタンを押してつなぎとめていないと、すぐに流されてしまい、後で探そうと思っても至難の業。
スマホの電源を落として情報から離れることも怖くてできず、何が流行っているのか、何がトレンドワードなのかを追い続けて、ひたすら時間を食い尽くされる日々…そんな、インターネットの荒波を航海していくことに、ちょっと疲れちゃった…という方も多いのではないでしょうか。
そんな時にたびたびおすすめしているのが「読書」なのですが、それと同時に、昨年から少しずつ考えを進めているのが「表現する手段としての出版」です。
昨年度、新たに取り組み始めた「シマシマ編集室」では、島根県各地にいらっしゃる作り手やいろいろな活動をされている方々に直接取材をし、自分の考えを乗せて記事を書く、という表現活動をスタートさせ、毎回意欲のある参加者の方と一緒に「考えて書く」という作業を行ってきました。
この「シマシマ編集室」をもう少し発展させて、出版というひとつの形にならないかな…と、2年目を迎えるにあたり、少しずつ計画をしていたのです。
…が、3月の時点で「直接出かけての取材や、集まっての編集作業は難しい」という結論に至り、編集室は一時お休みに。出版というプロジェクトは「あなたが想う、素敵な島根」というリトルプレスとして、スタッフがコラムを改編したり新たな記事を書いたりすることで進めています。
とはいえ、直接取材をして…という活動は今年はとりあえずやらない方向でいるものの、「考える」という行為や「何かを表現する」ということは、変わらず問いかけ、多くの人に一歩を踏み出してほしい。
オンラインサークル「くらしの学校オンライン」ではそれがうまく回って成果が出つつあるけれど、もっとオープンな場で、何か問いかけができないものだろうか。
そんなことを悶々と考えていたとき、「シマシマしまね」を通じて仲良くさせていただいてる方と
「どんなテーマでもどんな手段でもいいから、何かを考えて作りだされた”形あるもの”を見てみたいし、1枚の紙からでも伝わることがあり、表現は誰にでもできるんだよ、ということを知ってほしい」
というようなことをお話ししました。
「出版というかっちりした形だとちょっと臆病になるけれど、もっと簡単に自分のできる手段を使って、表現するということを、してみたいし、見てみたい。好きなものを形にする、それだけでも違うと思う。」
そんな、静かだけど熱のある言葉を聞いて、自分たちに「何か」ができないか、と妄想し始めています。
1枚の紙からでも、伝わること。
考えて、形にすること…。
展示なのか、また別の形なのか分かりませんが、いろんな環境にいる多様な人たちの「偏愛」や「日常」や「疑問」たちが集う、そんな空間づくりをしてみたい。
好きなことでも社会への問いかけでも、ただ日々起こったことを綴るだけの日記でも。何かを「自分の言葉で」「考えて書く」ということについて、世に問いかけたい。いろんな人の「暮らしの断片」を集め、拾い上げ、できれば「編集」というところまで考えられるような場づくりをしたい。そんな妄想です。
ー 日々、SNSを使って発信している皆さん。
あなたが本当に伝えたいことは何ですか?
好きなものは何ですか?
憤っていることがありますか?
心の中でもやもやとしていること、好きすぎて思いがあふれそうなこと…流れる情報ではなくて、「確かにここにある」思いを、形にしてつなぎとめておきたい、と思ったことはありませんか?
ー SNSをしていない皆さん。
どうやって自分が伝えたいことを外に出していますか?
日記でしょうか、家族や友人との会話でしょうか。
その言葉を「形」にして残してみたい、という気持ちはありませんか?
自分の思いはもちろん誰かに見せるためのものではないけれど、それを表現することによって、今まで会わなかった「同じ思いを持つ人」と出会えたり、新たなスタートが待っていたりするかもしれません。
「表現」「ことば」「編集」をテーマにした催しは、ずっとやりたいな…と思いつつ、「集客できないのでは」「利益はどうやって出すのか」という現実的な問題の前に、しゅるるる…となって実現しませんでした。
でも、「ニューノーマル」という言葉から、自分の働き方や生き方を立ち止まって考えた人が多かったであろう今だからこそ、できることがあるのかもしれません。
多種多様な皆さんの多種多様な表現を「1枚の紙からでも」形にして観ることができ、考えることをもっともっと膨らませられるような、そんな場を作ってみたいなあ…。
需要があるのか、求められているのかは分からないのですが、そういうことを飛び越えて実践するのはやりがいがあるし、「シマシマ編集室」の発展編としても意義があるし、新たな社会への問いかけにもなる。まさに「問いを立てる」ことにつながると思うのです。
今は、お借りした本を読みながらふつふつと考えを巡らせているところ。
「考える」を積み重ねたら、ものすごいエネルギーのある表現になるんじゃないかなあ、とわくわくしつつ、ちょっとずつ歩みを進めていきたいと考えています。「やってみたい!」「見てみたい!」という方がおられたら、コメントでもこっそりメールでも良いので、教えてくださいね。
お待ちしています。
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