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ちいさな畑をはじめました。

こんな時期ですが、畑をはじめました。

こんな時期だからこそ、なのかもしれませんが…。

ずっと前からやりたかったのですが、昨年子どもたちが家を離れてますます思いが募り、春のはじめくらいに近所に貸し畑を見つけて、さらに熱が増して。結局その近所の畑は借りられなかったのですが、熱は冷めることなく、ご縁があって先月くらいから細々と、ぼちぼち始めています。

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農業って、やったことがない人から見たらある種の憧れですよね。いろんな野菜が作れるなんて、それこそカッコいいクリエイター並みに憧れます。私は祖父母が農家だったので、畑や田んぼにはなじみがありました。畑があったからこそ旬の野菜を知ることができたし、大変さも知っているつもりでいました。

そんなわけで、雲南の「はたひよどり」に拠点を設けた時には、よっしゃ畑するぞ!とスタッフで鼻息荒く、隣のおじさんに教わりながらじゃがいもやさつまいも、ナスなどの簡単な野菜を作っていました。

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その頃私は、「農業は手間をかければそれだけの成果がきちんとかえってくるもの」と考えていたのです。

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栽培はまあ、ほぼお隣のおじさんに任せて(今思うとこれがいけなかった…)、野菜の名前を書くプレートとか、畑のビジュアルにこだわってきゃあきゃあ喜んでいたのでした。

恥ずかしい…。

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そんな折、2年目だったかな?心を込めて植えたさつまいもをイノシシに食い荒らされて、ぽっきりと心が折れました…。

手間をかけても成果はゼロ。そんなことがあるなんて。それなら、親しい農家さんから野菜を買っておいしく料理したほうが自分らしいじゃないか。


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植える野菜はどんどん種類が少なくなり、最後はお隣の畑の畝をひとつ借りてじゃがいもを育てて(これもほぼお隣さんにやってもらったのに、お隣さんの畝のじゃがいもを間違えて掘り起こしちゃって怒られました…)、以来、事務所の畑は手つかずのままです。

種や苗を植えて終わりではなく、そもそもそんなに早く成果が出るわけではなく、丹精込めて育てても天災や害獣によってゼロになってしまう。ザ・自然との闘い!です。そんな闘いに挑むほど自分には覚悟がない。かくして、農家さんへの憧れは募りつつも、「畑」という土の面積が広いものへの畏怖もあって、家の庭でシソやミニトマトを作るくらいで満足していました。

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ではなぜまた「畑」をやろうと思ったのか。

ひとつには、この状況下で「食べ物を自分でつくる」ということの必要性を感じたことがあります。

2月末くらいから、なんとなくスーパーへ買い物に行くのが怖くなり、生協と週末の買い物だけでなんとかしのいでいたのですが、やっぱり新鮮な野菜が食べたい!と思って、産直市へ行くことが多くなりました。野菜が自分でつくれたら…あるものを収穫して、自ら調理して、やりくりしながら過ごせないかなあ…そんなことを少し前から考えてはいたのですが、ウイルスと向き合う日々の中でより必然性が増して、今やらねば!と気持ちが動きました。でもまあ自給自足なんて不可能なので、今は楽しみの一つとしてとらえていますが(切り替え早すぎ?)。

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そして、子どもが巣立った今、オットとの暮らしの中にひとつ、共有できるものを持ちたかったということもあります。それまで子どものことが中心だったけれど、そうではない時間がこれからどんどん増えていく中で、何か新しいことを始めたいなあ、と考え、この機会を良い機会と捉え、一気に行動に移しました(笑)。

週末にはふたりで畑に出かけ、ど素人なのでよく分からないままに種を植えたり苗を植えたりして楽しんでいます。本当は、作業した後にコーヒーでも飲んで帰りたいところですが、「ステイホーム」なので車で自宅と畑の往復のみ、という生活。…と書いてる今この瞬間に思いついたのですが、コーヒーを自分で淹れて畑で飲んだらいいかもしれないですね。

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植えた野菜はちゃんと育つのかどうか分かりませんが、まあちょっとは収穫できるんじゃないかな。ズッキーニが採れたら、鍋いっぱいにラタトゥイユを作って食べよう!というのが目標です。

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「シマシマしまね」のオープンが延期になったことで、サークルの立ち上げやオンラインショップの作業など、パソコンやタブレットに向かう時間が増えて、金曜にはぐっと疲れが出ます。画面に長時間付き合うようになって、同じような状態になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もちろん楽しいことをさせてもらっているので心地よい疲れではあるのですが、頭の中身をパソコンに吸い取られるみたいな、干からびた感じというか…。

ああ乾いている!というときに庭や畑で土に触ると、不思議に癒やされますね。農耕民族のDNAなんでしょうか…。

自然に触れると気持ちが和む。気持ちが和むとアイデアも浮かんで、パソコンに向かうのが楽しくなる。

半農半Xという言葉が一時期流行りましたが(その頃に、今の事務所の畑を借り挫折しましたが)、土に触りながらデジタルなことをするというのは、仕事のあり方として私たちの前からの憧れてもあります。

それぞれにバランスを取りつつ、仕事も畑も、前向きに頑張りたいと思います。


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