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「輝く王冠の島」〜シマシマしまねに隠岐の産品が少ない理由。

「いま、「シマシマしまね」のショップコーナーで取り扱っている商品のうち、隠岐の島で作られたものは「崎のみかんジャム」とamairoさんのアクセサリーだけ。

このみかんジャムがものすごくおいしくておすすめなのです!

※定番商品の「舟ピロー」は、隠岐に向かうフェリーで使う枕、ではあるのですが、実際に製作されているのは松江市の「眠りの専門店 たにや」さんです。

このみかんジャムは「海士町」で生産されています。隠岐にはほかにも「隠岐の島町」「西ノ島町」「知夫村」という3つの町村がありまして、本来ならほかの島の産品も仕入れて販売したいところではあるのですが、今は1つにとどまっています。

こちらは、同じく海士町のグラノーラ=あまのーら。季節ごとにいろいろなフレーバーがあって、ぽりぽり食べるのが楽しいお菓子です。※現在は入荷しておりません。

こちらがamairoさんのアクセサリー。海士町の自然や風景にインスパイアされた色や形で、水引を使って作られています。ナチュラルな雰囲気のものから、ビビッドな色合いまでいろいろあります!

隠岐の島のこと、皆さまどれだけご存知でしょうか。県内にお住まいの方であっても、有人島が何個あるのか、それぞれの名前は?など、知らないという方もいらっしゃると思います。

かくいう私も以前は「隠岐」というひとくくりでぼんやりとイメージしていたのですが、14年前、オットの転勤でいきなり「西ノ島に住むことになった」と言われたことが、くらしアトリエの活動においても、自分自身の生き方においても、大きな転機になりました。

そもそも、私と西ノ島は以前から不思議と縁があったのでした。大学4年生の時、卒業論文のテーマを民俗学ゼミの教授に強制的に決められたのですが、それが「お盆と精霊船」でした。出身地である鳥取県で、初盆の家が船大工に作ってもらった小さな船に供物を入れて港から流す、という送り盆の行事が行われているからです。

そして、教授から「同じようにお盆に船流しをする島が島根にあるから、行ってきなさい」とこれも強制的に決められた調査地が西ノ島町でした。

お盆の西ノ島にフェリーで渡り(帰省客でとんでもない大混雑でした…印象は最悪)、お盆だから普段はお休みしている民宿に無理を言って泊めてもらい(一人旅のおじさんと2人きりでごはんを食べさせられた、これも苦痛だった…)、フィールドワークで島のあちこちを訪れ、船流しの行事を見学し、島民の方にインタビューしました。思えばこれが私の初めての「取材」でした。

船流しについて興味のある方は、「西ノ島 シャーラ船」で検索してみてくださいね!

まさかその船流しを、子どもたちと一緒に見ることになろうとは…まして、仲良しのご家族の漁船に乗せていただき、海から行事を見ることになろうとは、当時の私は考えもしませんでした。

時が経ち14年前、西ノ島への転勤が決まった時、正直「まじか~」と思いました。ネットがスムーズにつながるのかも分からなくて、「くらしアトリエ」を立ち上げよう!と血気盛んだった私たちの出鼻をくじかれた気がしたのです。祖父などは「何も悪いことをしとらんのに、島流しに遭うなんて」と嘆いたほどです(時代錯誤も甚だしいですが、事実です…)。

でも、いざ引っ越してみたら、島での暮らしは本当に楽しかった。大学時代に訪れたときには分からなかった豊かな自然や人の温かさにも触れることができ、何より子どもたちにはかけがえのない3年間でした。ないものや不便なことも山のようにあったけれど、その制約が逆に、生活を工夫するヒントになりました。

人はどこでも楽しく生きていける。その土地にあるものを知り、楽しむことが、暮らしを豊かにする何よりの方法だ。そんな「生きる極意」を私は島での生活で学ばせてもらいました。

だから、隠岐の素晴らしさについては人よりもずっと分かっているつもり。それでも、隠岐の産品があまり施設に置いていないのは、やっぱり隠岐の魅力は自然の風景と海の幸にあり、それは直接島を訪ねて感じてもらいたいと強く思っているからです。

なので、施設に来られた方で隠岐に興味がおありの方がおられたら、魅力を精いっぱいお話させていただいています。隠岐に住んでいた方、隠岐ご出身の方とお会いしたら、テンションが上がります!まだ行ったことがない、という方のほうが圧倒的に多い土地ですが、だからこそ、「一度行ってみようかな」と感じていただけるよう、シマシマしまねがその魅力の中継地点みたいになれたら、と思っています。

これから、隠岐はいい季節になります。今はきっと知夫里島にノダイコンの花が群れ咲いていることでしょう。キャンプもよし、釣りもよし。5月下旬にはウォーキング大会もありますよ。夏場は海が最高にきれいだし、展望台から見える夕日や、のんびり草をはむ牛や馬にも会うことができます。

大きなホテルはほとんどありませんが、海の幸を堪能できる民宿があります。そこでしか食べられない魚介類、新鮮なおいしさをぜひ、楽しんでいただきたいです。

ちなみに、シマシマしまねのロゴマークにある王冠は隠岐がモチーフです。王冠のように光り輝く島根の宝物、という思いを込めて。

…書いていたら私も隠岐に行きたくなりました。皆さんもぜひ一度、隠岐の自然とおいしい海の幸を楽しんでください!


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