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「子育てで地域に貢献」という考え方

くらしアトリエを立ち上げるきっかけのひとつは、自分たちの子どもの存在でした。

それまで「島根なんて何もない、不便なところ」「おしゃれなお店もないし、交通も不便だし」と、マイナスなことばかりを考えていた私たちですが、子どもを産み、育てる過程で「季節をきちんと感じられる人に育ってほしい」と考え、自然に触れ合う場所に家族で出かけることが増えました。また、食べるものにも今まで以上に気を遣うようになりました。

そしてその中で、「もしかしてここは、都会の人がお金を払ってでも体験したいようなことが、身近にわんさか転がっている、とても豊かな土地なんじゃないか」ということに気づいたのです。

一度そのことに気づいたら、目の前の景色が今までとはまるで違ったもののように、美しく感じられたことを覚えています。

12年前、「くらしアトリエ」を立ち上げたとき、子どもたちは保育園に通っていましたが、イベントの場所決めや打ち合わせなど、可能なときには子どもたちを連れて出かけました。

子どもたちが嬉々として過ごせる場所なら、イベントの会場にもいいだろうな、と思ったし、母親が地域を拠点に仕事をしようと奮闘しているところを見てもらいたいなという気持ちもありました。

私は隠岐に暮らしていたので、そんな時はフェリーに母子3人で乗って、わくわくしながらの親子旅です。

母親が机に向かって話し合いをしている中、子どもたちは隣の公園で遊んだり、はたまた机を出していただきお絵描きにいそしんだり。ありがたい環境だったなーと思います。

いま、子どもたちはNPO活動を理解してくれ、地元に対する誇りもしっかりと備わった高校生になりました。

自分の周りにも、「不便よねー」「つまらない場所」「何もない」と言っている大人はまだまだいます。

でも、「こんなところ、何もなくてつまらない」と言って子育てをするのと、「素晴らしいところだよね。ここで育ったらきっといい人生が待ってるよ」と言って子育てをするのと、どちらが子どもにいい影響があるでしょう。

おいしくて新鮮な野菜やお魚がすぐそばにあり、苦労しなくても手に入れることができるありがたさ。

街なかから少し離れるだけで、壮大な海が望め、雄大な山がそびえ、自然の豊かさ、厳しさを生活の中で感じ、糧にできる土地。

手仕事の文化が身近にあり、「手間をかけること」の意味を身をもって知ることができる環境。

「子どもは地域の宝」と、あたたかく見守ってくださる人たち。

これらの「豊かさ」が、子育てにおいてどれだけ母親の後押しをしてくれるか、考えてみてもらいたいなと思うのです。

将来的に子どもたちが県外に出ていったとしても、その土地土地で「島根っていいところなんです」と発信してもらうこともできる。

また、一度外に出て知識を得、幅広い視点を身につけたうえで、再び島根に帰ってその知識を還元してもらうこともできるんじゃないかなと思います。

島根にいてもいなくても、それぞれの視点から自分のバックグラウンドについて考え行動することは、将来の地域にとってすごく強みになるはず。そんな子どもに育ってほしい…と思うのです。

だから、地域をよりよくするためには、母親の役割がとても大きい!みんなもっとそれを自覚してほしい!というのが私たちの持論です。そういう地域貢献もあるんだ、と意識すると、地域への見方も少し変わってくるかもしれません。



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