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椅子職人。くらしのギャラリー本店

2018.08.02.    

開催中の「小島 優 椅子展」。
最初の3日間、小島さんが在店してくださいました。
実演で作ってくださったのは、四つ足のショートスツール。

篠山から普段使っている道具や小型の旋盤も持ってきてくれて
店内に小さな工房ができあがりました。
まずは脚作り。

角材の状態に刃物を当てて削ります。
「この辺に山を残して、この辺はくびれをつくる。」とか、
おおよその印もつけることなく、ためらいなく刃物をあてます。

角材にみるみる綺麗な曲線が生まれます。

旋盤加工もみるみる施されていきます。
2本目からは旋盤加工の位置だけ印をつけて
あとは感覚で!
他の脚と揃うのだろうかという半信半疑は驚きに変わり、
4本見事に揃いました。

座面は手斧(ちょうな)を使って、ガシガシと削られていきます。
おおよそ残す縁だけ印をしただけ。同じポイントに刃先があたり
荒々しくでてくる木屑。

脚を差し込む穴をハンドドリルで。
角度の目安をつけたら、これも感覚で!

穴をあけた座面の裏は、鉋で仕上げます。
小島さんの使う外国の道具は機能的で、
日本の鉋のほど経験を重ねた技術がないと扱えない、
というものではないとのこと。
(とはいえ、難しいことに変わりありません。)
スツールは特に、裏面に触れることも多いです。
小島さんは、裏面の仕上げも大切にされています。

1991年、10代で渡英して27年。
椅子を作り続けて積み重ねた経験値を今回の実演から感じました。
座面になる木の素材(幅や奥行き、厚さ)を見て、全体像をイメージするという小島さん。
椅子は「くつるげるもの」、と背やアームを決めていきます。
ただの感覚ではなく、イギリスで学んだことや多くの失敗の積み重ねを経た
経験から出来上がる椅子は、ゆったりとくつろげるホッとする椅子です。
ゆっくりと時間をかけて座っていただきたい椅子です。
展示会は5日(日)の18時まで。
暑い日続きますが、ホッとしにいらしてください。

山本