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クレド岡山のセレクトショップ「douce」で出会ったRieさんの作品~ゴッホとの繋がり〜

岡山市の高層商業ビル、クレド岡山一階にあるお店「douce(ドゥース)」は、店主の迫田美加子さんが、こだわりの工芸品や雑貨を集めたセレクトショップです。他のお店と違うのは、迫田さんが美術館や博物館で活躍する専門職、キュレーターの資格をお持ちなので、店頭の商品が皆、アート性を帯びていることです。「かわいい!」「きれい!」「すてき!」・・なだけではない、作者の奥深い精神性が感じられる一品ものの作品が、センスよくディスプレーされて、店内は、さながら、アート・ギャラリーの様相を呈しています。

迫田さんは、その審美眼を生かして、才能のある無名のクリエーターを発掘されています。誰もが立ち寄るレジ近くには、謎のクリエーター、Rie Kondouさんのポストカードが展示されていました。その華やかさを抑えた、マットでノングレアな色彩に惹かれて、複数枚手に取りました。

謎のクリエーターRieさんのポストカード

画像は、その中の一枚です。

Rie Kondou・作

作者の居室の一角を描写した作品のようです。花柄でワインレッドのアンティークなソファーと本棚が描かれており、知的で聡明な大人の女性の存在が予期されます。本棚の上の額には、「Peace」と記されています。

作品は、見たままを写生したのではなくて、空間がデフォルメされ、遠近感が強調されています。
・・繫がったのは巨匠ゴッホが、南仏アルル滞在中に自らの居室を描いた作品「寝室」です。

フィンセント・ファン・ゴッホ 作「寝室」1888年 ファン・ゴッホ美術館(アムステルダム)*

ゴッホの作品は色彩が鮮やかで、Rieさんの作品とは対照的ですが、空間表現は共通していて、Rieさんの作品の背景にゴッホの精神が住んでいるかのようです。そんなRieさんの作品を見出した迫田さんは、さすがだなあ~、と感心しました。


*ニーンケ・デーネカンプ、ルネ・ファン・ブレルク、タイオ・メーデンドルプ 著(鮫島圭代 訳、千足伸行 監修):ゴッホの地図帖 ヨーロッパをめぐる旅. 講談社. 2019, P142-143.

ゴッホの地図帖 ヨーロッパをめぐる旅. 講談社. 2019


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