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海野千尋さんの作品紹介

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海野千尋さんによる造形作品の紹介をまとめてみました。
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記事一覧

海野千尋さんによる陶布人形の、お披露目会

我が家の楽屋に新人俳優が4人加わりましたので、お披露目のために、初めての撮影会を行いました。ポートレイトに添えたのは、俳優の目と同じ色の花々です。 まず最初は、「空を見上げている子」です。薄ピンクの髪とオレンジ色の目が印象的な、不思議さんです。 つづいては、「寒がりやさん」です。黄緑色の目が、涼しげで鮮やかな印象を感じさせてくれます。 3人目は、「菫色の瞳をしたお話し上手なお姉さん」です。2色のパープルの目が、魔法の力をもっているみたいです。 4人目は、「若武者くん」

海野千尋さんによる創作陶布人形の鑑賞〜故・大滝詠一への小さな鎮魂〜

造形作家、海野千尋さん渾身の、3作目の創作陶布人形「菫色の瞳をしたお話し上手なお姉さん」です。 鑑賞していると、観る確度によって、人柄が違って見えます。 すると、故・大滝詠一が唄う楽曲、「ペパーミント・ブルー」*が立ち上がって来て、耳元でリアルに想起されました。 「斜め横の椅子を選ぶのは この角度からの君が とても綺麗だから・・」 2013年12月30日急逝、享年65歳でした。今の時代では若くして亡くなった、愛惜すべき才能、大滝詠一への小さな鎮魂となりました。 *作

海野千尋さんの陶布人形による村下孝蔵の楽曲世界の再現

先日、ふと、前触れもなく、医学生のころ聴いたシンガー・ソングライター村下孝蔵の楽曲が降りてきました。 村下孝蔵は、1999年6月24日、脳出血で急浙しています。46歳の若さでした。 筆者の持っていたアナログメディアはすでに失われていましたので、CDのベスト盤を新たに購入して聞き込みました。当時は、年号が昭和でしたが、時代が一周回って、令和の今、筆者の耳に馴染む名曲ばかりです。 そんな懐かしい村下孝蔵の楽曲を海野千尋さんの陶布人形で再現してみました。 まずは、「初恋」(1

海野千尋さんの創作人形によるエドゥアール・マネの絵画世界の再現

海野千尋さん作の創作人形、「ほんのり桃色のお嬢さん」が我が家にやって来たので、早速SNSデビューしてもらうことにしました。題材に選んだのは、エドゥアール・マネ最晩年の傑作、「フォーリー=ベルージュのバー」です。 フォーリー=ベルージュは、パリのミュージックホールで、多彩な催しもので人気を博していました。本作品の舞台は、その一角にあったバーです。 エドゥアール・マネ「フォーリー=ベルージュのバー」1882年1) 芸術家の森村泰昌さんは、自身が扮したセルフポートレートによっ

海野千尋さんの創作人形による小林悦子さんの重層的な絵画世界の再現

小林悦子さんは、パリで活躍する日本人アーティストです。その表現は、多彩で重層的です。森の先住民のようなイメージや、森の野獣、異界の獣、都会の構造が作品の中に重なり合います。 そんな小林さんへ、リスペクトを込めて、海野千尋さん作「ほんのり桃色のお嬢さん」のデビュー作第二弾を企画しました。 第1部 モチーフは、アートギャラリー・ビョルンで購入した、小林さんの「ヨルノニヲイ。」です。12cm×12cmの小品で、日本へ空輸された最新作です。 小林悦子・作「ヨルノニヲイ。」20

戦没画学生、原田 新による人物画の時空を越えた投影~海野千尋さんの陶布人形を媒介として~

2022年5月17日~7月10日まで、岡山県瀬戸内市の瀬戸内市立美術館では、特別展「無言館展~戦没画学生魂のメッセージ~」が開催され、「無言館」の収蔵作品80点が来岡しています。 「無言館」は、1997年長野県上田市に開設された私設美術館で、若くして戦争の犠牲になった画学生の作品を全国より収集・保存・修復をしています。 5月28日には、窪島誠一郎・館長による講演会がありました。 戦没画学生による遺された作品のほとんどは、出品の機会も無く、家族や親族が守り抜いてきました。し

「チハルさん」~海野千尋さんの陶布人形による波乱の半生の再現~

チハルさんは天才アーティストです。 溢れる内的なイメージを日々、アート作品にされています。 それは、かの天才芸術家、岡本太郎のような爆発的なものではありません。 チハルさんは、子供の夢のかけらがいっぱい詰まった、平和で、明るく、軽やかな絵を描かれます。 それは、泉が湧き出て、川となり、せせらぎが川底の石とぶつかってできる小さな波紋が織りなしてできる模様のようです。 そんな画風とは裏腹に、その半生は、次々と降りかかってくる、苦難の連続でした。ご本人がホームページのプロフィ

フェルメールの風景画「デルフトの眺望」の再現〜石原路子さんのテディベアと海野千尋さんの創作人形による〜

フェルメール作「デルフト眺望」は、世界で最も有名な風景画の一つです。オランダの商業都市デルフトを、市街南端のスヒー川から眺めた構図になっています。市街の景観には、旧教会、市庁舎、時計台、新教会、ロッテルダム門といった、多くの尖塔がそびえているのが見えます。 フィルメール・作「デルフト眺望」1660-61年 マウリッツハイス美術館1) 手前の川岸には、複数の人物が描かれています。すなわち、右側には二人の女性が向き合って佇んでおり、左端には、船に乗ろうとする夫婦と、それを見送

バリさん2〜バリさんの「らいおんハート」〜

広島県福山市在住のハンドメイド没頭家、バリさんのハートは、「らいおんハート」です。バリさんは、それを作品で表現しました。 さて過日、岡山市中区のギャラリー陶佳で池田動物園開園70周年記念のAnimal Art展が開催されましたので、出かけて来ました。 会場のギャラリー陶佳には、オーナーの土井佳子マダムが趣味の良い調度品で設えたカフェ室が併設されています。 マダムがカウンター越しに煎れてくれたお茶を飲みながら、在廊中だった刺繍作家の黒田よし子さんを交えてアート談義をしてく

アートの世界で出会った印象深い2組の夫婦の物語~チハルさん・バリさん夫妻、ヨシコさん・ぶるーす さん夫妻~

アートの世界で最近出会った、2組の印象深い夫婦を紹介します。 まず紹介するのは、チハルさん・バリさん夫妻です。 チハルさんは、広島県福山市出身の天才アーティストです。夫のバリさんは、かつて会社員で、安定したポジションで仕事をしていました。 ある時、バリさんの部下として、チハルさんの妹さんが配属されてきました。妹さんが「うちのお姉ちゃんと会ってみたら」とチハルさんをバリさんを引き合わせました。二人は恋に陥ち、夫婦になりました。 結婚後もバリさんは会社勤めをして、チハルさ

入川千春さん家の誕生日サプライズ

福山市の入川家では、新しい家族を交えて、1カ月遅れで千春さんの誕生日サプライズがありました。 パラレルワールドのイリカワ家でも、誕生日サプライズ中です。 どちらの家族も、とても、しあわせそうです(^_^)。 追伸:新しい家族のcocoちゃんです。

桜餅の香りがする花、リューココリーネ・カラベルによる、春待ちのセレモニー 〜海野千尋さんの造形作品とのコラボレーション〜

桜の葉はそのままでは香りませんが、塩漬けにすると細胞から芳香成分が漏れ出して、甘酸っぱい、少し冷んやりとした風に頬をなでられるような、ちょっぴりざらついた皮膚感覚がする、臭いがします。表題の画像は、塩漬けの桜葉を巻いた関西風の桜餅です。桜餅の臭いは、生命力が発露する、春を象徴する香りです。 早春に出荷されるリューココリーネ・カラベルは、桜餅の臭いがする紫色の花です。盛春の花、すみれよりも先に出てきて、春の訪れを告げてくれる、切れ込むような鋭利な生命力のある花です。 そんな

久保田寛子さんのトルコキキョウの静物画作品と海野千尋さんによる紫の瞳と髪の色をした陶布人形をコラボしてみました。・・とてもしっくりと馴染んだ風景です。・・海野さんの造形作品は、トルコキキョウの妖精なのでした。

エゴン・シーレ展に行ってきました〜我が家の小さな俳優達による絵画世界の再現〜

東京・上野公園の東京都美術館では、「レオポルド美術館 エゴンシーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」(2023.1.26~4.9)が開催され、会期が終盤を迎えていました。 花見のシーズンを避けて、会期最後の週末に東京行きを決行しました。4月8日の朝5:34分発の電車でJR倉敷駅を発ちます。 9:30にJR上野駅に到着し、かつて大学に所属していた頃、東京出張のときに行きつけだった喫茶室ルノアールのアメ横店に向かいます。 さっそく、豪華なモーニングセットをいただきました。 店