深夜のコンビニ

ひどい1日だった。

昨日仕事で、あり得ない量のタスクを渡されて、

「これを完璧に覚えてきて。」
「明後日から独り立ちしてもらう。」
「出来ないなら会社の損失になる。周りにも迷惑をかける。」
「何故、出来ないといえるの?」

と、言われた。
その会社全員が通っている道だから大丈夫らしい。根性でいけるらしい。



今日は休みの日だったが、朝9時に起きてから体がピクリとも動かなかった。
頭が酷く重かった。
23時ごろになって、やっと体が動いてきたので、何か腹に入れる物を買いに、コンビニに行った。

道中、雨が降っていたけど、普段着を着てチャリで行った。
だから体がびしょびしょになった。
何も考えられなかった。

別に食べたくもない酒とペヤングを買う事にした。
酒が入った冷蔵庫の前に来たけど、どの酒を選んだらいいのかわからなくなって、立ち尽くした。
何もワクワクしなかった。

本当に何も考えられなくなっていた。
いよいよ自分ももう、ダメかもしれない。


ふとみると、隣で20代ぐらいの男の人がぼーっと冷蔵庫を見つめていた。

無造作な顔に服装。そしてびしょびしょで、手ぶらで立ち尽くしていた。
何を買えばいいのか、わからないようだった。

自分に近い人のように感じた。
人生が詰みかけているのは、自分だけじゃないのかもしれない。
そう思うと、ほんの少しだけ心が軽くなった。

このコンビニの近くに住んでいるどこかの誰かに、少し共感をしてその場を後にした。



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