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釧路で見つけたキーワード

木曜日の夜から釧路に来て、フィールドワークを実施しました。大学院の研究や仕事として946BANYAというコミュニティスペースや釧路の街を探索し、関係者の方にインタビューさせていただきましたので、そこでの気づきをnoteにまとめたいと思います。


コミュニティをもっと知りたい

先日「コミュニティの不思議」というnoteを書きました。このnoteではコミュニティ内で起きる「ギブ&テイク」や、その振る舞いをする人たちであるギバー・テイカーという枠組みで整理しました。また「そもそもコミュニティ運営は楽しいからやる!」というシンプルですがパワフルなフレーズを発見することができました。他にもコミュニティに参加することのコスパ・タイパ、組織としてのコミュニティなど新たなキーワードを発見しました。

もっともっとコミュニティのことを知りたいと思い、今回はコミュニティのリアルな現場を訪問し、現地の方にインタビューさせていただくことにしました。

今回訪問したのは、北海道釧路市にあるコミュニティスペース「946BANYA(クシロバンヤ)」。946BANYAはHokkaido Design Code(以下、HDC)さんが運営しており、HDCの四宮琴絵さんに相談して実現しました。

しかも今回の訪問は、ジョイゾーさんの新人研修、946BANYA1周年パーティー&スナックジョイゾー合同開催、ダイヤモンドプリンセス号の釧路寄港などなどタイミング的にも様々な人が集まる良いタイミングでした😊

フィールドワーク

今回のフィールドワークでは、946BANYAで活動している方にインタビューしたり、そこで実施されるイベントに参加したり、釧路周辺を散策することで様々なインプットをすることができました。

インタビュー

インタビューでは、946BANYAに関わるようになったキッカケ、そこでの活動やその想い、今後やってみたいことなどをヒアリングしながら、話しの流れに任せてご本人に色々と語っていただきました。

946BANYAが入居する建物は「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」という複合商業施設で、釧路では誰でも知っているランドマーク的な場所とのこと。このMOOだからこそできていること、MOOだから人が集まるということがあるようです。一方で、東京や大阪、札幌などの大きな都市部とはもちろん異なりますので、それに関する気持ちの違いなどもお聞きしました。単に「むかし栄えていて現在は人口が少なくなってきている地方都市」というカテゴリではなく、「釧路」「MOO」「946BANYA」という固有名詞で語っていたのが印象的でした。

次に印象的だったのが「人をつなぐ」というキーワードです。946BANYA自体がコミュニティスペースであるので人とのつながりが生まれる場所ではあるのですが、それが自然に立ち現れるような仕組みがあったりイベントが開催されていました。また、別のコミュニティともつながることで双方のコミュニティが活性化するということもあるそうです。ただ「人のつながり」というキーワードはやや抽象度が高くもあるので、これについてはもう少し深堀りしていきたいと考えています。

もう一つが「学ぶ」というキーワードです。これも大きなキーワードなので少し整理すると「知識習得ではなく知識交流」、「計画的な学びというよりはそこにある学び」、「学びの関係性が流動的」などの特徴がありそうです。これらは「学校などで実施されるフォーマル学習」や「生活の中で身につける経験であるインフォーマル学習」とは異なり、その中間にあるようなノンフォーマル学習と言えるかもしれません。(これについては以前書いたnoteで引用したサイトを再度引用します。) 

上記Webサイトより
https://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/ylab/2015/06/post-582.html

これから更に詳細にインタビューを分析していきたいと思いますが、まずはやっぱり現地に行って実際に対面で話を聞けて良かったな、というのが実感です。

946BANYA1周年パーティー

この日は夕方から946BAYNA1周年パーティーが開催されました。946BANYAにはメンバーシップと呼ばれる会員制度があるのですが、そのメンバーシップの方が30名近くの方が参加して大盛況の会でした。19:00開始ではありましたが、21:00ごろから参加する人もいて、「1周年パーティーに参加」というより「仕事帰りにいつも通り946BANYAに寄った」というのが近いのかも?と個人的な感想を持ちました。

集まった人たちは、お互いに知っている人もいれば、初めましての人もいますが、「誰一人知っている人がいない」という状態にはならないので、一人で参加しても遅れてきても安心感がありそうです。ここにも「人をつなぐ」のヒントがありそうです。

食事は、施設内にある飲食店からの出前(?)と、近所の市場で仕入れたゆでガニ(!)、そして日本酒やクラフトビールなどです。乾き物のスナックだけでもなく、飲食店で開催するわけでもなく、運営メンバーがすべて準備するわけでもない、そんな会でした。準備や後片付けなどもみんなでやっていて、コミュニティスペースならではのパーティーだと思いました。

ちなみに、この日は東京のジョイゾーオフィスで毎月開催されている「スナックジョイゾー」というイベントと946BANYAを「」と呼ばれる縦型大型のテレプレゼンスシステムで中継し、東京と北海道の900kmの距離を超えて合同開催となりました。

釧路散策

翌日土曜日は朝から釧路散策をしました。天気が良くて風が穏やかであれば湿原カヌーツアーのの予定だったのですが、あいにく風が強くて予定変更。とは言え、和商市場で朝食、釧路湿原の見学、釧路市内のビュースポットをめぐり、猛禽類医学研究所へ。私は飛行機の時間がありここで失礼しましたが、他にもまだまだ見どころがありそうです。(北海道の移動は、自由度が高いレンタカーが便利かもしれませんね。)

個人的には釧路湿原の景色は感動しました。風が強くて寒すぎたのでさっと行ってさっと見て帰ってきましたがw

釧路湿原国立公園 細岡展望台より

キーワード「ライフプロジェクト」

最近読んでいる「日々の政治」に「ライフプロジェクト」というキーワードが出てきます。

この本ではライフプロジェクトを以下のように説明しています。

ライフプロジェクトとは、「さまざまな話し合い(さらにそこから生まれる多様なかたちの社会)に参加し、自分の生活環境で目的を持って構想し、実行する人が実施するもの」で、その生活環境とは、人を取り巻く自然や物理的環境、生き物全般を取り巻く生物学的環境の両方を含む。

エツィオ・マンズィーニ. 日々の政治の内容を元に倉林編集 

今回、946BANYAを訪問し、現場でインタビューをすることで気づいたのは、参加している人が自分の意志で参加している、ということでした。「自分の意思」というともしかすると大げさかもしれませんが「自分のタイミングでの選択」ぐらいでも良いかもしれません。そしてその選択の結果は必ずしも自分ひとりで部屋にこもって決める必要はなく人と話しながら決めていく、そしてその結果も自分ひとりで背負い込む必要はなくみんなで分かち合っていく、そんなイメージが浮かびました。この活動自体がまさにライフプロジェクトではないかと感じました。

このライフプロジェクトが、日々の生活とどのように関係するのか?日々の仕事とどのように関係するのか?それぞれのライフプロジェクトが集まったときにどのような動きが現れるのか?探求したいところです。

美味しい食事

さてフィールドワークで普段とは違う場所を訪れた時の楽しみが、現地での食事😋!ここからは写真で一気に振り返ります!

あこがれの「スナックあわ家」のお寿司!
刺し身も美味しい!
こちらがあわ家
続いて「かど屋」へ
つぶ貝とラーメンを頂きました!
翌朝はこちら「鮭番屋」へ
鮭イクラ親子丼(これは小!!)
ろばた焼き〜
お昼はMOO内のレストランで
ジンギスカン!
1周年パーティーはカニの写真しかなかった。。。w
3日目の朝は和商市場の勝手丼!

現時点のまとめ

コミュニティやそのコミュニティスペースと一言で言っても(当たり前ですが)千差万別。頭では理解しているつもりでも、どうしてもパソコンや本に向かっているだけでは、その対象を抽象的に捉えてしまいがちです。今回は現場にいって、現場の人と話し、現場で交流することでいい刺激をいただきました。大学の視察じゃなくてもシンプルに楽しかった。

とは言えこの内容をそのまま日記にしても単なる1事例にしかなりませんので、コミュニティとは何なのか?946BANYAとは何なのか?そこから得られる発見とは?を見つけていきたいと思います。


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