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”クラカノコの美少女画”とは、絵踏されない宗教画。

※新作への想いを語った追伸を追加しました2022.08.19


はじめに。

私はエンドロールが好きだ。もっというと、カーテンコールも好きだ。

”おわりのはじまり”が大好きで、絶望も幸福も全ての美しさをまとっているとおもうから。

役名と肩を並べて流れる文字は、映画というフィルターを外されて、ストーリーの顛末の雰囲気を漂わせながらも、芸名が役名をくらう瞬間。

絶対に微笑まない死体が、ニカッと笑うカーテンコールは、少しだけ喜劇にみえる。

「ああ、きっとわたしは、怖いんだ」

だから、誰かの言葉を借りる”役者”という存在に、猛烈に嫉妬する。

いいな、いいな。

容姿の美しさよりも、彼ら彼女らの人生に違う人生を生きたという事実が融合しているから。

逃げ場のようで、処刑場みたいなのに、みんな当たり前に熱い視線を向ける。

この人達は、まるで舞台の上じゃないと、カメラの前じゃないと息ができない病気みたいだ。

それは絵を描かないと死んでしまう、絵を描くために生きている私とちょっと似ている気がする。そう見える。

でも、わたしは演劇を少しやっていたから分かるけれど、それは似て非なるものだった。

だから嫉妬なんてしなくていいのに。

いつでも舞台を観るときは馬鹿みたいに感覚の全てで吸収しようと、躍起で両の目を開いて髪を耳にかけて息を潜めて酔いしれている。

絵を描いている時と同じで、快楽物資がドバドバ出てきて、なのにゆらゆらとした理性が残っていて少しぎこちない。

客席とステージは手を伸ばせば届くのに、物理的距離と心理的距離がここまで離れているものを現在進行形で味わえるって、わたしは他に知らない。

だから好きなのかもしれない。


…話が逸れてしまった。本題に入ります。

”死後に作品が見つかればいいな”と思っていた人間が、現在、生きながら作品を発表し続けている。

これってどういう意味だと思う?

お金に目が眩んだ?承認欲求に負けた?社会へのアンチテーゼ?

どれも全部違うのに、NFTのせいだ。

人生を生きるのに夢中になりたくはなかったのに、大切な人たちなんて誰一人作らなくて良くて、恋人も必要なければ友達も子供もいらないって、そういう価値観を持つことで、鈍感で残酷で無慈悲な社会から自分を守るため、防御力をいつも最大値にして引きこもっていたのに。

不特定多数に叫ぶように柔らかい部分を晒して、人前で泣いて。

NFTを始めてからは、まるで自我が芽生えて戸惑っている赤ちゃんみたいに、闇雲にもがいている。

わたしはずっと、主張を言わずに人に合わせるという生き方で嫌われないようにしながら、人影に隠れて誰か気の強い人にターゲットにされないように生存戦略を遂行して来たわけだけど、表現者として立つからにはしっかり意見を持って活動するべきだなって絵を描けば描くほど、わたしの絵を買うほどわかってくれる人が増えていけばいくほど、無視なんてできないくらい実感する。

絵以外の自己肯定が分からずに、わたしの声に反応してくれるだけでありがたくて、だから周りに常に遠慮してしまって、誰も傷つけないようにしようって、全世界に配慮して喋って書いて、言いたい事が指先や口の中で絡まっている。

批判されるのが怖くて壁を作って防御して、更に萎縮しての悪循環。

その状態で発したものが”わたしの真の言葉”になるなんて、もうそろそろ耐えられない。

今までの言葉は全て嘘じゃないのに、どこかずるい言い方になってしまうような、自分だけが汚れない外側に居るような、言いようのない罪悪感が芽生えている。

言語化が難しいんだけど、伝わってるかな?

わたしの信念とか反骨精神とか、そういうものもきちんと音声に関わらず言葉で伝えないと、誰かの表現や思想に、共感や相対も出来ないのに、わたしが本音をするりと出せないから、マイノリティにも属せない窒息感で息ができなくて困ってしまっている。

そして、そういう自分が唯一、心を裸で晒せる”絵”を武器や盾にしてきたけれど、自分の絵にまで”世界中への配慮”が及んでしまったら、きっとまたわたしは不安障害が悪化して体調を崩してしまうし、絵を描けなくなってはそれこそ生き抜く意味、肉体を維持する意味がなくなってしまう。

なのに、完璧主義や不安障害がわたしを現実に引き戻す。配慮、遠慮、おべっか。

もっと、ひどい言葉を使って本音でぶつかれたら、いいのに。

喧嘩が怖くないくらい、慣れたらいいな。

アドラー心理学の”嫌われる勇気”って本をあれだけ読んだのに、人生に活かすのは難しい。

でも本心からのひどい言葉で、私の醜い部分とか性格の悪い部分とか、だらしない部分を見せて、そのせいで私のことを嫌いになってしまった人と、優しさを使ってお別れとかを、当たり前にしてしまえたらいいな。

やっぱり、喧嘩はしたくないけど、でもそういう醜い美しさが欲しいな。

勇気が足りないね。


絵を描いて、Twitterで見せると、いつも思うことがある。

あなたの目に映っただけで、わたしの絵はあなたの人生の一部になって”もう手のつけられない過去”になってるんだなって。

芸術みたいな、真似っこ。

だからその先なんて、わたしは一ミリも望んでいないと思ってた。

絵だけがわたしの全てで、毎日絵が描ければ良かった。

でも、わたしのことを芸術で支えてくれた、女神みたいな人が昨年末に亡くなってから、”生まれ変わったらアイドルになりたかった”と言っていた事を知って、わたしは気がついてしまった。

死を受け入れること、奪われた気持ちになってしまったこと、納得しないまま生きること、全てが分かったつもりだったけれど、わたし彼女を”わたしを救った女神”にしてしまった瞬間から、”女神と同じ時代に生きる喜び”を永遠だと思ってしまって。たぶん一生その勘違いは頭で制御するばかりで心は変わらない。

もう気付いてしまった、だから覚悟をした。

わたしは生きて誰かを救い続ける、同時に絵を一生描き続けて(本当は不老不死がいいけど)わたし自身も救い続ける。

高校生の頃の死にたい夜に彼女の音楽を聴いて絵を描いていたあの時と同じように、そうなれるように、女神に救われた”わたしの生命”を使って絵を描き続けるよ。

たくさん抱えてでも、死ぬほど辛くても、美しい芸術してくれてありがとう。わたしの憧れで居させてくれてありがとう。一緒にお仕事したいって思わせてくれてありがとう。

同じ時代を生きたことが誇りです。

女神がわたしのことを救ったのを知らないように、私も”知らない誰か”を、絵で圧倒させ続けて、救うよ。

死ぬのが惜しくなるくらい魅了する。

だから、わたしは怖いけど、不安障害も邪魔してきて、やっぱり超怖いけど、問題が山積した人生を使って絵を描くし、言葉を発するよ。

それは時に誰かにとっては不謹慎で非常識で配慮がないかもしれない。

残酷なのかもしれない。とっても罪深いのかもしれない。

それでも言う必要性や描く必要性があるから柔らかい部分を剥き出すって言い切りたいし、責任はちゃんと自覚しておきたいって思う。

あなたの心を刺して貫く。

それでもよければ一緒に来て欲しいの。

お互い、初めから少し軽蔑しながらお話しできたら、仲良くなれるかな。

『100%分かり合えないから、きっと長く話すと軽蔑するしされちゃうと思う。でもだけど生きてるから、もがいて芸術を愛す貴方はきっと尊いのだと思います。』って言えたらいいのだけど、まだ恥ずかしくて無理みたい。

絵で伝わったらカッコイイよね、できるかな。

全ての人に届かなくていい。

渋谷のスクランブル交差点やNYのタイムズスクエアをジャックできなくても、絵を描くことを続けていけば、それ以上のたくさんの誰かに届くと思うの。

わたしは、わたしの絵が好きだから、わたしの絵が好きな、あなたが大好きです。きっとあなたもそう。

見つけてくれてありがとう。

何かを失っても奪われても、同じ時代を生きたいね。

って言い合いたいね。


【追伸】

0426レイヤー結合状態前髪わけ

この文章を書いてからずっと同じ絵を描いてきました。

絵の良さと制作時間は比例しないと思っているのですが、とても長い時間がかかりました。

188時間、それだけ長く一つの絵に執着し愛してしまえることが誇りであり、わたしの弱さでもあり強さでもあると思います。

絵が売れるたびに、「また絵が描ける、嬉しい、わたしは生きるべきなのだ」と、そう思って活動してきました。

生きるという生活は、どうしようもない日も、信じられないくらい天才な日もあって、それら全てを絵に鏡のように写しました。

なので、タイトルは”Mirror”

神話のナルキッソス(水面に映る自分の姿に恋をしてしまい死ぬまで水面の自分の顔を見つめ続けた、ナルシストの語源)のように水面を見つめ続けるが如く、わたしはディスプレイを見つめてきました。

ずっとずっと絵を描いていい、描いていたい。

なので、今回1ETHという自分にとって特別な値段でオークションをスタートさせます。

未来のことはわからないけれど、わたしの過去は全てこの絵に繋がってたんだ、って勘違いをしていたい、そう願いを込めています。

本当はこの気持ちとか、新しく記事書こうって思ってたけど体力がなかったから追伸で勘弁してね。思ったまま書くには何かの最後がちょうどいい。少し整ってないけど、伝わりやすいだろうから。

絵を通して少しでも何か感じてもらえたら嬉しいな。


2022.07.14  クラカノコ

追伸 2022.08.19  クラカノコ

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