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私の50歳からの定年後の準備(その3:本を読む)

定年後に向けて、いよいよ具体的な準備を始めました。まず情報収集のために本を読みました。今回は参考になった本を紹介します。

定年後/楠木新

最初の本はその名もずばり『定年後』です。保険会社を定年退社後、文筆家になった楠木新さんが、自身の経験と多数のインタビューから定年後の現実を示し、充実したセカンドライフを送るためにはどうしたら良いかを書いた本です。

さまざまな事例から定年後の実態がわかります。自分はどう生きていくべきかを学ぶことができました。

「定年後、生き生きとしている人は若い人と交流している人。若い人に獲得したものを伝達していくのが大切だ」

これを自分は実践したいと思いました。

「定年後の目標はやはり『いい顔』で過ごすことだろう」。

たまたま本屋で出会った本ですが、とても感銘を受けました。

「働き方」の教科書/出口治明

生保の重鎮が定年を前に若い仲間と起業し、経験を活かして顧客視点で新しいビジネスを作っていく。出口治明さんは私の憧れです。

そんな出口さんの働き方に対する考え方をまとめたのが本書です。20代から50代まで、各年代ごとの仕事への心構えを語っていますが、特に50代へのエールが熱く、58歳の当時の私にはひとつひとつが響きました。

「元気に明るく楽しく」毎日を過ごす。

「人間の幸せは喜怒哀楽の総量」

「人生は一期一会。次の機会はなかなか来ない。だから迷ったら、行動する」

「学び、知り、考えることは、人間に生きる力を与える」ことだから、いくつになっても学ぶ。本を読む。現場に行く。

「50代は遺書を書く時代。仕事の本質の部分を次世代に伝える。成功体験は忘れ、普遍的なものを伝える」

「人間は次の世代にバトンタッチするために生きている」

「死ぬ直前に『あれをやっておけばよかった』と悔いることのない生き方をする」

自分も、次の世代に貢献できるように生きて、悔いのない生き方をしたいと思いました。

「シニア起業」で成功する人、失敗する人/片桐実央

起業を本格的に考えるようになった本です。

片桐実央さんは、花王で法務を担当していました。祖母の介護をきっかけにシニアの支援をしたいと銀座セカンドライフ株式会社を設立しました。ミドル・シニアの起業支援、レンタルオフィス運営、交流会の開催などをしています。

私は片桐実央さんのシニア起業セミナーを受講し、創業手続きを依頼し、銀座セカンドライフのレンタルオフィスを借りています。

シニア起業は、「ゆる起業」が良いと提案しています。

●ゆる起業五原則
1) 楽しいと思える
2) やりがいを感じる
3) 経験を活かす
4) 利益を追求しない
5) 健康が1番

起業は「好きなこと、やりたいこと」「得意なこと、できること」「お金になること、市場性のあること」の3つの円が交わることでやるのが成功の鍵です。

やりたいことは、
1) 自分の好きなこと、周囲から歓迎されること
2) 抱いていた夢
3) 得意だったこと、人から褒められたこと
4) やってみたいこと
5) ボランティア活動
6) 趣味、スポーツ
から見つけるのが良いそうです。

この本を読んで、いよいよ起業への準備を加速していきました。

絶対、起業!/斉藤雅裕

起業準備の本を4、5冊読みました。その中で一番良かったのがこの本です。起業に必要な手順や心構えなど必要な情報が詳しく書かれていて、とても参考になりました。

起業の基本的な流れがわかりやすく解説されています。
1)法人設立
2)社名を決める
3)会社の場所を決める
4)商標登録、社判など事務的な手続き
5)ホームページ作成

開業前の準備もとても参考になりました。
1)独立準備
・社名検討
・クレジットカードをつくっておく(カード審査が通りにくくなるからだそうです)
・事業内容を決める
2)退職手続き
・円満退職
・保険・年金の手続き
3)開業手続き
・定款作成、出資金払い込み
・法務局の登記手続き
4)開業準備
・物件を決める(オフィスが必要なとき)
・資金調達
・名刺、ホームページ作成
・設備・備品を揃える

このステップについては、私の事例をこのつづきで後ほど説明します。

本書の中の元気づけられた言葉をあげます。実際、今考えるとそのとおりです。

「企業のキーワードは『格好をつけない』。これに尽きます」

「困っている姿や、格好の悪い姿はさらけ出してしまう。そのことで、あなたに手をさしのべてくれる協力者が現れるはずです」

「起業に必要なのは、『絶対に起業したいという意志』だけ」

【番外編】55歳からのハローライフ/村上龍

これは実用書ではなく小説です。定年を迎えた人たちのドラマ。自分も身につまされました。妻をもっと大事にしないといけないと思いました。

5つの中篇小説です。どれも良い話です。ネタバレになりますがあらすじを書きます。

1)定年退職した夫が再就職に失敗し、一日中点けっぱなしのテレビに愚痴を言うようになったため離婚した女性が、結婚相談所で様々な出会いを通して新しい自分をみつける話。

2)定年間際にリストラになり、ホームレスになることに怯えながらお金のために交通誘導員をしている男が、父親とケンカして家を出てヤバイ仕事で借金をかかえてホームレスになった中学時代の友人に会う。病気で山谷の旅館を追い出されて瀕死の友人を長年会っていなかった母親に会わせる話。

3)定年後はキャンピングカーを買って夫婦できままな旅行を楽しもうと早期退職した豪腕営業部長が、妻にキャンピングカーを否定され、再就職にも失敗して不定愁訴になり、心療内科を受診するようになる話。

4)広告代理店を定年退職して一日中書斎でブログを書いている夫に嫌気がさし、一人息子が結婚して海外赴任になった寂しさから柴犬を買う女性。犬の散歩でドーベルマンを連れた男性と出会い淡い気持ちになるが、男性は妻を癌でなくしていた。ところが犬が病気になり一人看病するも死ぬ。ペットロスで心を病むが思いがけず実は夫が心配してくれていたことがわかり、夫との関係を見直す話。

5)ギャンブルと女遊びで自由きままに生きてきたトラック運転手が60を過ぎて人生を振り返る。古本屋で老いらくの恋に落ち、淡い付き合いを始めるが、告白を決意した日に女には難病の夫がいることを知り恋はやぶれる。失意のうちに死を決意して故郷に帰るが、そこで障がい者の旅行を支援するトラベルヘルパーに出会い、再出発を決意する話。

つづく


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