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【連載小説】犬と猫⑧

「雪くん。今日、どこに泊まるの?」
「今夜は適当な駐車場かな?車で寝るよ。シャワーはマンガ喫茶で借りる予定だよ」
「東京は駐車場……少ないし高いよ……家に泊まる?あっ!変な意味じゃなくてね。」
「嬉しいけど……子ども達に悪くない?」
「別に平気だよ。飲みにきた友達が泊まることもあるし……」
「そうなんだ……わかった。お願いしようかな」

 泊ることになったが、緊張しかなかった。心愛は、そういうけど内心厳しいのではないかよ思わざる得なかった。突然母親の彼氏が家に来るわけで子どもたちからしたら知らない男が来るのと同義なわけだ。もし、僕が子どもの立場なら嫌悪感を抱くかもしれない。やはり断るべきか?と考えながら車を走らせてると気が付いたら心愛の家に着いてしまった。心愛を車から降ろして裏のパーキングに車を止める。顔が強張ってることに気づかれてしまった。

「雪くん大丈夫?顔青いよ?」
「ちょっと緊張しちゃって。大丈夫……行こうか」

 そう言って心愛の後ろをついていく。心愛の家は駐車場あり一戸建てだった。玄関を入ると階段が伸びていた。階段を昇るとリビングに繋がっていた。リビングに心愛が入ると子ども達の目がこちらに集中した。

「真琉(マル)宇琉(ウル)ただいまー。」
「心愛 おかえり~」
「あっ!こちら心愛と付き合ってる小林雪那さん。今日から2日間泊まるから、よろしく」
「真琉くん、宇琉くん。よろしくね」

 2人とも気まずそうにしてはいたけどゲームに誘ってくれて、子ども達とスプラトゥーンをした。ゲームは不思議だ。やっているうちに気がづいたら仲良くなっている。

「雪兄ちゃん!もっとだよ!ほらそこ塗って!」
「えっ?!宇琉くん?どこ?あっ!ここか!」

 心愛は僕たちがゲームしてる最中は洗濯したり家事をこなしている。ふと気になったのか、2人に声をかけた。

「2人とも夏休みの宿題は?やってる?」
「たぶん終わる。いやギリギリかも」

 と、言いながら子ども達は部屋に言って宿題を取りに行った。リビングに子ども達が戻ってくると宿題を抱えていた。その中身は下の子である宇琉はドリルが残っている。上の子の真琉はレポートが残っているようでノートパソコンも合わせて持ってきた。2人とも、険しい顔で悩んでいた。そんな2人を見ていた心愛が、何かを思いついたように笑った。

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