ゆるふわ思考で、ほどよく働く=ダラダラするってことじゃない
「ゆるふわ思考で、ほどよく働く。」と聞くと、ソファに寝転がって、気が向いたら仕事する、みたいなイメージを浮かべるかもしれない。でも、そーゆーことじゃない、という話。
著者デビュー作の「書く習慣〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜」が話題になった”いしかわゆき”さんが、2冊目の本「ポンコツなわたしで、生きていく。 〜ゆるふわ思考で、ほどよく働きほどよく暮らす〜」を2022年8月24日に出版。
それに連動したオンラインイベントに、参加した。
このイベントで、聞いた話をメモっておく。
ふつうのことができない…
著者のいしかわゆきさんは、アルバイトで失敗の連続。社会人になっても、他の人がふつうにできることができない。あぁ私はなんで、ふつうのことが、ふつうにできないんだろう… そう思い悩んだ時期があったそうです。
詳しいポンコツっぷりは、こちらの記事に詳細アリです。
できないことに合わせて仕事を受ける
できない自分を、できる自分にしていくことは、ものすごい労力がかかります。というか、頑張っても”できる自分”になれないことだってある。
じゃあもう、できない自分に合わせて仕事をしていこう!と、完全に振り切ったいしかわさん。あのドラッカーも、ええこと言うてます。
フリーランスになってからの仕事を受けるルールは、以下のようなもの。
納期がきびしい案件は受けない
時間にきびしい人とは仕事をしない(遅刻してしまう自分に合わせる)
興味のないジャンルの仕事は受けない
「合わないなぁ」という直感がした人の仕事は受けない
「納期がきびしい案件」について
いしかわさんは、1日に1つの案件だけをやるようにしている。というか、そういうふうにしか仕事ができない。マルチタスクができない。納期がきびしい案件は、マルチタスクしながらやる必要があるけど、できないので受けない。
そして実は、いくつかの案件では「私にはウソの締め切りを教えて下さい」と言ってたりするそうだ。そのほうが頼む方も、ちょっと安心できるので双方にとって良い、と。
僕も納期がきびしい案件は、やらないようにしている。人間は、始める前は希望的観測で、それにかかる時間の見積もりが甘くなる傾向がある。脳科学のなんかでそういうのを読んだ。安請け合いは自分の首を絞めることになる。
「時間にきびしい」について
いしかわさんは遅刻をしてしまう生き物なので、それを理解してくれる人と付き合っていくことを選んだ。
以前の会社で、遅刻をしてものすごく怒られたそうだ。その後に広告の会社に行ったら、みんなものすごく遅れてくるし、集合時間に揃ってることのほうが珍しいという状況。そういう世界もあることを知った。
僕もこれは体験的に思う。フレックスになると、それぞれが自分のタイミングで出社をして仕事をしている。遅刻という概念がなくなって、ものすごく働きやすくなった。生きやすくなった。
以前に出社時刻が決まっていたときは、出社時刻に遅れそうで走ったりすることがあったが、このダッシュはなんのためのダッシュなんだ?と疑問でしかなかった。出社時刻の10分前に出社していれば、ダラダラと15分過ごしても、それはおとがめなし。なんだこりゃ?という違和感。
「興味のないジャンルは受けない」について
ライターって何でも書けると思われがち。でも例えば、SEOとかプログラミングとか、ゼロから調べないとわからないものは受けないルールにしているそうだ。
これは割と悩ましい話だったりもする。
ランサーズとかクラウドワークス等にある案件の多くは、WEBメディアかアフィリエイトを目的とした記事作成の案件で、アフィリエイト記事作成の多くは、どうしても特定の報酬が高いジャンルに偏る(人のコンプレックス系が多い)。でも、その特定のジャンルに個人的にはまったく興味がない場合がある。
自分はまったく興味がないけど、報酬が高いので、そのジャンルについて調べて記事が書けるように頑張るのも1つの道だと思う。スパルタでマッチョな発想の人は「書けるようになるまで調べて書いたらええねん!稼いだるねん!」と鼻息荒く自分にムチ打つようで、そういった発言も時折見かけるが、無理は長くは続かない。瞬間風速は、瞬間で終わる。
「合わないなぁ」という直感について
上記のアフィリエイトで興味のない記事を書くことと同じく、YouTube系の案件で、僕も悪魔に魂を売り渡しそうになったことがある。
あんまり興味がないテーマだけど、なんとか調べたらできそう。そして、単発じゃなくてYouTubeチャンネル収益に応じたマージン報酬もあって、儲かりそう。というか、確実に報酬が得られる流れを組み終わっていた。
でも、「なんか引っかかる。ヤダな。」という思いが最初からあった。
そしていよいよプロジェクト開始していきましょう、という段階が近づいてきた。準備段階としては95%ぐらいまで来た段階だったが、そこで割と大きな違和感を感じる発言がクライアントから出た。
ここで目をつぶって、そのまま前に進んでしまうのか?初期から感じていた違和感や引っかかる感覚に正直になって、95%まで準備を進めた段階で断るのか?非常に迷った。ちなみに準備には1ヶ月以上かかっているので、無駄になるリソースも大きいので、実に迷った。
結果として、断った。このプロジェクトを始めてしまったら、その後に自分自身が受け続けるストレスで、精神をすり減らして消耗していくことになるだろうと予想がついたから。そして、感じていた価値観の相違は、埋まることがないだろうと感じていたから。
その後は、やはり自分の選択が正解だったとわかった。
辞退を決めて、相手に伝えた後、体全体で清々しさを感じた。目先の報酬に気を取られて、知らない間に背負っていた余計な荷物をおろすことができた開放感で、脳がクリアになった。
それ以外にも、最初の直感が、後になって正しかったことを知ることが40年以上生きてきた中で多々ある。それは良い方でも、悪い方でも。こんな本もあるので、ご参考まで。
ゆるふわ思考は、すっぴん無敵思想
上記に挙げてきた仕事を受ける上での「やらないルール」を、講座内で例えていた話で、脳内にズバッとイメージをインストールできた。
ポンコツな部分は、もう「トリセツ」として見せてしまう。スペックはこのようになっておりますが、それでもよろしいでしょうか?よろしければ「お付き合い継続」ボタンを押してください。
それでOKを押してくれる人とだけ仕事をしていく。そういうふうに自分で決めてやってみる。
聞きながら自分のことを言われてるのかと思った。
僕も、割とポンコツでできないことも多い。でも、もう「アイツはそういうヤツだから」と理解してもらうような振る舞いを続けた。というか、そういうふうにしかできないのだけれど。
そしたら、「あのひとは、ちゃんとやらないから」と陰で言われていることもあったようだが、結果的には「そういう人」として受け入れられて、受け入れてくださる優しい方とのお付き合いが続いて、おかげさまでストレス要因をだいぶ減らしていくことができている。
絢香・平井堅・Superflyといった有名アーティストをミリオンセラーに押し上げた後に、急にニュージーランドに移住して、今でも執筆活動や講演で活躍されている四角大輔さんも、「ちゃんと、他の人と同じように」することができなかった人らしい。
そんな話が、いま読んでいる「超ミニマル主義」に書かれていた。
この本は、四角大輔さんが構想10年、執筆4年をかけて生み出したという、これまでの集大成となるもの。その中で、四角さんも20代はポンコツな自分に愕然とし、社内でも浮いた存在となりながらも、いまのワークスタイル・ライフスタイルを築き上げてきた軌跡が書かれている。いしかわさんのポンコツ本と併せてオススメしたい1冊です。
詳しくは、こちら。
厳しい人が怒る論理
厳しい人というのは、自分がそれをダメだと怒られてきたので、他の人にもそれをダメだと怒っていることが多い。自分が我慢してきたんだから、お前もちゃんと我慢しろ、という論理。
その人のなかで、過去の怒られたことが「恨み」に姿を変えて、他の人にもそれを強制したくなってしまう。それをちゃんとしていない人が許せないので、怒ってしまう。
心理学的に言うと、シャドウ。自分がNGとして抑え込んでいる心の影を、誰かの中に見ると激しく反応してしまう。人間の心では、半自動的にそんなことが起きているようだが、過去のことを自分のなかで消化して、本当の意味で許せている人は、物事への許容範囲が広いなぁと感じる。
小林正観さんは、幸せになるか、不幸になるかは、「見方」1つで変わるんだよ、と言っていた。言い方を変えれば、「解釈」。同じ事実への「見方・解釈」によって、受け取るものが異なってくる。
過去の出来事を許せている人というのは、改めて過去の出来事の「見方」をどこかのタイミングで変えているんだろうなぁ、と思う。
ゆるふわ思考は、ダラダラじゃない
いしかわゆきさんの仕事を受けるルールは、何をやらないか?がハッキリしている。改めて振り返ってみると、フリーランスになってからの仕事を受けるルールは、以下。
納期がきびしい案件は受けない
時間にきびしい人とは仕事をしない(遅刻してしまう自分に合わせる)
興味のないジャンルの仕事は受けない
「合わないなぁ」という直感がした人の仕事は受けない
「ゆるふわ思考」ってのは「ダラダラ」じゃない。
自分の苦手なことを理解して、得意なことで仕事していくってこと。
リストアップして苦手なことを全部やめよう。
自分が得意で合ってる仕事をしよう!
そうすると精神がすり減らないから。
いしかわさんは、そう熱く語られていました。
そんな「ゆるふわ思考で、ほどよく働き、ほどよく暮らす」ための考え方、これまでやってきたことが書かれている本が「ポンコツなわたしで、生きていく。」
僕も、これから読んでみます。
なんか、生きやすくなっちゃうかもね。
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