ペロトンの株価、20%上昇の深い理由と「ペロトンの弱み」
ペロトンという宅内ジムのマシンとサービスがアメリカを中心に大人気なのをご存知でしょうか?
このマシンは消費者に注目されているばかりでなく、SaaS+ A Boxのビジネスモデルでも話題を集めました。
A Boxの部分はハードウェアを意味しており、SaaSではサービスを提供します。
つまり売上の立ち方が初期のハードウェア+月次のサブスクで成り立つのでビジネスモデルとして注目されています。
一般的な宅内バイクマシンは500ドルほどの買い切りで、モニターも付いていないし、通信もできません。
しかし、ペロトンのバイクマシンは、通常機種1500ドル or 上位機種2500ドル(2022年8月25日 現在)と高額なフィットネスマシンを購入し、毎月38ドルか59ドルを払い、無数のクラスからオンデマンドで自分の好きなレッスンを受けることができます。
(ちなみにランニングマシンもありますが、情報が煩雑になるので割愛)
コロナにより、ジムへ行くことができなくなりましたが、初期費用はかかるものの、毎月通っていたジムよりは安く続けることができるのと、ハードウェアのデザイン性が受けて大ヒットしました。
SaaSの部分では、トレーナーによるトレーニングの生配信や、過去のトレーニングをオンデマンドで受けることができます。
トレーナーとしても人気トレーナーになれば、物理的な数的制約のある対面式よりも大きな知名度とお金を稼ぐことができるようになるため、スタートレーナーを夢見て切磋琢磨しているようです。
また、トレーナーではなく、ゲーム要素のある方法でトレーニングを受けることができるのも◎。
このペロトンの株価が、アマゾン経由での発売を発表をしたことで、2022年8月24日に20%もの急上昇をしました。
数年前にMBAスクールでペロトンを知り、長年株主としてウォッチしてきたので、ペロトンの弱みからするとこれは大ニュースでした。
この記事ではペロトンの最新のIR(2022年5月版)で公表されている全世界のユーザー数やその中で課金しているユーザー数、推定の毎月の売上の情報も見ながら、なぜ「Amazonで発売することが株価の上昇に繋がるのか?」=ペロトンの事業上の弱みについて解説していきます。
そこにはSaaS+A Boxの素晴らしさを打ち消すほどのペロトンの弱みが隠されていました…
また、テスラもペロトンのように、テスラのSaaS + A Boxを実行しており、EVオーナーからサブスクの売上(推定数億円)を立てているので、そのことにも触れ、投資先や自社の競合企業を分析する際に有用な着眼点の解説もしていきます。
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