2024年7月13日(土)スポーツは芝生の上で。。軟式テニスが生まれた訳

夏の3連休の初日。テレビの天気予報では「雨の3連休」と言っているが雨音は聞かれない朝で長男は元気に部活に行った。最近は夜中にテニスのウィンブルドンをNHKが連日放送しているので(車いすの小田凱人選手は残念)読んでいる本のテニスに関する記述に意識が向く。武田薫著の『増補改訂オリンピック全大会』でテニスの正式な名称はローンテニスだとあってその誕生は1874年だと書いてある。ローンとは芝生のこと。日本にテニスが入ってきたのは明治初期だが(ローンテニスの代わりに)軟式テニスが発案されてこれが広く普及していったのが日本の特徴で明治時代の大学には硬式テニス部が存在しない時期もあったようだ。ではなぜ硬式ではなく軟式が主流に?その理由は「芝生」にあると著者。そもそも近代スポーツはイギリスのヴィクトリア朝の「芝生の上」で誕生した。そしてローンテニスは天然ゴムの発見によって芝の上で弾むボールを手に入れて室内で行われていたゲームを青空の下でプレーするゲームに変えた。だた日本には芝生がなかった。フランスや南ヨーロッパも同様だったようでここでは芝生でなく水はけのよいレンガを砕いたコート(アンツーカー)でプレーすることでローンテニスを取り入れた。一方の日本はコートではなく「ボールの方」を変えたという。そして生まれたのがゴム鞠を打ち合う軟式というわけだ。著者はこれらの続きに面白い論考を加えている。「芝生の不在は日本でのサッカーの普及も阻害した。あの連続運動を固い土のグラウンドでやって、楽しいはずがなく、最大能力も発揮できなかった」と。Jリーグに芝生のマスコットキャラクター「Mr.ピッチ」が生まれているのも理解できますね。

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