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<アロマトピア30周年記念イベント>執筆者と考える、日本産精油のはじめ方


私たちのふるさと日本。
そのふるさとで生産される
精油の生産者と消費者をつなぎ
正しい知識とふるさとの森を未来につなぐ。
それが「ふるさと精油をつなぐ会」の使命です。

今日は記念すべき<アロマトピア30周年記念イベント>に参加してきました。写真は、岩倉智美編集長と一緒に。表紙の絵がキャンパスのようになっっています。自然療法は、植物とのかかわりが深いアートのようなもの。次号の表紙も楽しみです。

アロマトピアは、自然療法とアロマテラピーの専門誌で、この業界のパイオニア&リーダーオピニオン的雑誌です。わたしも、自然療法ジャーナリストとして取材や寄稿で関わらせて頂いています。最近は、千葉のラベンダー畑の取材記事を担当させて頂きました。aromatopia167号に取材記事が掲載されました|自然療法クプクプ 樋渡志のぶ|note

【海外の精油採取現場から、日本の精油を考える】

ふるさと精油をつなぐ会「谷田貝光克代表」のお話は「海外の精油採取現場を訪ねて」。世界中の精油を訪ねてこられた興味深いお話ばかり。ブルガリアのバラ、ドイツの欧州モミ、レユニオンのバニラ、ケニアのミルラやフランキンセンス・・何か国もの精油生産現場を訪れてきたお話の興味は尽きません。続きは、谷田貝先生の著書でお楽しみいただけます。

日本の精油業界の発展には、精油をとりまく関係企業や関係者との共同プロジェクトが必要不可欠と、谷田貝先生。

特に海外では、自分の農場の収穫物だけを蒸留するのではなく、近隣する農場とも連携をとるのは一般的だそう。

その故郷に生きている植物の命を頂いて、香りの一部(精油)をわけてもらうのですから、その地元の方々が、それらの植物と共に、より豊かに発展していくことが理想です。

精油は、地元の人たちが、それらの植物が存在している豊かな環境を誇りに思い、絆を深めることにも貢献できます。

なにせ、今日の勉強会でもクリームを作るワークショップ(これがたまらなく楽しいのですが)を体験しましたが、精油は、毎日使う化粧品の原料でもあります。

毎日使う日常品ですから、料理と同じで、成分や、その精油の植物が、どういう生産者がどのように育てられているかを知れば知るほど、そして、その方法が優しいほど、例えば、自然農だったり手仕事だったり、在来種だったり、その精油と故郷は、地元の人たちにも消費者にも愛され、絆で結ばれていくからです。

谷田貝光克先生。先生の書いた本と一緒に。

そして、第二部は、友人でもある「アロマセラピストの和田文緒委員」によるお話とワークショップ。

このワークショップでは、文緒先生の手持ちの国産精油も含めた220種類の精油を使って、オリジナルの香りをつくりました。

何という贅沢なことなのでしょう!
和田先生の精油220種、うち国産は半分くらい!
こんな素敵なコレクションはみたことがありません。

和田文緒先生の数多くの現地取材、蒸留体験、そしてアロマセラピストとしてのクライアントとのやり取りのお話は共感出来ることばかり。香りの調合では、「古関裕而さんの高原列車は行く」の歌をイメージしたリクエストに応えていたり、クライアントとのやり取りは実に微笑ましいものがありました。1954年に生まれたこの曲が流れていた頃、日本の故郷の原風景は、戦争で破壊された傷跡とともに存在していたことでしょう。

破壊された家を復興させるために、昭和20年~30年は、戦後復興と木材の需要の急増で、拡大造林がされました。同時に、薪炭から化石燃料への転換がおき、広葉樹はいらない、となり、広葉樹が一斉に伐採され、針葉樹に変わったという話はご存知の方も多いと思います。

昭和39年(1964年)、木材の自由化により、
木材自給率は、
1955年 94.5%
2000年 18.2%
2019年 37.8%
と偏移しているそうです(谷田貝先生の資料から)

そして今問題なのは、長寿の樹木への価値を理解しないまま森林との関係を続けていることだと思います。この本は、樹木への理解を深め実践に結びつける貴重な一冊です↓。


話が脱線してしまいましたが、精油の生産者とクライアントを直接結び、「精油やハーブは、幅広く活用できますから成分を見たり、エネルギーを見たり、相手のニーズをくみ取って寄りそって歌の世界の香り作りもたのしく、そんなふうにアロマテラピーと関わっていきたい。」と和田文緒先生。お一人ずつと向き合わせて頂ける、ある種とても地味な私たちアロマセラピストの仕事は、このまま丁寧に続けていけばいいだけなんだ、と励まされます。

和田文雄先生は「アロマテラピーの教科書」の著者
わたしは「ホメオパシーバイブル(中村裕恵先生)」のライター
として、新星出版社のご縁でつながりました。

そして、お楽しみの「パネルディスカッション」です。

グリーンフラスコ代表の林真一郎先生の司会進行で、会場の皆を笑いに包みこみながらトークが進みます。

植物と精油へのリスペクトがとまらない内容です。

森は日本の財産であり、持続可能な方法で精油産業として、毎日の生活を豊かにしながら発展していきたいという思いはみんな同じ。精油に携わるみんなで、関わる人々とふるさとが幸せになる情報交流への期待は膨らみます。

わたしも、東京の明治神宮外苑の木々が900本も失われてしまうかもしれないので、東京ブランドで、スギやヒノキが、このふるさと精油をつなぐ会のみなさまの協力を経て、精油として残せないか、あるいはクラフトなどなんでもいいから、ただただ失われていくのを、都知事や政治家のせいにして、何もしないなんてことはしたくないことを共有させて頂きました。

このような貴重な会を、東京・自由が丘で開催してくださるソフィアフィトセラピーカレッジの代表・池田先生とも久しぶりにお会いできました。

11年前の震災のボランティア活動の時にもご協力いただきました。

池田先生は、東日本大震災後に、震災がれきを活用し東北に「森の防波堤」を築いてきた日本の植物学者である宮脇昭先生らと共に活動され、その普及にも尽力されてきました。宮脇先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

日本の精油が発展していくのはとても嬉しいことですが、樹木や原生林も、それ以外でも、とにかく根っこを含めて樹木を守る仕組みを作っていくことも大事です。特に、今のままでは、昨日まで山だったところが、あっという間にソーラーパネルになる事態が起きています。でも、一歩踏み出せば、爽快な展開が待っているかもしれません。

木を失わないためには、失いたくない、共生したい、という明確な意思表示を身近な人と同時に直接行政に示すと共に、その仕組みを理解し、条例などに目を向けていく必要があります。自然を大事にしたい地元の議員さんたちへ声を届けるのも大事な一つのアクションです。

同じ志を持つアロマテラピー&自然療法の仲間たちとの久しぶりの再会の時間でした。感謝。

<アロマトピア30周年記念イベント>執筆者と考える
日本産精油のはじめ方の関係者のみなさまと。
有意義な会をありがとうございました★

次回イベントは、日本固有のやぶ椿のお話。聞ける貴重な会をお見逃しなく。

日本香道さんが手掛けるYohakuのコーナーも素晴らしかったです。

檜と樟のスワッグ。わたしも地元や訪れた先で落ちている枝葉を乾燥させて作ってみたいです。

ふるさと精油を通して、この大地がより豊かになりますように。
クプクプの施術でも国産精油をとり入れています。
気軽にリクエストくださいね。

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