十七章 信頼が生んだ結果2

 ミュゥリアムとフレイが貴族や商人の家を巡って賢人の石を探していたころ、マクモとクラウスとレイヤはメトモの実と春のヨウキ鳥の羽と胎動の心を手に入れるため精霊魔法を使っていた。

「ヨウキ鳥さん。私の声にこたえてここに来てください」

「メトモの木よ、我が声に答え実りとなりてここに豊穣の恵みを……」

「胎動の心よ。我が声に答え呼び覚まされよ」

なんとなく怪しい雰囲気を醸し出しながらも緑と茶色と赤の煌きが薄暗い空間に広がる。

レイヤ達が魔方陣を使ってメトモの実とヨウキ鳥の羽と胎動の心を入手しようとしていたころ、お店で皆の帰りを待つアイリスとイクトの下にお客が訪れていた。

「失礼します」

「いらっしゃいませ。あ、イリスさん」

イリスがお店へと入って来るとアイリスは笑顔で出迎える。

「話は聞きましてよ。アイリスさんが困っていると聞いて駆け付けましたの」

「わざわざ有難う御座います」

彼女の言葉にアイリスはお礼を述べた。

「それで、モケモケの布を探していると聞いて、わたくしの家に同じものがあったのを思い出しましたの。アイリスさん、良かったらこちらをお使いください」

「イリスさん……有難う御座います」

イリスが手渡してきた布を手に取り彼女は心の底から頭を下げて感謝する。

「アイリスさんの事皆応援してますの。ですから、絶対に今回の依頼の品作って見せて下さいね」

「はい! 必ず、必ず作って見せます」

彼女の言葉にアイリスは力強く頷く。その姿にイリスもにこりと笑うと店を出て行った。

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