映画「CLOSE」【感想】ありがちだけど、染み過ぎて重い
ある、推したい申し上げている人が雑談配信でこの前、観てきたよと言っていた、映画「CLOSE」を観てきた。
重いと言ってたし、予告編を観たからある程度は察してはいたけど、本当に重かった。
結論としては、思っていたほどは泣けなかった。最後にレオが洗いざらい吐き出すシーンがあって一緒に号泣する、そんなイメージを持っていた。
そういう意味ではあっさりしてるとも言えるけど、レオの思いが少しずつ少しずつ染みてきて、その上レニの母の言動が合わさって、いつの間にかズシリと心にのしかかってきてしまっていた。
映画を観終わった今は少し放心した状態で、帰りの電車の中で感想を書いている。
レ二の結末を除けば、思春期にありがちなよくある風景かもしれない。
仲良しの男友達との間柄を半ばクラスメイトにからかられて、あるいは邪推されて、反発するように疎遠になっていく。
残念ながらレオとレニほどの仲良しはいなかったものの、小学校時代の友達が中学に上がったらなんとなく疎遠になってしまった、という経験はじぶんにもあった。そういう頃の話だ。
確かに傍目から見てもレオとレニは仲が良すぎるくらいな感じはあったから、心ない女子たちにカップルなの?って言われるのも分からない話ではない。
そんなことを言われたところで二人が特に気にしなかったら良かっただけとも思う。
でも、特にレオはそういう風には決してできなかった。そういう意味ではまだまだレオは幼かったのだ。
とはいえ、誰がそんなレオを責められる?
レニの親以外は…。
レニの父親がレオをどう思ってたかは分からないが、母親の方の気持ちはしっかりと痛いほど伝わってきた。
彼女は言葉では多くは語らなかったが、彼女の言動そして、最後の「降りて!」で彼女がレオに抱いていた気持ちがほぼ集約していたと思う。
そこからの結末は思わず最悪のものを思ってしまったが、そうはならなくて心底ホッとした。
レオの後悔が完全になくなることは恐らくないとは思うが、ほんの少しだけでも前に進むことができたら、と願う。